第29話スキルの型
更新が遅くなってまことに申し訳ございません。
勝手になりますが、不定期更新に変えさせていただきます。
ご理解の程よろしく申し上げます。
・小話・
みなさんはGWどうでした?
10連休は流石に長くて、逆に疲れました。
GWは小説を書くのをお休みしてました。ごめんなさい。
てか、もうここまでくると、開き直りますよね。
今日は人物紹介です。
スキル…カブト
召喚獣であるカブトムシを身に纏って戦うスタイルです。
カブトムシたちは火が苦手。
反射神経や身体能力はカブトムシの力を借りて、底上げされています。
ちなみに冬はめっちゃ弱いです。
好きな事…ペットのかぶと(名前はクロちゃん)のお世話をすること。
火炎たちに立ちはだかった最初の刺客の人。
名前をずっと出そうとして、ここまできてしまった犠牲者。実は昔彼女がいたそうですが、フラれたことをきっかけに、少年の仲間になったそうです。
今回の小話はここまで。本編をお楽しみください。
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こんなすごい力を俺たちは習得できるのだろうか…
不安感と期待感が同時に頭の中に居座った。
たがどちらかというと期待感が大きかった。なぜならこの力を使えるようになれば、自分の危ない場面とかを切り抜けることができるかもしれないからだ。
お祖父ちゃんはゆっくりと目を開けると、心眼の説明をし始めた。
「心眼には種類が2つあるのじゃ。
1つ目は、未来を見る。これはそのままで、未来を見ることのできる力じゃ。
2つ目は、相手の考えを見る。これは、相手の思考や意図を、言葉や吹き出しのようなもので
見る力じゃ。
すべての人間にはこの2つのどちらかが、備わっている。花の咲いていない蕾のように、必ず誰もが持っていて、努力で咲かすことができるのじゃ。
あ。でも使いすぎは注意じゃぞ。
精神力をエネルギーとして使うため、使えすぎると、集中出来なくなったりするからの。」
力のこもった説明。必ず誰でも持っていて、その言葉に頭の中にあった不安感が小さくなった。
説明で力んでいたお祖父ちゃんは、上がった肩を深呼吸と共に下ろた。
「ゴホッゴホッ!熱くなりすぎると、流石に体にくるわい。わしも歳じゃな。そんなことはいいとして。心眼を学ぶ前に君達にはもう一つ学んで欲しいことがあるのじゃ。
それはスキルの型じゃ。」
スキルの型…?
聞いたことの無い言葉だ。
すると、お祖父ちゃんはどこにしまってあったのだろうか、眼鏡を取り出した。
フレームは銀色だが、ところどころが色がはげて黒い下地の色が出ている。レンズは指紋などで汚れている。
「スキルの型とはな、スキルには、同じものは存在しない。そして各々のスキルに必ず、固有の型というものが存在していのじゃ。
型はそのスキルの得意不得意を教えてくれるのじゃ。
つまり型を知ることは、己の得意不得意を知ることと一緒というわけじゃ。これを知れば、君達はもっと強くなれるはずじゃ。」
お祖父ちゃんは、古ぼけた眼鏡をかけ、細い目をいっぱいに開き俺を凝視した。
「例えば火炎なら、優秀な近中距離の技を持っているが、サポート技が1つしかなく、遠距離にめっぽう弱い。
これが火炎のスキル業火の型じゃ。」
俺の型か…
言われて思い当たるふしはある。
俺が持っているサポート技は《火盾》しかなく、自分の射程距離は長くて
5m程と短いと自分でもそう思う。
はい。雫が朝早いのに元気良く手を真っ直ぐ挙げた。
「先生!私の型も教え下さい。」
「あっ。じゃあ私も。」
花樹も便乗して、肘を曲げてだるそうに手をあげた。
二人から「教えて」と言われたためか得意になり、グッと胸を張って答えた。
「まずは雫ちゃんからじゃな。
雫ちゃんの型は、優秀なサポート技や強力な攻撃技があり、攻撃もサポートも一人で行える万能型じゃが、弱点の草属性に打点がなく、めっぽう弱い。これが雫ちゃんの型じゃ。
えっと、花樹ちゃんの型は…なんじゃこのスキル!久々にこんなすごいスキルを見たわい。こんなの文句の付けどころがないのう。う〜ん。しいていうなら、技の発動と動作にタイムラグがあり、少し遅いことぐらいじゃな。」
目を丸めながら、じっくりと花樹のことを凝視した。
あまりに長く見られるのが恥ずかしかったのか、目を逸らし花樹の顔が赤くなっていた。
どれほどすごいのだろうか。
頭にあった不安感や期待感を押しのけて、疑問感が頭に居座った。
「ねえ、じいちゃん。何が凄いの教えてよ。」
俺の唐突の質問に、少し驚いたのか、お祖父ちゃんは俺の方に素早く振り向いた。
「花樹ちゃんの型が見たいのか?
嫌じゃ。火炎には教えてやらなーいじゃ。」
ムッとした。がいつものことだ。
こうやっていつも俺だけ仲間外しにしてくる。まるで小学生のように。
みんなが笑っている中で、お祖父ちゃんの話はまだ続く。
お祖父ちゃんは眼鏡を外し、みんなに見せた。
「そういえばこの眼鏡すごいんじゃぞ。この眼鏡は「詳細」と「見極め」のスキルを応用した、型が見える眼鏡なのじゃ。これをかけてみんなをみれば、色々な情報と共に、スキルについて分かるのじゃ。
アマザンでポチったわい。
1500円じゃった。なかなか安いじゃろう。
まぁちなみにわしは、型判定の免許証をもっておるから、こんなもんいらんがな。ほらこれ。凄いじゃろ。」
そう言ってお祖父ちゃんは、これまたどこからだしたのか、手のひらサイズの小さな長方形の紙に、大きく黒い字で「型判定」と書いてあり、その下には名前が書いてあり、しっかりと「氷河時男」と書いてあった。
これの何が凄いのか?
どうでもいいのだが、なんとなく疑問になった。
みんなのとぼけた顔を見たお祖父ちゃんは、パンと手を叩き、みんなの意識を向かせた。
「いやぁ。すまんすまん。少し話が脱線してしまったようじゃな。
そういえば、疾風のスキルの型を見てなかったのう。
どれどれ?…疾風の型は、高威力で広範囲位の攻撃技が強みじゃな。サポート技は無いのじゃな。一人で戦うならいいが、味方と共に戦う時はとても向いていないの。」
疾風は小さく頷いた。
お祖父ちゃんは眼鏡を外し、みんなをじっくりと見たあと、大きく息を吸った。
「では、いいか。修行は容易くはないぞ。死ぬかもしれないし、学校との掛け合いの日々が辛いと思う。くれぐれも気をつけるように。今日をもって修行の開始じゃ。」
「はい!」
みんなの声が山いっぱいに響き渡った。
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