とある試験のあるある(?)光景
御剣ひかる
とある試験のあるある(?)光景
難しかったなー。
残り時間五分か。確認をしておこう。
問一、オッケー。
問二。
……ん? あぁ、よし大丈夫。
問三。
こいつは計算ややこしかったな。
えーっと、これをこっちに代入して。
これでxの解が出たからyがこうなって……、うん、あってる。
問四、って、あれ? なんで問三と同じ答え?
……げっ? 問四にも三の答え書いてて、一つずつずれてる? 何やってんだよ俺っ! テンパりすぎだろ!
やばい! まじありえねぇっ!
やべぇやべぇやべぇ!!
じゃあなんで最後まで埋まって終わったって思ってん……、だ……、よっ!?
うそっ!? もう一問最後のページの裏にあった!?
マジかよだれだよこんなのきいてねーよ!
いやいやまてまて、落ち着け俺。
とにかく答えのズレを消して書きなおしてっ。
あと三分ちょっと! 間にあうか?
ここで間違わないように、間違わないように……。
あー、くそっ! 汗で消しゴムすべる!
うわっ! 消しゴムで解答用紙がグシャった!
ふぃぃ、破れなくてよかった。
あー、字、きたないな。ちゃんと読んでもらえるかな。
でも書きなおしてる時間ない。
仕方ない、ズレてるよりマシだ。
……よしっ、書き間違いはなおった。
あと一分? うわー、最後の問題は解けないな。
けど証明記述式なら途中までやっておいて部分点狙うか。
えーっと、この三角形とこの三角形が合同、いや、相似だっ!
相似の条件は二辺の比とその間の角が――。
キーンコーンカーンコーン。
うわあぁぁ。全然書けなかった……。
「はい時間ー。鉛筆置いてー。おいそこ、悪あがきやめろ」
笑いが起きる教室で、俺、笑えねぇ。
落ち込む俺の、ヨレヨレでしわしわの解答用紙が、回収されていった。
赤点だけは免れますように!!!!
(了)
とある試験のあるある(?)光景 御剣ひかる @miturugihikaru
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