NIGHT HUNTING IS GOOD.


「どんどん行くよ~!」


文字通りどんどん進むぞ、とどまるな、一秒一分一時間何としても少しでもはやく速く早く、終わらせる。

それが仮に夜でも、昼だって。


「これから出てくるセルリアンはきっと強い。ハンターの三人だ、キンシコウ、リカオンそしてヒグマ。細心の注意を払っていきましょう。どうにもこうにもならない相手ではありませんから!」


『呼んだか?わたしらの事。』

『うわぁ、強そうですね…!』

『オーダーきつくないですか?』


言ってたらお出ましだ、

「とっとと片付けるぞ!」

「わかった!」

「今度は一人一体で割り振りましょう、今はステータス的に…うん、グレープさんは一旦休んで下さい、俺はヒグマリアン行きます!」

『ちょいまち!飯はまだか?』

「…っ。はいはいっと。」


「じゃあ僕はリカオンを!」

「私はキンシコウね、おっけい!」


____________________________


まずは俺改めオレからだ!


『それじゃあ、ぶっ潰させてもらうぞ!』

『かかって来いよパチモンベアー!』


っても相手は生物界でも天敵の少ない、

いや殆どいないといっても過言ではないヒグマだ。

『おい、コイツどーやってぶちのめそうかねポンコツ』

『アナタまでポンコツとか言わないで貰えます⁉…はぁ、えっと、ヒグマはこれといった天敵がいませんが、同族内の争いが多いようです。セルリアンのアナタならまぁ…コピーかなんかしてぶちのめし返せばいいと思いますよ。』


なんだこいつ、どっかで聞いた話し方だな。目が細そうだ。

…とりあえずコピー、そして再生だ。

オレの外殻が変わるときが戦いの幕が開ける時だ。


となればまずはあの妙な矢を食うか。


『ポンコツ、あいつが使ってやがったあの爪の付いた矢、あるだろ?あれ出してくれるか?』

『ポンコt……まぁいいです、えぇと、“クロウヘッド”ですね?あれ…あれをどう使うのか知りませんけど。』

『えっとなぁ、喰う。』

『喰う!?』

『喰う。』


出された矢を豪快にバリバリっと嚙み砕いて…

しまうと形状を把握できないから、

ミニサイズに縮めてひょいぱく~だ。

乗っ取った体はそっくりそのままオレのもんだ、矢を吞み込んでしまっても大丈夫ってわけ。



『ふんふん、なるほどねぇ。』


ググッッと体、

そしてアーマーが隆起してどんどんあの矢を再現していく。

腕が猛禽のかぎづめのようになっていく。


『なんだ…?何をしてくるんだ?』

『奪うのさ…お前の能力って奴をなァ!!』


腕から触手の先に付いた爪を勢い良く伸ばして、

相手の体をクラッチだ!


『うぉぉぉォォ!!?』

『もらってくぞぉ~』


んで食う!

『あぁ…美味いな、お前のセルリウム。』


そいじゃあ行きますか。

『変身ッ!』


毎度毎度身体がメキメキ形を変えていくのは見てて恐ろしいけれど、これでいっちょ勝てるだろ、目には目を歯には歯を理論を剛速球でぶっこんでやる!


『変なマネすんな!雑魚セルリアンのくせにィ!』


『そいつぁどうかなぁ?』


急激に肥大化した両腕はまさにクマの破壊力、スタンプなんて生温いもんじゃない、一発でそこらの人間は死ぬ!

『右でザックリいってやるぞぉぉッ!』


『フゥーッ!フゥーッ!!!!!』


ガキン!と寸でのところでガードされた、だがもう一本腕はあるんだ、右ときたら?


『左だァ!!』

『ぶぎゃぁぁぁ!?!?!???!?!?!』


顔面にガッツリヒットだ!

ゴンゴロところがっていくヒグマはあっけないばかりだ!


『ま…まってくれよぉ!?わたしは?絶対脅威のヒグマだ!こんなあっさり、あっさり負けるなんてぇぇ!?』


『へぇ、クマって自分にかなわないってわかると急に弱気になるってのはほんとなんだなぁ??まー待てって言われようが止めないけどな!』


『やるなら一発で頼む!威厳もクソもなくなってしまう!』


あぁ?

ちょいとムカつくなコイツ…

ボコボコにするか。


『右で頼む!その汚れてない右手で!』

『どーしよっかな~』

『左でもいいから!一気に!!』




『やーだね!』




『…もしかして?』


exactly…


『ウゥォラァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』

『ぶべべべべばべべべぶばびゃべぶびぼげぼめにべじゃぶべごふへれう゛べばべぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!』



ざっと秒間五十回を10秒だ。




____________________________




『アナタに勝つのがオーダーなので!頑張りますよっ!』


「負けませんよぉ?

よし、TYPEtry、最高の一打をよろしく」

『検索中…検索中…該当なし。

いま手元にあるサンドスターでは対応できません』


「うっそお!?」

『本当です、弱点をつけるライオンは調整中ですし、ハイエナは持っていません!』


参った、手持ちに有効なサンドスターがないなんて…



『ほぉら!ワンツぅ!!どうしたんです?このまま降参ですか?』


「ぐぅ…!えっと、ジェンツーロッドッ!」


呼び寄せて氷を生成しながら僕の腕に突っ込んでくる!

『おわぁ!?』


よし、なんとか距離をおけた、飛びのいていったリカオンはもう次を用意している。


『ワタシはキンシコウさんのお陰で棒術には慣れてますからね、舐めてもらっちゃ困りますよっと!』


「ンぐぐぐぐ…ホントに強い、どうくるのかまるで分かっているようだし、氷で伸ばしても対応される!くそぉっ!」


上でもダメ、下なら飛び越えられる、横は防がれ、伸ばせば砕いてくる、そして反撃のワン、ツー、

『フィニッシュブローッ!』


「ぐえぇっっ!」

『マスター!しっかり!』


だめだ、このままじゃ勝てない。


『ワンツーさんよん!コンボで一気に決めてやりますよ!』


コンボに押されて何も…

できないなら、

押し切ればいいんだ!


「よし、オーストラリアデビルアーマーでいこう!』


『危険性は理解していますか?』

「…元々のデビル達の数を減らしている奇病、デビル顔面腫瘍性疾患、通称デビル癌の能力を受け継いでしまったせいで出る馬力が高いぶん時間制限がある…ですね。」

『その通り、時間がたつにつれ火力はどんどんどんどん上がっていきますが、防御力は下がりダメージも受けやすくさらに解除後には強烈なバックファイア…つまりマスターへの反動がかかります。』


一気に短期で決めなきゃ行けない

それでもやるんだ!


「装着ッ!」

『了解、ご武運を。』


「うっ…ぐ…あぁ…!!!!!!」

装着した瞬間から少し麻痺というか痛みというかを感じる。

『そんな状態で戦え…うぉぉっと!?』


「戦えるかどうかじゃない、僕があんたをぶっ飛ばす!」


一手一手一手一手すべてぶち込む!

無駄なく、この馬鹿力を喰らえッ!


『くぅっん!?な、いきなり変わった!変わってしまった!?なんで!?オーダー貰ってません!』


「言ってませんからね!ワン!ツー!スリーフォーファイブシックスセブンエイトナインテン!全部足すと幾つだったんでしょうね!?」


『どーせ殴られたのは10発ですよぉぉぉ!?…ってぶべべべべばべべべ!?』パカーン!


残念、ウイルスの追加攻撃があるんですよ。

「ざっと45発ですね!」



____________________






『ふふふ、よろしくお願いしますね。』


「変に改まられると辛いんだけどね…まぁいいや、よろしく。」


棒のタツジンキンシコウのセルリアンでキンシリアン、錦糸卵みたいに呼んでごめんね!


「はぁぁっ!」


まずは見る、

どんな相手か実は詳しく知らないんだよね。


『ほっ!いなせますよ全部!』


切りつけようとしても剣をすっと掬うように棒で抑え、体制を整えようと身をよじるとそこに合わせ足をのばして蹴りを、反撃もまとめて棒に吸われてしまう…。


「タイプツー!OTSUGEを起動してっ!」

『おぉ呼びですねぇっ!?』


呼んだけどうるさー…。


「OTSUGE、この相手に有効そうな選択肢を出して!ふんっ、せいっ…っと痛い!!」


『ンムムムムムム~…

マーリドラゾーオ~

ヤジンセツメクリイタ~…

ゾイイ…ゾイイ…イバヤ…

プペパップルーットンギンペ…………

見えましたっ!!


ドールさんのアーマーをデータベースから呼び出しましょぉう!武器は無くても大丈夫です!それが』

『「大吉ッ!」』


『…!ど、ドールさんは個人的に苦手なんですよね…、でも、負けません!』


キンシコウの天敵はドール!

そしてドールアーマーは…

「ハウルーホイッスル!」


自分の纏ったアーマーのパーツがパラパラと小さくこぼれ落ちように分かれていき、そして1個1個がとても小さいながらオオカミの姿になっていく!ピーッと吹くよっとホイッスル!


「いっけぇ!」


『くぅっ、きゃぁっ!こんな量、防ぎ止められませんっ…ぅん!やぁっっ!』


「横も、上も、既に包囲済みだよっ!」


行くぞオオカミっ!

鳴いて指示するクラスタードール!


『ホイッスリング・インパクトデース!』


「群れの力は!」

『貴方たちの方が上だったみたいです~!』

パッカーァン!





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「さて、えさやりも終わらせたし…ってか、ほんとアイツ容赦ないな…原型がない…」


「とにかく次…とはいっても、辿ってる人の記憶がかばんさんのモノなら、もう残した敵は居ないんじゃないかな?」


キツネたちが言っていたあの、

「誰かの記憶」

本人は心当たりが無さそうだから、かばんさんがなにかの記憶や能力を奪われた訳でもなさそう。

一体全体だれの物なんだ…


「とりあえず進もう、この風は多分外に繋がってる風だから、もうすぐでてっぺんに着くはず。」


レイバルさんが言うには、月の光が見える良い天気の夜の風、らしい。


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