第17話 仲を深める
「そうそう、言っちゃダメだよ。これは人の血だからね」
その言葉で俺と赤髪メイドのペイナが固まった
「あ!」
ピューピューっと口笛吹いて誤魔化そうとする青髪メイドのメージュだが吹けてない上に誤魔化せても居ない
「メージュ?」
赤髪メイドのペイナに呼ばれバツの悪さから俺の後ろに隠れる青髪メイドのメージュ
「もー、またですか」
「………ごめんなさい」
さすがに悪いと思って謝ってるのはいいが俺の後ろに隠れたままだ
「えーと、メージュも謝ってるし許してあげたらどうかな?」
「まぁいいですけど、メージュも迂闊に秘密をバラしてはいけませんよ!」
「はーい」
これで仲直りしてめでたし、めでたしっと言う訳にはいかない
「ところでこの黒いの血って本当か?」
「……えーっと、本当です。」
気まずそうに目を逸らしているのを見ると本当なんだろう
これが血で、俺は臭いを嗅ぐだけで興奮するようになった
「トウヤさんが転生したのは戦闘用ホムンクルスです。戦闘用と名が付くように戦闘するために作られたホムンクルスで、戦闘の際に血の臭いで興奮し、殺すことに躊躇しなくなるっと聞いています」
《私は戦闘の際、周囲の把握と分析を担当です》
「そうか……、秘密にするような内容か?」
「何れ機会を見て話す予定でした」
「じゃぁ、そんな暗い顔をするな!ペイナは笑顔が似合ってるし、その呼び方の方が好きだぞ」
「?」
「さっきトウヤ様のことをさん付けで呼んでたよ」
「!?!?!?!?!?」
恥ずかしかったのだろうか赤髪メイドのペイナが顔を真っ赤にさせてる
「もしかして、男性に免疫がないから畏まった言葉使いしてたとか?」
「いや、そんなことは……、ないです、主人に対して丁寧な言葉使いするのは当たり前です。メージュがおかしいんです。私だってもっとトウヤ様に……」
「様付けじゃなくてさんとか呼び捨てでもいいぞ、っというか様付けは慣れないから勘弁してくれ」
「それならトウヤでいい?」
そこで青髪メイドのメージュの頭が軽く叩かれる
「それは流石にメイドとしてダメです!ここはトウヤさんっと呼ばせてもらいますね」
「ペイナ痛い」
「それはいいけど、口調ももっと砕けていいぞ?」
「それは無理です。この口調はメイドとして身に着けて以来癖になってますので簡単には崩せません!」
「そういうもんか?」
「そういうものです」
じーっと青髪メイドのメージュが赤髪メイドのペイナを見る
「ペイナ痛い」
「バカなことを言うからです。メイドたるもの節度は持つべきです!」
一通りの検査は終わった
俺はこのまま風呂入って寝ようと思ったが場所を知らない
「そういえば風呂どうなっているんだ?」
この言葉にメイド二人が固まる
「えっと、どうなんでしょう?今空いてるかな?」
「私がみてくる」
タッタッタッタ、っと青髪メイドのメージュが風呂の様子を見に行った
「俺なんか変なこと聞いた?」
風呂の話をしてから二人の様子が変だ
「いえ、なんていうか心の準備が…、ちょっと待ってください」
深呼吸し落ち着けて、心なしか赤かった顔が元に戻った
「トウヤ様!お風呂は一緒になさいますか?」
今度はこっちが固まった
お風呂を一緒になさいますか?って一緒に入りますかってことだよな?
《この場合、ご主人様が思ってる内容ではなく、メイドが主人の体を洗うか?っと聞いています》
(ナイス、エイっと思ったがあまり変わらなねー!)
俺が思ったのは文字通り一緒にお風呂に入るってことで混浴みたいなのを想像したんだが、体を洗ってもらうってのは前を考えればそれ以上じゃねーか!!
これが恥ずかしくて青髪メイドのメージュは先に逃げるように確認に行ったな!
「えーと、そのだな、背中だけお願いしようかな!」
ヘタレと言いたいなら言えばいい、会って間もない人間に機会があるからといって前を含めた全身を洗ってもらうなんて出来るわけねー!
タッタッタッタ、バタン
「今はデドラ様が使ってるみたい、入るなら入っていいってさ」
青髪メイドのメージュが戻ってきてノックもせず開けたのでビクッリした
「ならじーさんのあと入らせてもらうかな」
「分かりました、では一緒に入らせてもらいますね」
「性的なサービスは禁止だよ?」
突然の爆弾発言に吹く二人
「性的って、トウヤ様の体を洗うだけですよ!」
「なんかイヤラシイ響きを感じた、だから私が洗う!」
この後しばらく揉めたが結局、青髪メイドのメージュが洗うことになり赤髪メイドのペイナが監視するといった具合に
「おーい、いいぞー!」
日本の露店風呂を思い出す大きなお風呂
タオルで前を隠してからメイド二人を呼ぶ
失礼しますっといって入った二人
青髪メイドのメージュは魔法を無詠唱で使い桶にお湯を入れ
ペイナが持ってたタオルを濡らし、石鹸で泡を立て背中を洗う
そこに想像したような甘い感じは無く、業務的に魔法で洗われ業務的に退出していった
赤髪メイドのペイナは顔を赤らめお辞儀していたが、恐らく過剰なサービスを行おうとしていたんだろうっとエイは分析していたのだった
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