後々青々相合。
「そこの子…」
僕は…っ?
気付くと白い。ただただ白く白くずぅぅっと白くぼんやりと続く部屋にいた。
「ヒトの子…」
足が…っ?
気付くと水が少し流れている。さらさらと足に当たる感覚が心地よい。
「よくあの子と新陸を深めたわね…」
…っ!
気付くと滝の音が耳に刺さる。しぶきが次第に体全体に纏わり付く。
「よくやったわ、貴方のその勇気と愛を認め、私の髭を贈るわ。この髭が光輝いたときに、火山に来なさい。いいわね?」
セイリュウ様…っ!
気付くと滝が体に取り込まれ、発した音は泡に囲まれ、伸ばした手が水流へと伸びた。
僕は…
僕はっ…!?
「ハァッ…はぁ…はぁ、はぁ、ゆ…め?」
深夜2時。
勢いよく跳び起きた。
枕元に、キラキラの蒼い髭が。
つまり…あれは夢じゃあ無い?
…どういう事なんだろうか。
神に惑わされた。ということか。
でも、わざわざ神が僕に火山に来いよって…
「んぅ…アコウ?どこ…?」
跳び起きたせいで、今までくっついていた彼女を振り払ってしまったらしい。
目を瞑り、手を動かしながら足らぬ舌で僕を呼ぶ。なんて可愛いんだクソぉッ!
「ごめん、ここだよ。安心して?」
「ふぇ…、うん…ありがと…」
大好きだ、大好きだ、大大大好きだ!
この甘えた寝顔を独り占め出来るなんて!
いつも結んでいる髪を下ろした姿を!
好きだと甘えてくる姿を!
普段のちょっと世話焼きな所も…
めっちゃ優しい表情も…
プリプリ怒ってるところも…
全部僕のものだ。
「そうでしょ?姫ちゃん?」
「…?ふぁぁあ……あっ…んぅぅ…」
はぁぁぁぁん可愛すぎでしょぉぉぉぉぉ!?
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_________
「これが…PPPフォーム…!」
『どうです?伝説の戦士の力は?』
伝説の戦士の力では無いだろう。
むしろ新世代。
「徹夜続きでヘロヘロよ…どうにか頑張ってやったけど、もう私寝るよ?」
「サンキュー姉さん…おやすみ」
姉さんのお陰で俺は今まで苦労せずに生きてこれたんだ。ありがとよ、おやすみ。
さぁて。
彼女の働きのお陰で、LBシステムは次なる進化を遂げた。
サンドスター分離機の反対の理論、「化合」をテーマに作られたこの兵器の名は
スクリュースター
LBsystem version0-SSへと進化を遂げた。
スクリューと言えば、以前そんな人に出会った気がするのだが…確かあれは…
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そう、あれは確かフルルさんがソロでコンサートをした時の事だ。
ワンマンの歌唱ライブで、ジェーンさんやグレープさんが手伝っていた。
ライブ自体は大成功、だったんだが、帰り道にお客さんが溜まっている道に現れたセルリアン。
警備にあたっていた俺達は今すぐにでも!
そう思ったのだが、逃げ惑う人影の中に一人セルリアンに向かう男性が…
「逃げて下さいッ!」
「フルルちゃんを傷付けようとするなんて…
俺がお前を許さないッ!たとえコッチのフルルちゃんじゃあ無くても、俺は護ってやる!」
『スクリュードライバー!
ウサギ!戦車! NICE SCREW!』
「…変身ッ!」
最初はフルルさんが大好きなファンの人が逆上して、オモチャの兵器を巻いたままオモチャの剣で対向しようとして居るのだと思ったの…だが…。
『スプリング・キャタピラー!Yeah!』
「さぁ掛かってこい!セルリアン!」
その男性、
名前を
どこか聴いた事のある…と思っていたが、どうやら彼、『裏は桃と葡萄のサイエンス』『DOCTOR FRIEND』の主人公その人である。俺も時間軸のズレにより、以前あった事がある。使っている物が違うのは…世界線のズレだろう。彼は二つの成分を混ぜ込んでプレートを創り出し、体へと纏わせ、戦う。
『スクリュースラッシャー!』
会場の近くにあった人型ロボットを真似て生まれたセルリアンに格闘戦を挑んでいる。
手には潜水艦のプロペラのようなデザインの剣が握られている。
「ほい!そりゃ、うぉらっ!
…へぇ、世界線が違ってても一応変身能力は残ってるのね、ほぼ一緒だし…ハァッ!」
セルリアンの数も、次第に異世界人に興味を示したのか増えてきている。
「大丈夫ですか!」
「…?君は…シキ!?
いや、今はとりあえず、フレンズ達を逃がした方が良いんじゃ無いの?ここは俺に任しといてよ」
「貴方、やっぱり熱い心を感じます。
だけど、任せっきりってのは俺の意志に反するんでね…タイプツー?行くよ。」
『了解。サンドスター充填。』
「装着ッ!」
「君もシステムを使うんだね?」
「俺は俺です。
貴方と同じでも、上も下も無い
…行きましょう。」
「了解ッ!フォームチェンジだ!」
『ペンギン!スピーカー! NICE SCREW!』
「…チェンジ。」
『ペンギンズ!パフォーマーンスプロジェクト!PPP!GOGO!FOO!』
『セット!イワトビペンギン!
カモーン!ロッキー・ジャンパー!』
※ロッキー・ジャンパー
ジャンプ力に加えキック力の強化がなされるジャッキパーツ。蹴り技。圧の力。
セルリアンは幸いにも大型は一匹のみで、小型が中心だった。
「一網打尽だ!うぉらぁぁぁ!」パッカーン!
だけどその大型ってのが…
「なんだこいつ…キモチワルイなぁコッチの世界にゃ居ないんだけどぉ…」
『ウオリアンですね、一気に決めましょう』
「俺が潜って、水面から跳び上がって蹴りを入れる。君はウオリアンを打ち上げて欲しい、良いかな?」
「任しといて下さい、ハァッ!」ジャブン
『ブットビ!ロックバースト!』
「今です、継月さんッ!」
「オッケー!任せろ!」
『スクリューストライク!』パッカーン!
煌めきの虹の中に佇む彼は王のような、はたまた孤独のヒーローのような、命を救う者の心を持つ、偉大な力を感じた。
「俺…帰んなきゃいけないっぽいね
…またな!シキ。」
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とまぁそんな一件があったことで、彼の持っていたスクリュードライバーの視点で、
スクリュースターは完成したのだ。
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