第13話カウントダウン
・小話・
野原花樹⁑のはらかじゅ
能力 世界樹
弱点 光合成が必要
小話がいつも長いと言われるので、
小話はここまで、本編をお楽しみください
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花樹はキスした後、照れた感じも出さず帰っていった。
花樹の心臓はバクバクだった。
勢いでやったのもの、我に返ると恥ずかしくてしょうがなかった。
次の日は出発の日。
出発だからと言って、街の人に見送られては出ずらいため、朝早くから出るつもりだった。
「眠たっ。花樹に時間伝えてないな。ちゃんとこれるのかな。」
あくびを抑えた、眠たっ。
出る時間を伝えてなかったため、来れるかどうか心配になった。
「ごめーん。送れた。
それにしても朝早過ぎるよ。」
聞き慣れた声にびっくりしたが、
それ以上にびっくりしたことは、
なんと俺以外のみんなが知ってたことだ。
てっきり、俺だけしか知らないと思っていて、花樹が来たら説明するつもりだった。
「お兄ちゃん?大丈夫?行くよ?」
「ん?あぁ。ちょっと考え事を。」
みんな花樹と小学校の時から一緒だった友達の様な慣れた感じで接している。
何故か自分だけとても置いていかれた
感が抜けなかったが、渋々疾風に乗って街を出た。
疾風に乗ること数時間が経った。
県は何個か越していた。
ふわふわの疾風の羽毛の上で座るのは格別で、何時間でも乗っていられる程だ。
疾風がかなりのスピードで飛んでいるのに、全く風を感じない。多分疾風の仕業だろう。
のどかな田舎町の上。
ついさっきまで賑やかな都会だったのに、田畑のある緑一杯の田舎に来ると、いったことのない外国に来た様な新鮮感が心の中を景色と共に吹き抜けていく。
すると不意に、疾風の隣で爆発が起こった。
疾風の羽根が爆炎に当たるか当たらないかのギリギリのところでの爆発。
さっきまで何も無かった。
何も感じなかった。
能力を使った攻撃なら能力感知が働いているはず。
原因すらも考えれないほどの爆風。
飛んでいる疾風にもかなりの影響だが、俺達も無事ではなく、爆風で体制を崩した疾風から振り下ろされてしまった。
この高さから落ちたら骨折はまぬがれることはできないな。
とっさの判断で、両手から火を出して落下速度を抑えてゆっくりと着地。
「ハグれてたな。あいつら大丈夫かな?疾風の速度に合わせて爆発させるなんてかなりの爆発能力なんだろうな。」
誰も周りに居ないため、独り言をぶつぶつ言っていると、
「君が火炎君かい?
そんなに構えるなよ。まぁどうせ戦うけどボスの命令でな。君強いよね。」
急に名前を呼ばれたために、振り向くついでに、体に力が入った。
俺の名前を知っている。
ボスの命令。
多分敵だろう。体にいっそう力が入った。
「戦う気満々だね。それじゃあ戦うか。」
相手は木に指を触れた。
何をする気だろう。うかつに手を足せば、罠だったときの対処が難しいため
手を出せない。
男は3秒ほど木から指を離すと少し離れ
「僕の能力は爆弾。この指で触れると、なんでも爆弾に変えられる。
触れる時間で爆発の威力が変わる。」
指で触れた物は爆発物になる...
て事はあの木は爆弾!
火盾!
とっさの防御。
3秒ほどでこの威力!かなりの爆炎と爆風。
「チッ。ようは物に触れさせなければ良いんだろ。火纏村雨。」
軽く言うが、なかなか難しい事だ。
次の爆弾ができるまでに、村雨の届く距離まで詰めなきゃいけない。
相手がまた小石に触れた。
来た!この瞬間!
石に触れてから3秒ほどかかるから、そのうちに詰め寄る!
「そうだ!1秒触れれば、もう爆弾になっているから。気をつけてね!」
言いながら、触れた石を投げて来た。
もう1秒は触れている。
という事はもうあの石は爆弾!
まずい村雨状態のままだ。
村雨状態のままだと刀の火を一回戻さないといけない。
火盾を出して防御出来ない!
そのとき思考停止した。剣道でもこんな事無かったのに。
頭はわかった、動いても爆破で死んでしまう。
そのとき頭の中である言葉が出てきた。
☆★☆★
「おじいちゃんどうすれば、上手くなれるの。」
その頃は小学3年の時だった。剣道で伸びに困っていた時に、どうしたらいいのか剣道の師匠だったおじいちゃんに聞いた。
するとおじいちゃんは、
「人間は断崖絶壁に立った時こそ、強くなれるんだぞ。そして一回の飛躍を上げるには、日々の努力。
どちらかが欠けては、進化は見えん。」
★☆★☆
あの時はどういう事か分からなかった。
でも今はよくわかる!
不意に体が動いた。
小さな小石に刀の刃を当て、切りさいた。
「爆弾を切った!次は最大威力で爆破してやる。」
次は大きめの石に触れた。
「ここだー!」
1.2...頭の中でカウントダウンが止まらなかった。
最後爆弾に変えた石を投げて来た。
それをまた切り裂いて、直進した。
このチャンスのがしたら勝てない。
「龍爪火」
[龍爪火(りゅうそうか)
村雨状態でできる技。火で龍の爪を作り出し切り裂く技]
刀を鞘に収めてその場を去った。
「早くあいつらに会わないと。
心配だ。」
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