_________逃げていくゴール
「どういうつもりだ!俺を散々こき使って!」
許せない。
許してたまるものか。
俺がやってきたことは無駄だったと、そう面と向かって言われている気がした。
『テメェ…オレと同族だったのか。どーりでくせぇ訳だ。』
シキリアンでさえ、見抜けなかった。
それだけセルリアンらしさよりも輝く外殻の力が強かったのだろう。
でも、そのかがやきは偽物だったのだろうか。
フレンズなら、わかるのだろうか。
いや、概念体となっている今の状態とはいえ四神の力があっても抑えられない莫大なエネルギーを持った化け物は…単純な相手ではない、間違いない。
『タノシカッタデスヨ、アナタトノジカン。』
「楽しかった…だと?」
何なんだコイツ、何なんだ何なんだよ!
「舐め腐った事言いやがって!お前の…お前たちのせいでどれだけの人が苦しんだと思ってる⁉どれだけの人が悲しんだと思ってるんだ!お前は…お前は!」
『オヤオヤ、ワタシヲヨンダノハアナタデスヨ?』
「残念ながらそんな記憶はないッ……!」
『ソウデショウネ…パークノタメ、四神ノタメ、フィルターヲハッタアノ[光壁ノ儀]…。アナタモマサカ、ソレヲリヨウサレルナンテ、オモイマセンモンネ。』
光壁ノ儀。
あの四神の力を集めてフィルターを強化する儀式。
「その時に呼び覚ましたのはあくまで四神だ!俺はお前のような人をあざ笑い見下し裏切り破滅を願うような神の紛い物にさえなれなかったような奴を呼んだ覚えはない!」
『デモ、アナタガワタシヲカクセイサセタノダ!ジジツハユルガナイ。ケンキューノトクイナアナタナラワカルデショウ?ジジツハユルガナイ。アナタガワタシヲカクセイサセタノダトイウコト、ソシテ、アナタガワタシヨリオトッテイルセイメイタイデアルコトモ!』
「事実の確認と証明は当事者にしかできない。」
だから。
「俺たちの帰りを!」
『オレたちの勝利を!』
「『待つ人々へ届けてみせる!』」
『デ?』
一言のその瞬間爆発が俺の目の前を覆った。
『イチドモコノロウゴクカラダッシュツモデキナカッタトイウノニマッテイルヒトダナンテワラワセマスネ!ソモソモ、イマサラテイゾクナアナタノヨウナカトウセイブツガ!タッタヒトリ!ヤクタタズノクロイカタマリト、ノウミソダケノヘンナキカイヲツレテ!ナニガデキルノデス!』
「俺には…。十分だ。」
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