第7話目的地

・小話・

第2話の小話で、仕掛けがあると言いましたが。分かりましたか?

その仕掛けとは、題名が必ず作中に入っていたことです。


例えば、1,2話は、最後の所のありました。

まだピンときてない人は、探してみてください。


小話は、ここまで、本編をお楽しみください。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

「おい火炎、起きろよ。朝だぞ。」


朝の気持ちのいい睡眠をぶち壊す、響喜の声。

少し起こされたことに、いらっときたが、しょうがなく起きて、時計を見た。


「おい響喜、お前何時に起こしたんだよ!今、4:30だぞ。」


そう起こされた時間は、4:30。

後半は、かなり切れ気味で、

強めに言ってしまったが、睡眠を邪魔され、しかも早起きなんて、怒らない訳が無い。


そんな俺を抑えるように、響喜は、

理由を言った。


「まぁそんな怒るなよ。俺がお前を

なぜこんな早くから起こしたかというと理由は、隣の部屋だ。」


隣の部屋ってまさか女子部屋か!


気付いた頃は、もう遅く、強引に連れてかれた。



ガチャ。響喜は、静かに戸を開けて、

俺の手を引き、部屋の中なのに入った。


まだ寝ている。


寝ていることに安堵を浮かべていると、響喜がとんでもないことを言った。


「寝顔も可愛いな〜」


罪悪感で心がいっぱいになった。

それとどうしに響喜に対する、気持ち悪さが俺を襲った。


「響喜、もう帰った方がいいぞ。」


身の危険を感じ帰ろうとすると、

由紀がこっちに気付いた。

俺の背筋が一瞬で凍りついた。


由紀は俺を眠たそうな目で確認すると、我に帰って、超大音量で叫んだ。


「きゃー」


大音量で雫も起きて、状況が分かると、由紀の後ろに隠れた。


「ちちょっと待てよ、おおお俺は、

被害者だぞ。落ち着け由紀。」


必死に絞り出した言葉は、説得力の、欠片すら背負っていないのが自分でもわかった。

俺は、証拠を見せるべく、響喜を指指したがなんと響喜がいなかった。


とうとう信用を失った俺に対し、

由紀は、鬼の顔で戦闘体制をとっていた。


「お兄ちゃん最低。謝っても許さないからね。剛風」


[剛風(ごうふう)

由紀の技。台風並みの風の吹雪が襲ってくる。かなり強力だ。]


「火盾」

[火盾(ひだて)

火で作られた、盾を作る、防御技]


とっさに、間一髪で防御したものの、防御中でも威力の恐ろしさがわかった。


そして命からがら部屋に戻った。


朝、磨作に礼を言って店を出た。

店を出た時からの、女子達の冷たい

視線が俺を貫いていた。


「おい響喜、全部お前のせいだからな。」


元はと言えば、全部こいつのせいだが、信用のない俺が今更弁解してももう遅く、仕方なく被害を受けている。


「おいそこの君、ちょっと待ちな。」


こんな状況をぶち壊す、大声に思わず全員振り向いた。


大声を挙げてたのは昨日戦った、

カブト虫の男だった。

男は、こっちに近づき、息を切らせながら、言ってきた。


「1回しか言わない。しっかり聞いてくれ。君達の目的のあの人は、鹿児島県にいる。」


男は、何か急いでいるようだった。

それも、死を目の前にした様な、蛇に飲まれる寸前の蛙の様な、そんな焦りだった。


なぜ急いでいるのか、質問しようとすると、答えが出てきた。


男の頭上に大きな大きな氷が出ていた。こんな氷を出せるのは、じいちゃんの能力、今はあいつの能力しかない。

その氷は、男にめがけて落ちてきた。


「何にしてる早く逃げ」


逃げろそう言うとしたが、もう遅かった。男は、もう諦めていた。膝をつきただ氷が落ち死ぬのを待っていた。


「うあああああああ」


心の中から出た、抑えきれなかった

叫びは、声として外へ出た。


また一人救えなかったと・・・

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