第8話白風森の伝説
・小話・
今回は、由紀の能力について紹介します。
由紀の能力は、あくまでも雪で、氷では、ありません。
由紀の能力の名前は、吹雪で氷を出したり、相手を凍らせたりなんてできません。その代わりに、風を操り、暴風を起こしたり、それに乗せた吹雪を出すことができます。
今回の小話は、ここまで。
本編をお楽しみください。
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無慈悲に落とされた氷は、冷たい空気と殺気を出していた。
「おいなんだこの大きな氷は?」
響喜は、驚きながら、周りを見渡したが、この氷を出した人らしいのは、居ない。
すると雫が、口元に、手を当て悩んだ感じで言ってきた。
「響喜君探しても多分無駄だと思うよ。だってこんな氷を近くで出すんなら、能力感知が働いているはず。
でも全く感じなかったし、今も、感じないから。」
能力感知とは、文字通り能力の感知のことだ。能力感知は、人により鋭さが違う。能力が強く、量が多い程感知されやすい。
確かに雫の言ったことは、正解だ。
ここまで大きな氷を出すなんて、かなりの能力だ。それを感じないなんて、あるわけない。
「確かにそうだね。らしいことは、感じなかったし。でもならなんでこんな氷が出てきたの?」
由紀の質問は、確かだ。
「んーなんでだろう?
私の予想だけど、かなり高度な空間移動の能力を使っているんだと思う。
だってそうじゃないと、こんな氷を運ぶのは、いくらなんでも難しいか
ら。」
雫の予想は、多分正解だ。
近くに居ないとなると、運ぶか、空間移動しか無い。でも、こんな氷を運ぶのは、いくらなんでも難しい。多分隣の町からこっちまで運ぶのでも、かなり能力消費が激しいはず。となると、やはり空間移動しか無い。空間移動でもこんな氷を移動させるのは、難しい。空間移動の達人でもあっちに居るのだろう。
でも今の俺には、関係ない。
もうあいつは、許せない。
なぜ殺した?仲間だろう?
そんな怒りが込み上げてきた。
「もう待ってられない、早く鹿児島に行くぞ。」
そう言って行こうとすると、ぱっと手を取られ、引きとめられた。
「ちょっと待って火炎君、落ち着いて。鹿児島にいくっていっても、
白風森を抜けないといけないけど、あんな森正直行きたく無い。」
雫が嫌がるのもわかる。なぜなら
白風森には、とある伝説があるからだ。
その伝説とは、いるとも分からない、ある鳥の伝説で、白風森の名前は、そこから来たらしい。
伝説となっている鳥は、鷹や、隼の様な肉食の鳥らしく、羽を広げれば10メートルあるらしい。
その鳥は、珍しく能力を持っていて、
能力は風らしいが、その能力はとても強く、竜巻なんて息を吹くだけで出るらしいし、ある説では、羽ばたいただけで村1つ風で消えたという伝説が語られている。
この町に住んで居るならみんなが知っているほど有名な伝説だが、誰も見たことが無い。
そんなあやふやな伝説だが、やはり、
怖いし、行きたく無い。
「雫の気持ちは、よく分かるけど、でもやっぱりいかなきゃいけない。なんかあったら、俺が守るから。」
言ったあと恥ずかしくなったが、雫の顔は晴れ、納得してくれた。
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