混ぜろ個性、爆ぜろ感性。
「ごめん!いま戻ってきた!返事してくれ!」
「ネジュンちゃーん…だっけ。とにかく返事して!」
「僕みてこよっか…おーい!ネジュン!!!返事してくれっ!」
塔に戻ってきた。
相変わらずの暗さ相変わらずの高さ
相変わらず希望という言葉の似合わない塔
「そんな大きな声で呼んでくれなくても僕はここに居ます。ほら、ここに」
「あぁ、そこにいたんだね?」
「おt…お兄さんのお友達ですか…猫さんと、おっと、同族かな?」
自己紹介はしなくていい。
紹介しておいた。大丈夫、安心してくれ。
「おと…?おっとっていう反応まで今の子は略すの~⁉」
「レイバルさん、多分違うと思いますけど。」
「そ・れ・よ・り・さ!上めざそ!ほいほい、いこいこ。」
「アブっ…そうですね、参りましょう。」
…口に虫かなにか入ったのかな。
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塔、穴を開けた階が3階だったハズだ。
どうやら連絡によればアルパカさんとトキさんはしっかりとカフェに戻れたそう、まったくこの男は心配しているのかいないのかって感じ。自分で思うよね。
次は4階。
あぁ、今まで涼しかったのにちょっとずつ熱くなってきたよう。
地面が少しずつさらさらさらさらと砂に変わっていく。
サクン、サクンと踏みしめる。
炎天下に居ないからマシだが、いくらなんでも暑すぎる。
砂漠だ。鬼の大地。
ああ、そういえば。
ここのフレンズには顔を見せたことなかったな。
出身であろうフレンズは、フェネックさんくらいだったか。
今度こそ苦戦しそうだ、全員でフルパワーでは効率が悪すぎる。
当番のように戦うことになった。初陣は俺。
「じゃ皆さんは、この塔について何でもいいので情報を…辞典や古典を中心にピックアップしていろいろ持ってきたので。よろしくお願いします。」
______________________
「調べておけ、って言ってもな~…どうする?たぶん手あたり次第当たっても面白くないしさ?そんなに詳しいわけじゃないしさ私~」
目の前のなーーーーーーんか見覚えのあるネコとペンギン。
ネコちゃんのほうは、うだうだと分厚い本を眺めて言う。
ペンギン君のほうは、さっきから喋らずになんか読み漁ってる。
んで、超絶ビューティな僕
棒使いネジュンちゃんはというと。
うん、状況整理でそれどころではないです。
いや、そのさ。
このタイミングなら、
未来でどうなってるか。
それ、一番大事だよね。
でも、言い出せるような状況じゃないしさ。
てか、言ったら大混乱間違いないしさ。
えっ、どうしようかな。
言う、言わない?
はぁ、面倒臭い…。
ほんとなんでこんなとこ来たんでしょうか(自分のせい)
さぁ、お父さんであろう人の戦況はどうだろう。
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「そりゃ!てぇぃいあっ!!!!」
焼けるような砂を踏みかき上げる。
熱砂に踊る天使と、幻の大蛇が立ちふさがる。
「はぁ…こんなのが天使かよ!固い爪と砂での攪乱、これじゃぁ悪魔がおにあいだぜ…つちのことやらは奥からビーム打つだけだし…参ったな」
『遠距離に持っていけばいいんじゃないですか?』
遠距離か…
『セット!アフリカオオコノハズク…って長いな。』
「ほいほい、文句言うなポンコツ手袋。ささっと弓、出しちゃって?」
カモーン!
コノハズクストーム!
「…人選ミスったな。」
『はぁ、見栄えだけ考えてるんですね。全く、このクソ眼鏡はいっつもこれなんですね…アホ』
「誰がアホだボケ!」
『テメェだハゲ!』
「ハゲてねーよ!…固定砲台と化してるツチノコリアンのビームを避けながら、スナネコリアンに一本ぶち込む!…それでいいか!?な!?」
『まぁ……どうなっても知らないですがね。』
俺はいくぞッ!
いくぞいくぞぉぉぉ!!!!!
まずは弓をぐぐぐぅっっと引き絞る。
灰色の翼がおまえを…うがっ…つ。
ああだめ!重い!重すぎる!
もっと、こうなんか、軽いもんなんじゃないのか!?
矢をぐぐぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっっと引き絞るのがくっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっそ重くて大変なのは知ってる…
だけど!
弓自体が重すぎる!!!!!!!!
聞いてない!聞いてないよ!
[カカァンッ!]
ツチノコリアンの瞳が水色に光る。
ビームが俺にめがけてすっ飛んでくる。
金属が弾けたような音が俺の三寸先で起こった。
同時に、つがえた矢がぼっきりと折れてしまった。
スナネコリアンの爪だ、爪だ。
光る羽は無残に散り、飛び回る事前提の軽い装甲がボロボロになる。
弓が重いのは当然。
フクロウはわざわざ獲物に自らの姿を見せない。
闇夜に隠れ、
風を乗りこなし、
鉤爪で一発射貫くように殺すのだ。
遠方から殺す天才が。
わざわざ動く必要がない。
博士は弓
助手は銃
弓と
銃
まて。この時こそ、
こいつの出番じゃないか!?
「姉さんはやっぱりすげえよ。だって、ほんとに何があるかわからないもんな」
『スタースクリュー。起動』
「混ぜろ個性!爆ぜろ感性!インスピレーションがこの装置の強みだ、ここからは好き放題させてもらうぞ。覚悟しとけよセルリアン!」
『mixing!ワシミミズク!
アフリカオオコノハズク!』
さぁ解ってるなポンコツよ。
叫ぶぞ!
「『
編み出せ!身に纏え!
「武器は ボウガン ってやつさ!俺がぶち抜いてやる!」
『ぱぱっとやってください?ほら』
「…我々は賢いので。」
さっきよりも小型の遠距離武器だ。
拘束しかできないのが逆にこちらにゃ好都合。動きを止めて、足の鉤爪で一発ぶち込んでしまおうじゃないか。
闇夜のハンター、いざ。
まずは固定砲台のツチノコリアン、貴様のその青い瞳を潰してやる。
ぱしゅむ!ぱしゅむ!弦が震え、てめえらの無い神経に刺さる、海水入りのボトルが火じゃなく水を噴くぜ!
『syaaaaaaaa!!!!!!』
「お^~効いてる効いてる。しゃーし飛ぶぞ!」
空中に猫が来れるはずが無いだろう?
飛ぶ鳥を落とすなんて知ったことじゃない。
音立てず、【姿を消せばいいのだ】
『mixing!パンサーカメレオン!』
『FUSYAA!?』
急に姿を消したせいかな?オロオロしだした、かわいらしいところもあるんだな。
天使ってとこ?
「さぁさぁ、空中から君達のコアを射貫いてやるさ!」
『忍法!コノハガクレドロップ!』
「インスピレーションの妖怪!いるなら俺に味方しろォォォっ!!!!」
『『GUGAAAAAAAAAAAAAA!!!』』
砕した体は黒く黒く爆ぜた。
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