気分、風。
「ふー。なんとか倒せたね!」
「なんとか、の使い方違いますよ。僕らはよゆーで勝ったんです。」
「えーっ?一人で突っ込んで行ってピンチになってたのは何処の誰でしたっけ~?」
うぐっ、痛いとこ突いてくるなこの人、いや猫。
「と、とにかく一旦外に戻りましょう。」
「はいはーい、シキ達に連絡してバトンタッチしようっと!」
彼女は通達した。
「私は次おやすみ!」と。
____________________
俺達は連絡を受けた。
塔に向かう。
「グレープさんと二人で共闘は久しぶりですね?」
「そうだね。ま、せいぜい付き合ってくれよ。」
「装着っ!」「磁結っ!」
というわけで久しぶりの共闘である。
彼の“付き合ってくれよ”は
“無茶ぶりに付き合えよ”
の確率が高い。マジで。
まぁもっとも……
『『我々ガ相手ナノデス。』』
相手も間違いなく無茶ぶりしてくるんですけども。
「行くぞっ!」
「あぁ!」
『我々モ。』
『エェ、我々ハ賢イノデ』
何も気にしていなかったが、梟共は己で言語能力を手に入れているらしい。
今更どうでもいいな、サッサと片付けよう。
「空中を飛び回る相手だ、どうする?」
「俺は二体を同時に空中で相手します、地上戦は任せましたよ!」
「僕は地上戦担当かい?……フフフ、いいこと思いついたぜ、任せといて!」
あーもう絶対よからぬこと考えてるよ、今回はどこまでの無茶ぶりを受ければいいんだろうな?どこまでぶっ飛んで…そしてナントカナックルをぶちかます事になるんだろうか、気が重いが今回は磁力がかかわってくる、覚悟!覚悟!
所で俺は何で行こうか、
『空中戦なら…ハクトウワシなんてどうです?』
「オオタカでもいいんじゃないか?」
『パワーに振るならやはり……』
「んーフクロウ対フクロウするか?」
『キエェェェェェェイ!遅イノデス!我々ノ超超超超超超超超超超超超超超超超天才的ナコノ頭脳ヲ見セツケ、圧倒的勝利宣言ヲシテヤロウトイウ時ニ!』
『同感デス。頭脳明晰容姿端麗ナ我々ノSMARTデSHARPデCOMPACTカツBIGデWILDナ計画ガ台無シデス。サッサトヤルナラカカッテコイナノデス』
『「うるせぇ!どっちも使って
『star screw!mixing!
オオタカ!ハクトウワシ!』
「編着。」
「ひゅーっかっこいい!さ、coolに行こうか。」
「了解、Let's Justice!!」
飛ぶぞ飛ぶぞ飛び回るぞ俺が相手だコノヤロ~ッ!
『フン、脳筋コジラセテヤガルノデス。』
『我々ノ勝利ハ堅イデスネ、博士。』
「オラオラオラオラオラァ"ッ!」
避けられる。が、今回はソレを狙っている。
俺の飛ばした羽根型弾には
「いやっほぉぉぉう!隙アリィィ!」ドゴォッ
『ンナ!?死角カラトハ…!』
『ヤリマスネェ…』
といった感じでとb「ヒャホォォウ!」
…引力と斥力で飛び回れるし、死角をねr
「イィヤッフーゥッ!」…狙った攻撃m「ワッフ~ゥッ!」
「うるせぇ!誰だグレープさんに某赤と緑の配管工の姉妹のゲームの姉の方インプットした奴!」
「僕は機械じゃない!…あと、それ『ハイパーマリーシスターズ』でしょ?あれ面白いよね。NANTENDOだっけ?」
軟転堂の人気アクションゲーム、
ハイパーマリーシスターズ。
今はどうでもいい。
えと、
なんの話だったか忘れた。
確か死角がどうのこうのみたいな…
「だぁ~ッもういいや!攻めろッ!!」
「了解!いやしかし楽しいね、気分は風だよ。」
『我々ノ身ニモナルノデス…!』
『マァ尤モ、我々ノ勝利ハ確定事項デスガ』
「どういう事だい?」
『コウイウ事デス。』
そう言いながら、なんとお互い協力して体を再構築している。傷を互いで共有して…簡単に言うと一時的に合体して爆発的スピードで回復するのだ。RPGでよくある片方倒すと片方が回復してきてジリジリ長い戦いになるアレ。
だがとなりのハイテンションヴォルトは、なんだかにまぁっと悪い顔をしている。どうしたんだろうと思ったが、彼の手元を見て察した。
それが何かはすぐにわかる。
「はぁぁぁっ!!」
『ナンノッ!』
俺は変わらずコンビ相手にソロ戦を仕掛ける。
回復する前に削り切れるならそれでいいのだ、ダメならダメでいい。困ることは特にないし、ムラサキの嵐電が風を吹かせるのを待てば勝ちは決まったも同然。
にしても、何を用意しているんだ……?
あの強さの磁力を持った核を利用するために合体した相手に磁石を仕込んで一つにまとめるまでは理解できるさ、俺もバカなりに考えている。
あ、結論言うと彼の手元にあったのは、
高磁力フリーパマグネ核。
圧縮コアと呼ぶ方が多分5千兆倍わかりやすい。
なんのこっちゃらさっぱりだろうからささっと説明すると、磁石式結脱可能武器兼結脱可能防具フリーパマグロウ(長すぎて俺もうんざりしてる。暗記して言えって言われてもパッと答える自信ないわ。)の磁石は一つ一つのパーツのサイズがとても小さい。それ故に圧縮というのが出来てしまう。本来反発するはずの磁力を一つにまとめることでコアを作るのだ。ガロウ、つまりアーマー側の圧縮コアは+、武器側のフリーグは−となる。
さて、そんな代物を持っているのは彼の考えによるものだろう。グレープさんはなんだかんだ切れ味のいい思考回路を搭載している。機械じゃあるまいて回路などこんな言い方は失礼か。
『ムムム。体力ガ危険デスネ。』
『了解デス、スグニ。』
キタッ!
「その顔、完全に理解しているんだな?さすがだぞシキ!」
そう言いながらこれまた反発するパワーですっ飛んできた+の極のコアが見事に。
『『ンナァー!?』』
現在合体中の二体の体の中心に入り込んでしまっているようで、核の力で身動きが取れず合体してしまった、と。
「へっへっへ…いよし、仕上げといこう。んじゃ僕のLB君、さっき組んだプログラムをシキに転送して?」
は?
「それは、どういう…?」
『プログラム、受信。強制レベル5。最優先課題 重着』
「え?重ちゃ…おわぁぁぁ!?」
まってまってまって!!体浮いてるし!
アーマー変わっていくし…
ってかなんかセーブモードの球体アーマーじゃんこれ!
「はぁいシキ~ここに入ってねぇ!」
「まってまってまって!!ほんとに!」
Q,これはなんですか?
A,大砲です。
Q,俺はどうなりますか?
A,リニアモーターカーの要領ですっ飛んだ後、アーマーのマイナスコアにより超高速で対象に突っ込み対象を破壊します。
死にはしません。
「んじゃいくよー!」
「うがああああああ!」
「3!」
『イタイノデス!』
『クルシイノデス!』
「2!」
『ヒェェェェッ!』
「1!」
あぁ、今回も、やばい。
ダメだったよ。
「あぁ、なんかごめんよセルリアン…」
「発射ッ!てぇぇぇいっ!」
一瞬の景色
一瞬の涙目
一瞬の衝撃
あぁ、
気分、風。
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