1000と0 その4⁰
「僕ら…何か出来ないですかね?」
「俺も思う、何か無いかな…」
後者の一人は赤い髪の、
最初の一人は深い青の髪の
二人の青年が話す。
「っても俺らに何が出来るんだ…?」
白い髪の俺は、
そう言ってブレスレットを付け直した。
「僕に…僕に出来ること…」
赤いシャツのかばんを背負った少女は、着いてきたサーバルのフレンズの隣で考える。
俺、
鳶矢と赤髪の蓮夫、青髪の青光とかばんちゃんというメンバーが集まった。
塔を世に呼び出してしまった責任は俺らにも勿論ある、巻き込まれたとはいえ、だ。
「すみません、遅れました!」
「大丈夫ですよ、お久しぶりです。」
そしてそこにシキ君だ。
「ちょっと色々あって…すみません。
えっと、集まって頂いて、ありがとうございます」
「いえいえ…それで話って?」
そう、今日は彼に集められたのだ。
「それじゃあいきなりですが…これを。」
彼はチラシのような物を俺らに見せた。
その紙には、
[小児連続誘拐事件]とあった。
一部破けている。穴が空くように。
彼はその何人か居る中で一人を指差した。
[希有 友絵]
可愛らしく、一瞬女の子かと思った。
男の子、約10歳。
「この子は既に見つかっている。保護済みで、犯人を捕まえるために載せてある。多分もう20代…貴方達とほぼ同年代なハズです。見覚えとかありませんか?」
「…うーん、無いかな。」
「無いです。」
「僕も。」
みんながそう言う中、かばんちゃんだけ。
「見たこと…あったような。」
と言った。
「かばんさんは見てるかも知れませんね、確か彼は今、パークの図書館に勤めて居たはずだ」
「そうか…トモエさん…。」
彼女が納得したような顔した、
その
瞬間。
「たっ!?助けてぇ~っ!」
クソっ…とシキ君が呟いて、
腕に手を置いた。
白衣が翻る。
___________________
「ひ、ひぃぃぃいいいっっっ!??!」
「友絵さんっ!?」
さっきまで話していたその人がそこにいる、好都合であるとも取れるが今の状況では悪いこと尽くしだ…!!
「装着ッ!」
叫んで飛び出した、
ひらりひらりと揺れ動く白衣が風を受けびゃごぉなんて言える音を立てる。
「ふんっ!」
SlaMpNum、コイツで斬りかかった。
「友絵さん!逃げて下さい!」
「え、あ、ありがとう!ボクは…」
「逃げてッ!」
すこし戸惑いつつも逃げて行ってくれた、
無駄な被害を出さないように動いて貰えるならそれでいい。それでいいけど!
「コイツら…なんだ?サーバルとカラカル?」
そう思える見た目だが、
何故迷ったか?といえば
あまりにも
野性的な外見だからである。
「なんだ!?この…っ!?強い、ひたすらに、強い!!!」
『フシャアアアアアッッ!』
ぐうっ!?
二体居るだけで面倒くさいのに…!
強いッ!
殴って切ってをすべてイナされる!
『これは…ビースト…?』
「なんだそのビーストって!?」
『サンドスターに異常が起こり発生するフレンズとは似て非なるもの…という情報があります。外見はヒト、すなわちフレンズですが中身は完全ケモノ…!!』
なんだそりゃあ…!?
「どうすればいいんだ!」
『残念ですが…殺すしか。』
…そうか。
俺は呟いた。
『フッシャアア!』
「クッソ!この、この野郎ッ!!」
超人的なジャンプ力で一気に詰め寄ってきた、敵う力じゃない力で一気に押される…!
完全に殺しに来ている、ならばこちらも!
『!?後ろ!後ろです!』
「なにぃっ!?」
オレンジ色のカラカルの方だ、
剣を遠くへ飛ばされ無力になった俺の背中に鋭く爪が傷を付けてくる、衝撃も凄まじい。
まさに
全て、すべてけものだ…!
「ごばぁっ!?」
「おにーさん!大丈夫!?」
声の主は友絵さんだった。
離れた岩陰に居るとはいえ近すぎる、コイツらの身体能力であれば数秒でそっちに行けるほどに!
「なぜ…逃げて無いんです!?」
「なぜって…その子たちは僕の友達だから!!心配で!」
「貴方は逃げるんだ…はやく…!!」
その後ろに、さっき集まってもらっていた4人も見える…!
『フシャアアアアアッッ!』
サーバルの方が飛びかかってきた、俺の方に視線が向いていて良かった…!
『武器がありません、この状態から変化したり呼び寄せたりして下さい!』
「あぁ…したいんだけど…!」
思った以上に攻撃が深かった、回路が一部イッてしまったのだ、武器がコッチに来ない…!
「こうなったらこれしかない!
これだ、無垢の剣!」
『ってそれは未調整でしょう!?』
「仕方ないだろ!」
周りに補填できそうなラッキービーストはいないし…
腰に掛けてあったこの刀に賭ける!
「鞘から刀を引き抜けない……。ダメか。」
刀身で切り裂くことは出来なさそうだが、護身くらいにはなるだろう、きっと!
『ギニャアアァァッ!』
二匹まとめては聞いて無いんだが!?
「ぐぅぅ!?」
鞘の中に眠る剣がただの鉄ではない事を信じながら、
相手の攻撃をぐっと受け止めて躱した。
しかしまぁ、
重くただ扱いが面倒なだけだ……。
しかしこれにすがるしかない今は、きっといつかオールで戦いを挑んだ俺の百倍はマシ!
「ふんどりゃぁぁあああ!」
押し返して叩きつける!
ガツンとにっぶい音がしたが気にしない!
『『グャアアアアア!?』』
その時。
「うぉあ!?」
気にしたのはもちろんこの剣がガツンと音を出したことではなくて、剣が急に光を帯びて、
そして急に消えたからだ。
『フグルゥ……。』
「あっ畜生待ちやがれ!」
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