第02話

 家に入ってみると、ぱっと見、速筆小説家と床ドン神妹が住んでる家のようなレイアウトだった。もしや神子みこ、僕があの作品が好きだってことを知ってたのか!?いやでも、神様だからな・・・って、名前聞いてきたってことはぼくの生前の生活を知らなかったってことだよね。あぁ、そうか、確か神子は、ラノベ読んでるって言ってたから、そこからなのかな。もしくは、偶然か。しかし、この配置で神妹が足を少し震わせて手すりを掴みながら登場してきてくれていたら多分意識飛んでたと思う。割と冗談抜きで。って、絶対にないけどwというか、この家、新築らしいし、誰かいたら不法侵入だよね。もっとも、神妹が登場してきてくれるのなら、通報なんて選択肢には無くなるだろうけど。


 とまぁ、さっきから作品を知ってる人しかわかんないような独り言はやめて、他の部屋も見てみよう。左の部屋は、洋室。階段の奥にある部屋は・・・あっ、風呂ね。玄関から入ってすぐの廊下の左は?トイレとリビングがある。よし、1階は大体全部見終わったかな。じゃあ、2階に行こうか。2階にもできたらトイレあってほしいなぁ。

 よし、2階についた。右の部屋は、1階と同じく洋室。左は・・・よしっ!トイレあった。やっぱり2階にいるときに急にトイレに行きたくなったときのことを考えると、2階のトイレはあってくれてほんとよかった。その奥は、洋室。ここは、リビングの真上だね。あっ、奥にふすまがある。入ってみよ。・・・おっ、和室だ。


 一通りこの家は全部回ったかな。一人暮らしにはちょっと大きいかもしれないけど、まぁ、大きい分に関しては大丈夫うだろう。そういや、固定資産税とかってどうなってるんだろう。神子に聞いてみよ。


「もしもし、神子?」

「なんじゃ、家に何か不具合でもあったか?」

「不具合は何もないよ。ちょっと聞きたいことがあって」

「なんじゃね?」

「いや、固定資産税とかの税金、そのあたりどうなっているなかなぁって思って」

「おぉ、そこに関しては、こっちが払うようになっておるぞ。じゃから、お主が税金に関して考える必要はないぞ。消費税に関しても支払いのときはお主が払うことになるが、後でこちらから消費税分の金額は送るようになっておるから実質、消費税も抜きになるぞ。もっとも、確かその時代じゃとまだ消費税はなかったと思うがな」

まじか、すごいな神子。そりゃ確かに[基本的生活に支障がない程度の資金の補助]を頼んだけど、まさかここまでとは・・・って、これは、基本生活に支障がない程度の資金の補助に含まれるのか?

「神子、確かここに来る前に神子に[基本生活に支障がない程度の資金の補助]ってのを頼んだよね?」

「頼まれたぞ」

「この税金に関しては、これに含まれるの?」

「含まれんぞ」

ふぁ!?どゆこと!?じゃ、なんで???

「えっ、じゃあなんで税金を払わなくていい感じになってるの?」

「言ったろ、わしはお主を気に入ったと。そこでわしは、お主に頼まれたことに加えてわしが出来る補助というか、手助けをしたいと思ったのじゃ。わしが勝手にやってることじゃから嫌なら言ってくれたらやらないが・・・」

ねぇ、なにこのチート。なんてコードを打ち込めばこんなチートできるの?LRLRLLRRA?↓↘←START?SELECT,XXYBA?いや、これはレトロゲーム(SFC)の裏コードたちだ。こんなのでシステムに匹敵するであろう神様をどうにかするなんてできやしない。なんか他の転生者たちに申し訳ないような気もするが、まぁ、自分が損するわけでもないし、他の転生者たちが今から損をするなんてことは無いだろうしいいか。というか、他の転生者たちは、僕よりすごい願いを最初にしてるんだったしな。でも、それを考えても、税金はまぁいいとして、いつでも神子が願いをかなえてくれるってのは最大級の願いにも匹敵するんじゃないだろうか。もしかして、それを超えてしまっているかもしれない。

・・・・・・

「いやいや、断る理由なんてないよ!!!むしろすごくありがたいよ!!!」

「そうか、ならよかった」

「[基本生活に支障が無い程度の資金の補助]って実際のところどこまでが適用範囲内なの?」

願った自分がなに聞いてんだ?とも思ったが、どこまでが適用範囲内なのかはわかんないから仕方ないよね。

「それに関しては、食費、光熱費などが主じゃな。あっ、お主に関しては、[生前からの趣味に使う費用]こっちのほうが重要かの?」

重要ですよはい。もし出来るのならば、最重要事項かもしれない。

「あの・・・いろいろ出してもらえることは分かりましたけど、逆に僕はお金を消費することはあるの?」

これだけいろいろ出費してもらえれば逆に何に対してお金が減っていくんだろう。

「それは、税金じゃな。特に、お主は、過去の地球に行ったわけじゃが、過去にも税金はある。しかし、お主のように過去に行きたいというやつは居なかったから、税金は今回がはじめてのケースじゃろう。しかし、その税金はわしが負担するから、お主が出費することといえば、新しく見つけた趣味に対しての出費と、仕事に対しての出費じゃな」

「えーっと、他の転生者たちは?」

「他の転生者たちも同様に転生先で見つけた趣味に対しての出費、仕事に対しての出費。あと、税金がある世界なら税金もじゃな。しかし、最初に大金を求めるやつはたくさんいたが、お主のように、継続的に資金の補助を求めたやつはあんまりおらんかったからあんまり覚えとらんのじゃよ。でも、多分さっき言ったことは入っておったと思う」

長くやってて、なおかつ珍しいケースなら、覚えてないのも当然か。まぁ、大体同じならいいか。

「そうそう、2018年の最高技術を使った家じゃと言ったろ?AIに関しては気づいておるか?」

え?まじすか。AIあるんだ。たしかにニュースでAIが組み込まれた家が完成したと見たことあるけど、確かあれって、数億円はしたと思うんだけど。いや、数十億だったかな?でも、神様だからという理由でまとまるんだけどね。

「気づいてませんでした。早速使ってみます!!」

「うむ、じゃあの」

神子との通話をきった。


 AIか、どうやって起動させるんだろう。そういや聞くの忘れていたな。いろいろやって試してみるか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

現役中学生が過去の日本に転生したら? 諏訪野ヒロ @suwano-hiro

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ