第11話 冒険者ギルド

冒険者ギルド


外見は大使館みたいな二階建ての建物に国、領主、冒険者ギルドと各紋章が入ってる旗が飾られ

ギルドの中は案内と複数の受付、書類を書くための机などが並べてあり、銀行の待合室みたいな感じになっている


《豆知識ですが、一軒家みたいな大使館もあるとか》


(どこの豆知識だよ!)


大使館というものがこの世界にあるか分からないけど今必要な知識ではない


赤髪メイドのペイナが案内するまま一つの受付へ進む


「こちらになりますトウヤ様」


一つの受付へ案内される

他の窓口は整理券で順番待ちなのに此処だけ空いてる

それはこの受付が貴族専用の受付だからだ


「お待ちしておりましたトウヤ様、まずは書類を提出してもらってよろしいですか?」


異世界人専用の用紙を提出すると


「ありがとうございます。では、こちらへ」


案内されたのは個室で部屋に入ったときには紅茶とお菓子が置いてあった

ソファーに座り、紅茶を飲んだりしてたら、

コンコンっとドアが叩かれ赤髪メイドのペイナが開けると、髭面で筋肉隆々、背は少し低めの爺さんが現れた


「おう、そろってるな」


そのまま対面のソファーに座る爺さん


「まずは自己紹介だ、名前はアダン・バートル、ここのギルドマスターだ」


「おれは、トウヤ・オオイケだ」


「そうか…、まず知ってると思うが、現在近くの半島にあった港町イーマンスが壊滅した。

非常事態宣言が出されて俺も暇じゃーねぇ!でもな、冒険者ギルドとして異世界人のことは何より優先される

そういう方針なんだが、お前は異世界人だよな?日本人だよな?」


そう言われるのも無理ない

今の俺は金髪蒼眼と日本人に見えない見た目になっていた

色が変わった以外にも変化はあり、全体的に見ると元の顔の影響を受けてると思う程度には似ている


《ご主人様はデドラ様に保護された転移者となっています。顔についてはイタリア人とのハーフと言うことにしてください》


正直に言っても混乱させるだけと思いエイの言う通りイタリア人の母を持つハーフと言うことにしておいた


「ハーフねぇ、お前さん自身は日本育ちの日本人でいいんだな?」


「そうだ、日本生まれの日本人だから日本語以外喋れないし書けないぞ!」


「つーことはだ、事前に翻訳魔法を掛けてるんだな?その辺の説明は受けたな?」


「はい、大丈夫です。トウヤ様は間違いなく異世界人です」


「ならいい。さて、冒険者ギルドに登録でいいんだな?」


「あぁ、俺は冒険者になりたい」


異世界転移or転生の本を読んだ影響だろうが、冒険活劇にあこがれが無い訳ではない


それに、美人メイド二人をつけてのハニートラップがあるのを考えると、

異世界転生召喚された後にやることは碌なものじゃないだろう

ご丁寧に転生先に『戦闘用ホムンクルス』となっているからな

ただのホムンクルスじゃなく、戦闘用と付いてることから使われる用途は戦争だろう


そんな状況から逃れるには冒険者となって逃げるのが一番いいだろう


「それは金を受け取るのが目的か?それとも純粋に冒険者になりたいのか?」


「純粋に冒険者になりたい!」


しばらく無言が続くがギルドマスター(以下ギルマス)から目を離さなかったが

ふとギルマスが笑みをこぼして立ち上がる


「なら付いてこい、まずはテストだ」


付いていくと裏庭の訓練場らしき広場に出る


「武器は右側の棚にある、好きな奴を選べ」


ここまで付いていけば何があるか想像は付く

異世界に来たばっかり頃と違って自分の意思で戦うのは良い

つい笑みを漏らすとギルマスも笑みを漏らしていた


「ひょっとして、似た者同士でしょうか?」


「多分そうかな」


ギルマスには職員の一人が木剣と小型の盾を渡し装備している


俺は腰の剣に近いカットラスタイプの木剣を装備して、

腰の剣は邪魔なので赤髪メイドのペイナに預ける


「準備はできたな?」


「おう、それでルールは?」


「ルールは無いが、これは冒険者の最初期ランクを計るテストだ。

どんな無様な結果だろうと最低値のFランクは貰える、逆にどんなに結果が良くてもDランク止まりだ」


「なんでだ?」


「いくら強くても経験のないものに高ランクは与えられん、経験が有ったとしても実績のないものは信用されん

強いだけなら傭兵にでも慣れって追い返すぞ」


「強さ以外も必要ってことか」


「そうだ一つ賢くなったな、じゃ始めたいが見届け人は後ろのメイド二人でいいか?」


《この場合、見届け人は不正防止を意味します》


「ああ、問題ないだろう?」


「問題ないな、俺の方の見届け人は職員の一人がする」


こちらも問題ないので裏庭の端の20メートル四方を使ってやることになった


「さぁ、かかって来な!」

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