第14話薔薇の棘
・小話・
あ〜話が無い。小話は獄炎の業火の話の中での裏話や裏設定などを話す場にしています。
ここで、コメントの方でわからない事を質問してください。
小話はここまで本編をお楽しみください。
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「きゃあああああ」
花樹は疾風から振り下ろされてしまった。
この高さから落ちたらやばい。
桜木の寝床
[桜木の寝床(さくらぎのねどこ)
桜の木を布団の様にするサポート技。クッションの代わりにしたり、木を高くすれば、人を上に乗せて匿う事もできる。応用性が高い。]
「ふうーあんなところから落とすなんて。みんなとはぐれちゃった。どこにいるか探さなきゃ。」
導きの花地図
[導きの花地図(みちびきのはなちず)自分中心から半径1kmまでの地形を表す事ができる。範囲内に誰がいるかなどもリアルタイムでわかる。]
「ふむふむ。みんなこの村にはいるんだね。最初は誰に会うかな?雫ちゃんかな?女子同士の方が楽しいし。」
記憶上の地図で進むと、道に迷うかもしれないから、導きの花地図を確認しながら、雫の元へ行こうと歩き出した瞬間...
「君可愛いね!
僕と後からお茶でもどぉ?なんてな。そんなんで遊んでたら、ボスに怒られるよ。」
花樹は話しかけられた時最初はナンパかと思って、ふってやろうと考えていたが、ボスに怒られるの言葉で相手が誰だか検討がついた。
「あなたが誰だかわかった。なんで君は火炎君を狙うの?」
相手がいつ何をして来るかわからないから、グッと体に力が入り、一気に戦闘体制に入った。のに...
「なぜ?ってボスがそう言うからさ。でもなんでこんな可愛い子を殺さなきゃいけないんだろうね。」
!!
相手から目を離してなかったのに気づいたら花樹の結んだ髪を優しく撫でるように触って愛でていた。
花樹は驚きのせいで反応が遅れた。
大樹の剣先で攻撃しようとしたが、目にも止まらぬ早さで避けられ、最初の位置に戻っていた。
驚きがもう一度が襲ったが花樹には姿が消える一瞬だけバチッと音がして、電気の様な物が見えた。
「アブね〜、でもたまには冷たい子もいいかもね〜。」
花樹はこの女大好き発言に、流石にキモいと感じた。
その反面相手の能力について考えた。
相手の能力は多分電気系の能力だろう。電気系の能力はスピード、攻撃に特化していると聞いた事がある。
あのスピードや直後の電気から考えると予想に沿う。
「はーあ女の子を手にかけるなんて。でも速攻で終わらすから安心して。」
花樹が能力について考えている中で、また瞬間移動した。
さっきまで前にいたのに、いつの間にか後ろにいる。
するとまた、つぎは左側に瞬間移動している。
「速攻で終わらせると言ったけど、
さっきの攻撃は当たったらただじゃ済まないよね。
この技は電撃の雷槍っていう技なんだけど、当たると死ぬからね。」
[電撃の雷槍(でんげきのらいそう)雷の槍を作る技。雷の早さなのでよけようが無いのに、傷口から電気を流す。殺傷性の高い技]
おとこは自信満々に笑顔を見せた。と同時に両手の手のひらを見せるとそこから雷の槍が二本出てきた。
二本の槍から伝わる殺意に花樹は背筋からゾッとする冷たさを感じた。
おとこはそれを放った。
やばい避けきれない。
雷のスピードで放たれた技に花樹は恐怖を感じたが。
ドン!
槍は花樹ではなく土に刺さった。
花樹は避けていないのに外れた?
わざと外した?
そう思い相手を見ると、居ない。
後ろにいる。と後ろを見ると、また電撃の雷槍を放つところだった。
今度こそやばい。
花樹さっきのがまぐれなら、つぎは必ず当てにくる。また違う恐怖を感じた。
しかしまた花樹は動いてないのに、技は外れて虚しく土だけが舞っている。
男は瞬間移動して技。瞬間移動して技。を何度も繰り返し、もちろん技はすべて外している。
花樹は考えた、この行動は罠だと。
多分すべて外しているのはわざとで
誘いだと思う。
ここで急いで攻撃すると、瞬間移動で避けられて、直後の硬直状態を狙われる。なんの捻りも無い罠だが、気づかないと必ずはめられる危険なものだ。
攻撃してもやられる。
攻撃しなくてもやられる。
花樹は打つ手を完全に奪われてしまった。
動き自体は早くて見えないが、技を放つ時だけ少し止まる。狙うならそこだがあの早さに技を当てるのは難しい。
だからと言ってこのまま引き伸ばすと相手に技を当てられて終わりだ。
どちらにしても、終わりを迎える。
まさに背水の陣だ。
何か打開策がないかと、作戦を出すが自分でこうじゃない。これのも違うと捨てては出しを繰り返した。
不意に自分の考えにピッタリの作戦が出てきた。
これで行こう‼
黄色牡丹の羽衣
[黄色牡丹の羽衣(きいろぼたんのはごろも)牡丹の葉で体も包み防御する技。欠点は周りが見えない事。]
花樹の足元から牡丹が出てきて、
やがて牡丹は葉で花樹を包み込んだ。
「それじゃあ周りが見えないでしょ。相手を有利にするだけだ。」
男はそう言って、瞬間移動をやめ、止まったまま花樹を電撃の雷槍で猛襲した。
花樹は勝ちを確信した。
自分の作戦通りに相手が動いてくれたからだ。
作戦とはまずは相手の瞬間移動を止めるべきだった。
そこで黄色牡丹の羽衣というメリットのでかい防御をして相手の猛襲を誘う。
相手は猛襲をするためには瞬間移動の時間を削らないといけない。
後は止まった的を射抜くだけ。
蛇巻毒茨
[蛇巻毒茨(へびまきどくいばら)
相手を拘束する技。ただの拘束ではなく、薔薇の棘があるため暴れるほど刺さり棘にある毒でだんだん弱る。]
相手の足元から棘の生えた薔薇のツルが出てきた。
不意をつかれた男は、動く事すらできる間もなくツルに縛られてしまった。
「な、なんだうごけねぇ。しかも棘がささって痛え。なんだこれ。」
男がぎゃあぎゃあと赤ちゃんの様にわめいていた。
花樹はそれを聞くと黄色牡丹の羽衣を解き、男にゆっくり近づ行っていった。
一歩一歩近づく花樹を見ると、さっきまでうるさかった男は、わめくのをやめ、もがくのもやめた。
ただただ、花樹の凍りつく殺気に身を包まれた。
花樹は男に何も言わずに大樹の剣先でとどめをさした。
実際のところは、当ててはいなくて、
寸止めだが男は口から泡を吹き気絶してしまった。
なぜ花樹がしゃべらなかったかというと、もし何か喋って相手も喋ってしまうと、頂点寸前まで上がっている怒りが頂点に達して、寸止めでは済まなかったかもしれないから。
「気絶したか。後はKSLに任せて先を急ぐとしますか。導きの花地図。
近いのは由紀ちゃんか、もし同じ様に敵と戦っていたら手助けにもなるから行こう。」
花樹は導きの花地図を見ながら、その場を立ち去った。
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