第9話疾風

・小話・

白風森の読み方について紹介します。

白風森は、しろかぜもりでは、なく

しらかぜもりです。

小話はここまで。本編をお楽しみください。

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白風森の入口には、古びた白い木の看板が立っていて、入るな危険の文字があった。


「よし!入るぞ。」


森自体はかなり大きく、草木が、都会なのに生い茂った場所だ。

草木の丈は、高い物が多く、見通しが悪い。


何度か、動物にも会ったが、それ程強い物は、おらず比較的簡単に倒せたが、しいて強いと言ったら、カブト虫だった。

動物といっても、普通ではなく、あの事件の後から、動物も進化したため、

とても強くなっていて、虫でも人間を襲う時がある程だ。


森の中腹程まで来たのだが、俺たちは、あることに気づいた。

そうそれは、迷子になったことだ。


森の中だ、一度迷えば簡単には、戻ることはできない。


「ピェーーーー」


混乱の中で響いたその声は、一声で辺りを震わせ、氷つかせた。

声を聞いた、動物や鳥達は、血相を変えて逃げていた。どれも怯えている様に必死でこの場を去った。


鳥の声と、動物達の反応、そしてこの殺気。この森を抜けるので一番会いたく無い相手に出くわした。


ものすごいスピードで通り過ぎたその動物は、俺たちの前に来て、

ピュゲーーと鳴き、羽を広げ、足の爪を見せ、威嚇してきた。


伝説では、羽を広げれば、10メートル程はあると言っていたが、

あくまでも目測だが、12メートルは、優に越しているだろう。


種類は、隼で他の鳥達より、大きく、貫禄がある。そしてとても速い。


俺たちを敵と見たらしく、バサッと羽ばたくと瞬く間に大空へかけてった。


羽ばたいただけでかなりの強風が起こり、周りの草木は、激しく揺れ、細めの木なら、折れて飛んで行った。


隼は、上空で急停止したあと、羽をたたみ、急降下して来た。

隼自体の急降下は、時速350km

はするというが、そんなの比べものにならない程速く、時速500kmは、しているだろう。

この速さは、風の能力を使っているのだろう。

しかし今は、そんなの考えていられなかった。目にも止まらない速さに対する、対策を考えるしか頭に無い。


しかしそんなの時間も無い、どうしよう。焦る中、由紀が指示を出してきた。


「ねぇお兄ちゃん。火盾でみんなを守ってね。」


そう言うと、一瞬で由紀は力を込めた。

俺は、言われたとおり、火盾でみんなを守った。


由紀の髪は、次第に揺れ始め、周りの木も揺れ始めた。


「最大威力、絶対冷度」


そう強く叫ぶと、

ビュオッ!と鋭い風の音がして台風なんて比べものにならない程の強風にのせた吹雪が起こって、隼を吹き返した。

あんなに速かった隼は、後ろの木々にぶつけて倒れた。


吹雪が終わると、由紀は、くらっとして、倒れた。

俺は、とっさに火盾をやめ、由紀を火で温めた。


倒れた隼は縮こまり、歩いてこっちに近づいてきて、なんと、あんなに大きかった隼は、手のひらサイズになり、由紀に捕まった。


10分程で由紀は回復したがその間、ずっと由紀の上に乗っていた。

ジャンプして降りたら、大きくなり、腰を低めてきた。


謎の行動に、びっくりしたが響喜は、

気楽に話しかけた。


「よし今日からお前は、俺たちのペットだ。んー名前は・・疾風で決定。」


疾風かとてもかっこいい名前だ。

みんなが納得して疾風と呼びながら羽を触ったり、ポンポン叩いたりして疾風を満喫していた。


すると不意に、足元が浮いた。

多分疾風の能力だろう。俺たちを浮かしたまま、背中に乗せて、羽ばたいた。

疾風は、ものすごいスピードで森を駆け抜け、俺たちをおろしてくれた。

白風森の伝説がペットになったんだ

というかなりの安心感が、俺たちを包んでくれた。

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