本編
泳ぐオキアミ捕うはペンギン
餌
ザワ…
ゴクゴキュ…
トンカッカツカッ…トンカッカツカッ
カチャッ、カチャガチャン
ワァワァワァワァ…
食器を洗い重ねる音が遠くから響いて来る。
だがその音はすぐに目の前の奴にかき消され、オレンジの照明でぼやぁっとした雰囲気に稲妻が走る。
「すんませ~ん、焼酎おかわり!あと鮭のなめろう貰える~?」
「はぁいお待ちくださいねぇ!!!!!」
威勢のいい声が店内に響き渡り、しばらくしてまたガヤガヤと五月蝿くぼんやりとした雰囲気になる。
「そーんな暗い顔してどーしたんだよ~?ほら、飲めよ!」
「僕お酒無理だって言ってるじゃないですかもう…それに平坪先輩のお話長いんですよぉ…」
「そんな事いうなよタっ公~、タメになるかもしれないだろぉ?」
また始まったよ…面倒だなぁ。
仕事をしっかりこなし、あちらこちらと奔走する姿は尊敬しているのだが、どうも酒が絡むと面倒くさい。
彼の名前は「
そんな事を一人思う俺の名前は、
…珍しい名前だろう?俺もそう思う。
ジャパリパークイベント企画部の部員としてジャパリパークに勤めている。よくアイドルグループだったり芸人だったりがお立ち台に立って歌ってたりするアレの企画役だ。
おくとはすお…おくとはす…オクトパス…
という理由で俺のあだ名は「タコ君」
まるで狙ったかのような流れだがそんなもんは知らん、奥都一家に文句があるなら先祖にしてくれるかい?
「まぁ…お付き合いしますよ、ココの魚料理は美味しい事に乗っかってね」
「さっすがタっ公だぁ…ホレ、刺身奢ってやんよ!!食え食え!」
なんだかんだいい人だから、別に良いかな…
[ブゥゥゥゥッッッ!!!!!!!!ブゥゥゥゥッッッ!!!!!!!!]
「あーっ…すんません、ちょっと電話が」
「ン?電話?いいぞ~取引のチャンスはうしなっちゃぁだめだかんなぁ~行ってこい行ってこい!」
___________
カラカラと扉を開けて店を出た。
電話の主は…おっと君か
「もしもし~?どうしたのさ急に」
『ゴメンよタコ、ちょっと俺体調崩してさァ…悪いけど明日のライブの打ち合わせ代打頼んで良い?熱出てさぁ…38度…』
「えぇお前大丈夫かぁ…?しゃーない、いっとくから大事にしろよ~」
『本当ゴメンよ~…』
プツ…ツーツーツー
今電話をかけてきたのは「
…にしてもアイツ、なんかPPPの打ち合わせの時に限って体調崩すな…なんでだろ。
さてと…資料のコピーは…
打ち合わせ昼間からだったし明日でいいか、今日は適当に話聞いて帰ろ。
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