転生後・・・

第01話

 ここが33年前の世界かぁ。建物少ないなぁ。そして、これが、僕がこれから住む家か。

♫♫♫〜♫♫♫〜♫♫♫〜

ん?電話?2018年からはかかってこないはず。というか、そもそも電話帳には誰もいなかったはず・・・誰だ??

《着信 不明》

( 'ω')ファッ!? ふ、不明!?これ電話に出ちゃっていいのかな?

「もしもし・・・」

『おぉ!やっと繋がったわい。何かの不具合で繋がらんかと思ったぞ』

「神様・・・ですか?」

『そうじゃ、じゃが、そちらで電話しているときに神様と呼んでいては、社会の目が冷たくなるかもしれんから、わしのことは別の呼び方で読んでも良いぞ』

「いや、別の呼び方でと言われましても・・・神様、名前はありますか?」

これで名前ないとか言われたらどうしよう。

『確かあったとは思うんじゃが、基本名乗ることなんてなかったから忘れてしもうたわい』

えっ、ほんと、どうしよう。

「うーん、僕がやっているゲームに出てくる名前ですけど、【神子みこ】というのはどうでしょう。神様の神に、子供の子です。あっ、でも神様、男ですよね」

『おぉ!それでよいぞ!神子か、気に入った。女っぽい名前なのかもしれんが、わしは昔、妹子いもこという名の男とあったことがある。1400年程前じゃったかの』

えっ!?1400年前!?かなり昔で妹子・・・まさか、歴史の教科書にも載っている小野妹子おののいもこさん!?

『じゃから、まぁ、問題ないじゃろう。そうそう、わしは、お主をかなり気に入った』

わお、神様に気に入られちゃったよ。何かしたっけ?って、理由は多分息子に似ているって辺りだろうけど。

『そこで、普通なら転生者の名など聞かぬが、お主の名を教えてほしい』

あれ?ラノベの神様なら、転生者とかの名前は当たり前かのように知ってるけど、やっぱりそういうのは無理なんだ。

「僕の名前は、【高山たかやま ゆう】です」

『そうか、なら、お主のことは侑と呼ばせてもらおう。もっとも、【お主】と呼ぶのに慣れておるからほとんどはそちらで呼びそうじゃがな』

「分かりました」

あっ、そうだ、さっきから疑問に思っていたけど、他の人ってどのくらい神様にお願いしたんだろう。

「あの、神s・・・神子さん」

『神子でよいぞ。そっちの方が友達みたいじゃからな』

神様、いや、神子は神様だったから友達なんていなかったのかな。それとも、コミュ力が神みたいなタイプの人(?)なのかな?

「そうですか、神子、聞きたいことがあるんですが、僕以外の人は、神子にどんな願いをしていましたか?」

『そうじゃな、個人的なものもあったから、そこはプライバシーの配慮ということで言わないでおくが、お主を除いて一番小さな願いは、自分の思い通りの世界を作って、特殊な能力をたくさんつけてくれじゃったかな』

いちばん小さくてそれ!?

「じゃ、じゃあ、一番大きな願いは?」

『うーん、一番小さな願いも、ぼやかして言ったのじゃが、大きな願いの方は、ぼやかしにくいから言いにくいんじゃ』

「そうですか、言いにくいなら、無理に言わなくても大丈夫です。そういや、自分の思い通りの世界を作るのは、僕のもそれに当てはまるのでは?」

『いや、当てはまらんよ。元々、この世の中には、パラレルワールドというものが無数に存在していて、お主らは、そのパラレルワールドの1つに住んでいたということに過ぎないのじゃ。そして、今回お主を送ったのは無数にあるパラレルワールドのうち、お主が生きていたパラレルワールド以外のパラレルワールドに送ったのじゃ。じゃから、特に問題はない。そして、お主以外の者は、冥界、あの世に行くか、この無数にあるパラレルワールドの世の中とは別次元にある世の中に行ったんじゃよ』

パラレルワールド以外のパラレルワールド???えー「パラレルワールド」という言葉が多すぎてあまりわかんないけど、

「なるほど、なんとなく分かりました。要するに元いた箱から、元々あった別の箱に僕を移したみたいなイメージですね」

『そうじゃ。じゃから、お主の願いはわしの中では一番小さな願いなのじゃ』

「そういうことでしたか。やっと分かりました。神子が【それだけでいいのか?】と聞いてきた理由が分かりました」

『ところで侑、今は何をしておるんじゃ?』

あ、やっと侑って呼んでくれた。

「今は、神子が用意してくれた家の前にいて、家に入ろうとしたら神子からの電話がかかってきたところです」

『おぉ、それはすまなかったな。新居に入ろうとしたところだったとは。外装、内装共に、2018年基準の最高レベルのものだと思うんじゃが、まだ外装しか見ておらんようじゃが外装だけでも気に入ってくれたかのう?』

「はい。僕が住むには豪華すぎるのではないかとは思いましたが、すごくいいです!」

『よかった、ついでに、お主の私物もその家に入れておいた。配置等はなんとなくでやったから、あとは自分で置き換えてくれ』

「ありがとう御座います!」

よっしゃ!死んでしまったから完全に諦めていた私物達があるとは!

よし、じゃあ家に入ってみようか。

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