第9話

美しいアンドロイドMさん

 「人は難しい事を、アンドロイドは簡単な事を目標に掲げ、順次目標を変更していきます。巨大な壁を一つ超える事と、小さい壁を無限に乗り越え続ける事は、同じ事でしょうか?答は【否】です。それが人と我々との違いなのです」



王都ガーラン、正門は普段と変わらない光景が広がっていた、商人や旅人、移民、観光客。しかし自分達に今、危険が迫っていることを知るものはいない。そこで業務を行う衛兵を除いて。


正門から壁沿い3キロ程北へ行くと北門がある。その北門へ颯爽と向かう人影が一つあった。製品番号はMUZー2500、通称ミューズは街の大通りを抜け。兵舎へと辿り着いていた。


「ここが兵舎、北門はあそこ、、」


ミューズは数キロの疾走を息切れ一つなく終えると周りを確認する。視線の先は兵舎と門、主人を探す。


兵舎は慌ただしい喧騒に包まれていた。


北門を出て直ぐの場所には返しの付いた八メートル程の柵が二重三重にも門を囲むように半円形に張り巡らせられ、またクロスボウや弓の矢が大量に積み上げられている。 


奇妙な事は王都の外側では無く、門を開け内側でそれらを準備していることだ。訓練などではない、そもそもこんな事は無駄である。


何故なら全力で守るはずの門を突破された時点で王都は風前の灯火であり、残る陸と海側の兵舎と司法庁と元老宮の兵士の防衛力では防ぐ事はできないからである。


「指揮するものは余程の無能か、秀才、英才、偉才に分類される者なのか、、」


ミューズは指揮する人物を確認するが、目的の人物では無さそうだった。浅黒い肌と整った顔立ち、ビルディと呼ばれた人物を注視したのだった。




「正面の柵は四重、左右二枚にずつにして、スライドさせて正面から来る馬車を守るんだ。正面からの突撃に耐えられるよう、足場の土台はしっかり固めておけ!」


門の近くにいる兵士達は二種類に分かれていた。只ニヤニヤと笑い眺めているだけの兵士達とイソイソと準備をし働く兵士達だ。働いている兵士達も実際は嫌々だったが一応、総司令のグランドやその他作戦を認めた隊長達から通達が来ており、手伝う事が義務づけられていた。


「これでゴブリン達が来なければとんだ貧乏くじだぜ。なにせ準備に消極的な二番隊ラカーン隊と五番ムリムス隊が最前列配置だからな。久しぶりの戦いで手柄もでかいし、ゴブリン程度なら危険ってほどでもないし」


「こっちに来なければ、関所への先陣だしな。クソ俺もラカーン隊かムリムス隊に志願すれば良かったぜ。新進気鋭の秀才だか知らないが、俺達と同い年の癖に偉そうにしやがって」


「おい、聞こえるぞ。ほっとけ、ああいう性格の悪い奴は聞こえたら左遷だけじゃ済まない。失敗したとき、大いに笑ってやろうぜ」


会話はビルディにも届いていたがそれらを無視し、ビルディは指示をとばし続ける。


彼等を注意する時間も惜しい、その時間で数十人の安全が確保出来るなら、汚名は甘んじて受ける。死んだ兵士がいるのなら、その家族は悲しみだろう。その家族の罵声に比べれば、兵士が口にする言葉など、川のせせらぎと変わらない。


我ながら小心者だな、とビルディは苦笑する。そんな中、事態は最終局面を迎える。



ドドドドドッ!!


あの会議より時間にして40分、北門に立つ見張りの兵士が目的となる集団を発見し、警鐘を鳴らす。


ガーン、ガーン、ガーン!


「南東の方角、馬車及びゴブリンの一団発見!!」


「作戦指示通り、陣形を形成し向かえ討つ。北門の準備はどうか!!」


「準備完了しております」


「了解した。これより、作戦を開始する。各自隊長の指示に従い行動せよ、各員の協力感謝する。以上」


ビルディは最後に一礼し、総司令のいる兵舎へと移動。グランドや他の隊長達のいる会議室に向かう。


「総司令、ゴブリンがこちらに向かってきます。どう対処致しますか?」


「来たか。ビルディの話は真実が含まれていたようだな。さてどうしたものか、、」


ビルディの質問にグランドは考えている風に装っているだけで、実際は混乱の極みにあった。若干震えながら天井を見上げ、視線を床に落とす。


「隊長達よく聞け。各自臨機応変に対応し、事に当たれ。今回の事、全容を知るビルディには私の補佐をしてもらう。ビルディの言葉は私の言葉と思ってくれ。では散開し、ゴブリンを殲滅せよ」


ドタドタと隊長達が会議室を後にする。グランドは椅子にドカリと座り、自分の短い顎髭を撫でる。


「今回の作戦、やはり司法庁などの後方支援が必要になると私は思う、、どうだ?」


相槌をうてよ、といわんばかりの口調にビルディは《逃げる算段を立てたグランド》に対し、頷く。


「司法庁を説くには簡単ではない、私自らが出向き説き伏せよう。この場はビルディ貴殿に任せる。先程も行ったとおり、隊長達は貴殿の指示が私の指示に準ずるものだと伝えておこう」


「、、、」


「ではな、早く行かなければ間に合わんのでな、一時的に私はこの場を離れるぞ、ゴブリンとの戦いの指揮をとれないこと非常に残念だぞ。ではな」


といって、早々に兵舎から馬車に乗り司法庁まで向かったグランドを窓から確認すると、ヤレヤレとため息を吐き出す。


「市民、思想犯、脱税する商人など、こちらが絶対的な優位に立つときは勇ましい人だが、これではな。もっとも下手に指揮されるよりは余程良い。今後問題なのは私一人が勝ち過ぎたときだな、、最前列の配置のあの二人をやり玉に挙げ、恩でも着せるかな」


独り言をブツブツとするが、首を振る。


「まだ戦って勝ったわけではないのに、勝ったときの事を考えるなんて、俺も随分と余裕じゃないか。足元を掬われるなよ」


ビルディはそう自分に言い聞かせ、会議室を後にする。




ゴブリンと馬車は王都の北門へと爆走する。


「、、くそっろぅ」


アルドは肩で息をしながら、ゴブリンリーダーを睨み付ける。ゴブリンリーダーは北門へ来る途中、只只馬車へ攻撃を仕掛けてきた。


棍棒を車輪に打ちつけ破壊する。柱や筋交いなどを壊し、壁を破壊しようとする。アルドの攻撃は回避するだけ、出来るだけ馬車を壊そうとする。戦い方が上手いといえばそうだ、がアルドを苛立たせたのはそんなことではない。


「くそ、自分が不甲斐ない。引き付ける事も出来ないのかよ。エルフ大丈夫なのか?」


「ええ、僕は、、でもこれ以上は仮想領域に残滓が残って、上手く魔術が使えません、、」


魔術は小さな黒板にチョークで図形を描くのに似ている。使い捨てた図形は描いた後消える、しかし薄く図形が領域内に残るのだ。まるで光を見続けた後の残滓、激臭を嗅いだ後に鼻の残滓、爆音の後耳の残滓のように。


またゴブリンリーダーが馬車を攻撃し破壊する、それをエルフが一時的にストーンシールドで補修するという繰り返し。この状態が続けば当然、魔術を行使する後方支援である、エルフの疲労が激増する。


アルドが思い切って前に出れば良いが、間違ってアルドが殺されれば、戦線が崩壊し皆殺しにされるのは目に見えていた。


それに勝敗はもう決していた。


「北門をくぐるぞ!!」


ゼニスキーの声に我に返るアルドはニヤリと笑う。


大きな口を開けている北門を、ゼニスキーの馬車とゴブリンリーダーが通過する。


「悪いな大将。あんたの方が強いけど、俺らの勝ちみたいだわ」


ゴブリンリーダーは門の存在は知っていたが条件は前の馬車も同じだと考えていた。砦に留まったのは暫くの間だけ。つまり他の集団との連携、罠などはないと考えていた。


しかし蓋を開けてみれば、門をくぐった先には柵が張り巡らされ罠に嵌められた事に気が付いた。しかも丁寧なことに門をくぐるまでわからないように門の死角に柵が設置されているという徹底ぶり、ゴブリンリーダーは引き返そうと馬車を追うのを止め、怒声を上げる。


「ヒキカエスゾ!!」


「ギギギギギ!!」


しかし猛烈な追撃をしていたゴブリン達は急には止まることが出来ず、次々と門をくぐり王都へ入ってしまう。出ようとするゴブリン達と入ってきたゴブリン達が互いに邪魔になり場が混乱する。


「門を閉めろ!!」


「門を閉めろ!」


プープーププーッ。


ガチャンゴン。


ゴブリン達が全て入ったことを確認した見張り台の兵士が、予め決められていたラッパが鳴らし、開いていた門が閉ざされる。


「各部隊連携を取りつつ攻撃せよ!!近寄らせるな、遠距離からの攻撃で数を減らすのだ!!決して近付くな!!!」


ビルディの指示と共に、各部隊が攻撃を開始する。それと共に馬車が通過した道を柵で三重に囲う。


ピュピュピュピュピュピュピュン。スブブブブ。


先ずはボウガンや弓矢が放たれる。数十本ならいざ知らず、数百本もの矢は流石に見切れるものではない。混乱の極致にあるゴブリン達にその矢が突き刺さり、命を奪っていく。


続いて魔術隊の魔術が次々に放たれる。火球を飛ばすファイヤーボールはゴブリン達を焼き、石を飛ばすストーンバレットはゴブリン達の頭を粉砕する。


次々と倒れる仲間を見て、あるゴブリンは動揺し返しの付いた柵の方向へ逃げる。


ーが


ズブブブブ。


柵の向こうから兵士達によってくり出される八メートル程もある長槍数十本が一匹のゴブリンに殺到し命を奪う。


そのままでいても遠距離から攻撃され、近付けば長槍の餌食になる、それは殲滅の陣形だった。


勝敗の趨勢は決した。


あまりにも呆気ない、味気ない戦い。本来戦いとはこういうもので、大が小を一方的に倒すのが戦いの本質であり、均衡状態が長く続く戦いの方が異状ではある。万全の準備で挑んだ人側と不意を付かれたゴブリン側とでは能力差があるとしても、覆せないほどの大きな差があったのだ。




最前列で指揮する二番隊隊長ラカーンは焦っていた。今回こんな地味な戦いで一番の手柄を立てたのは誰なのか?それはゴブリンの事を報告し、作戦を立て、圧倒的勝利に導いたビルディではないのか?


同じ平民であり、階級は騎士中隊長同士で同じなのだが、ラカーンは《隊長》であり、ビルディは関所の《副隊長》である為、若干ラカーンの方が偉いともいえなくもない。


ラカーンは四十半ばでビルディは三十に入ったばかりの新人である。ラカーンはビルディが上官になったらどうなるのか、想像しただけでも吐き気がした。ラカーンは今回の戦いで手柄を立てる方法を必死で考え、そしてある考えに至る。


戦いの華は敵陣への直接攻撃つまり突撃であり、敵陣に突撃してこそ自分の武勇が伝わる。また手柄とは大将級の首であり、眼前にいる一際大きなゴブリンリーダーがその大将級の首ではないかと考えた。


まして一方的過ぎる戦いのため、目の前にいるゴブリン達の能力はそれ程高いものではなく、ビルディによる脚色が加わっているのでは、ーと心の底では思い今回の行動に出る。


「勝どきを上げろ。後方より少数の敵を最後まで弓や魔法で攻撃する者は武人にあらず。武人ならば、我に続け!!後に続けよ勇者達!!!」


ラカーンの発する言葉は兵士達の欲望を刺激した。もはや勝ちは揺るがないのだから、少しでも手柄を得たいと思うのは同然と言えば当然である。仮に咎められても上官であるラカーンの暴走であるなら、罰も軽減されるし、勝ち戦であれば恩情も期待できる、そう考えた兵士達が後へ続く。


次々と柵の包囲を解き、残った少数のゴブリンに殺到する兵士達に、攻撃を続けていた兵士達も同士討ちを避けるため攻撃の手を止める。


「突撃を止めろ!!持ち場に戻れ!!!」


ワーワーワー。


ビルディの声は突撃する兵士達の声に掻き消され、全く伝わらない。苦悶に満ちた表情でビルディは伝令を隊長達へ向かわせる事にする。


「包囲陣を再構築する。これより突撃をしたものは例え勝ち戦であろうと、罰する旨を伝えてくれ。頼んだぞ」


六人の伝令達にそれを伝え、ビルディは再度突撃する部隊を眺めた。




馬車は安全な兵舎の奥まで移動すると、手旗を持つ兵士の指示に従って馬車を停める。外の操縦席にいたゼニスキー、中にいたエルフ、そしてアルドの順で馬車を離れる。兵士はもっと人数がいると思ったのか、敬礼したまま動かなかったが三人以外出てこないことを知ると、敬礼を解く。


「ご苦労。後の事は我々に任せ、冒険者の方々は安全な場所で待機していただきたい。怪我人はいないか?必要なものがあれば今言ってくれ」


「俺は大丈夫だ。こっちのエルフが魔術の使いすぎでキツいらしいから、ベッドで休ませてやってくれ。ゼニスキーあんたは何かあるか?」


「報酬の件だけだな。頼んだぜ」


「エルフと報酬の件だな、分かった。もう良いか?」


「後、事を最後まで見届けたい。ゴブリン達を見渡せる場所はないか?」


兵士は暫く迷う。北門近くの高台に上がらせても良いが、彼が他国の間者だった場合多くの情報を与えることになる。また、一般人が兵舎でウロウロ動き回るのは良くなかった。


「兵舎の展望室で待機すればよい。市民達の見学用だが、丁度ベッドもある。門とは反対側だ、途中まで送ろう」


兵舎の展望室は兵舎の三階に位置していて、当然一般市民に見られて良いモノだけ眺められる様になっている。出入り口は観光目的もあり市街地にかなり近い。


兵士とは兵舎の三階で別れ、案内された通り広まった場所の展望室で待機する三人。


アルドは戦況が気になるのか、ゴブリンの包囲陣を窓から眺める。徐々に数を減らしたゴブリン達だったが、勝ちを焦った兵士の一部がゴブリン達に突撃していく。


遠距離戦ではなく、悪手である近接戦闘を挑んだ事で再度戦いに変化が起こった。


「不味いなコリャ、、、」




次々と簡単に吹き飛ばされる兵士達、ラカーンは一体何が起こっているのか理解が出来なかった。見た目はゴブリンなのだが、その筋力はまるでオーガーの様に怪力で、そして素早かった。


突撃を指揮したラカーンはその姿を見て、後方に移動して漁夫の利を狙おうとしたのだが、ゴブリン達の反撃は苛烈で、ラカーンの護衛の中で一番腕の立つ者がラカーンを庇い死んだ。


その時真っ先に逃げようとしたのだが、再度陣形を整え始めた軍の柵が邪魔で後方へ逃げることも出来ず、孤立無援の状態となっていた。


「まさか、そんな、、馬鹿な、こんな事があってたまるか、、まさかビルディの奴が私を罠に填めたのか!クソ、若僧の分際で!!!」


ラカーンは腹を決め、ゴブリン達と戦おうと勇気を振り絞る。遠距離からの攻撃で数は30匹にも満たない、ならば勝機はまだあると打算した。


「私は優れた戦士なのだ。ゴブリン程度など」


ビクリ。


悪寒が走り、前を見ると目の前にはゴブリン達よりも一回り体の大きなゴブリンリーダーがこちらを見ていた、自分を見ているのだ。もう馬には乗っていないし所々軽少を負ってはいるが、凄まじい悪意をラカーンに向けていた。


「ひぃぃ!!奴を奴を近付けるな」


ラカーンを護る兵士達はゴブリンリーダーに向かって長槍を繰り出すが、ゴブリンリーダーが棍棒を左右に振ると簡単に吹き飛ばされ、息絶える。


ガシリ。


「ぎぁ」


ゴブリンリーダーはラカーンを殺さず、後ろから左手で首を掴み盾のように掲げて、兵士の少ない防御の薄い箇所の柵へ突撃する。


「攻撃しろ!!」


「ラカーン殿が!!」


「たしゅけてぐで、、ゴロザナイデ」


ラカーンの顔は涙でグチャグチャで、失禁し見るも無惨な格好なのだが、人質として盾にされているため兵士がゴブリンリーダーを攻撃できない。


躊躇しているうちに五番隊のムリムスが無慈悲な選択を下す。ゴブリン達の脅威を実感し、身の危険を感じたため兵士達にも迷いはなかった。


「槍を構えろ。ラカーン殿も生きて恥辱にまみれるより、高潔な最後を望んでいるぞ!!」


ガチャガチャガチャ。


長槍を格子状の柵の間に構え、柵に近付いてくるゴブリンリーダーを迎え撃つ兵士達。それを察知したゴブリンリーダーは速度を落とさずラカーンを思い切り、待ち構える前方の兵士達に投げつけた。


グガゴシャ。


ラカーンの体は高速で柵に激突してペチャンコになり絶命、ラカーンの体がぶつかっても全く返しの付いた柵はビクともしなかったが、兵士達の注意が逸れた隙にゴブリンリーダーが柵へ肉迫する。


ガゴーン!!


棍棒による必殺の一撃を一番脆いであろう、つなぎ目に叩き込まれる。ボロボロと木片が辺りに飛び散る。ゴブリンリーダーは更にもう一撃を加える。


ガゴーン!!バラバラ。


ゴブリンリーダーによる攻撃で。人がある程度通れる大きさの隙間が出来る。そこからゴブリンリーダーが柵を突破する。


「クソ、柵を突破されたか。重歩兵隊前へ、魔石用意。スチールスキン使用準備せよ。慌てるな時間はタップリある」


ムリムスは内心焦りながら、自身もスチールスキンの魔術を成功させる。命令を受けた兵士達も次々スチールスキンを成功させ、失敗したものも二度目には成功させ、ゴブリンリーダーの攻撃に備える。


ビュオン、ゴン。ボン、ボン。


ゴブリンリーダーは仲間のゴブリンを引き入れる為、破壊した柵近くに陣取り、周りに殺到する兵士達を棍棒で吹き飛ばしていく。次々と柵を突破するゴブリン達。


「絶対にゴブリンとは絶対1対1で戦うな。ゴブリンリーダーは距離をとって魔法で攻撃せよ。魔法石をケチるな!!」


「堪えろ、直に他の隊が助けに、ぐぁ!!、、」


ムリムスは死角からゴブリンに頭を強打され、気絶する。ムスリム隊は善戦したが人数が減るに従い劣勢になり、ゴブリン達の防御陣突破を許してしまう。



ビルディもムリムス隊の援軍に積極的だったのだが、そのままゴブリン達に突撃すれば当然ゴブリン達を門側から王都内へ押し出す形になるため、迂回しムスリム隊の後方へ回る事を余儀なくされた。そして援軍の到着寸前にムリムス隊が突破され、ゴブリン達の逃走を許す形と成ってしまったのだった。

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