第2話 ユニリンク!

(ちょっとちょっと、なんなのコイツぅ。その作り話を私にする意味は何なのよ?!てか、このパ、何とかって言う、上に冷たい丸い甘いのが乗った細長い器のやつと、このミアーンツとかいう、黒と白を基調にしつつもフルーツで彩りのある雅な仕上がりの甘味、そして、あとこっちの芋を甘くしたようなのと、このプルプルしてるのとか最高で、めっちゃ甘くて美味しいけど、、、私、本は凄い好きよ。。。いくらでも読めるわ。でもこーゆー人が作った話を直接に聞くのって、すんごい疲れる。しかも結構マジに話してくるし...)


(これは適当に聞いて「素晴らしかったわ!それじゃ!」って逃げるべきよね)


「...い...お...おいっ!聞いてんのかよ!!!なんだその目?!おいっ!おおおおい!!!」


 虚ろな目で考え事をしているロッシーの目の前で、ヒックは手を振ったり変な顔をしたり、ロッシーの気を引きつけようと必死だ。ヒックの話を思い出すロッシー。


(巨大な時空竜騎?となったロラン?ヒック?は敵のドラゴン少女と交戦。戦闘は黒髪の女がしてたらしいけど、強さは互角。少し向こうの方が慣れてる分、圧されてたみたい。

 そしたら、その黒髪の女が言うんですって。)


「時空を、世界を越えなさい!今すぐ!!」


 (そんな事言われても、意味が分からないロランは、どうすんだ!?って思ってたら、黒髪の女が耳元で何かを囁くと、辺りが真っ暗になって、気づいたらこのミシの路地裏に居たんですって!!

 持ってたのは青い宝石がついたペンダントと1冊の本。

 それにこの国で使えるコインですって!!!!

 出来過ぎてるわね。没よ)


「それで俺はあの時、あの女にお前を探せって言われたんだよ…」

(えー、なるほど、なるほど。。。私を、ね。探せ、ね。なるほどなるほ…)


「どおおおおおおおおっ?!は?!なんで?なんで私なのよ?!」

(冗談じゃないわ!怖い!最初から私目当て?!怖っ!これ以上この男に関わるのはまっぴらごめんよ!図書館に連れてってくれたのは感謝してるけど、それ以上でも以下でもないの)


「世界を超えて、ロッシーを訪ねなさい、と…」

 何かを思い出すような顔をして、ヒックはロッシーを見ないで話す。


「訪ねなさいっ...て、、、」

(私、訪ねられてないわ。むしろ私が街へ来たのよ。どーゆーつもり?)


「あ、あとコレ!さっきの約束。本好きだもんな?やるよ!」

(な、何この真っ黒い表紙に何も書いてない本は...てか分厚い。辞書じゃないでしょーね?まぁ、くれるなら貰うけど…)


 本好きの性か、ロッシーは手に取ってパラパラとページを捲り、目に止まる項目を少し読んでしまった。


「時空竜騎の動かし、、、方?」


 ― 時空を跳ねる魔装の者は、その者だけでチカラを解放させる事は出来ない。

 共鳴者の魂を糧に、時空竜騎は起動し発動する。

 2人の意思や記憶、体型など本来必要とされる糧は必要なく、魂と時空の強い繋がりでのみ起動する ―


「ん、ん~よく分からないわね、、、これ、さっきの作り話に出て来たやつでしょ…?アナタが書いた...のって?!うぇっ!!」


 ヒックがロッシーの間近まで来ていたのに気が付かなかった。顔が密着しそうな程だ。

 ロッシーは驚いてキャーッ!と叫び、本で顔を叩いてしまった。

 ヒックは衝撃で吹っ飛び、ロッシーの目の前から姿が消えた。


「あ、ご、ごめんなさい...大丈夫?」

「いてて...」


 と頬を撫でながら机の下から出てきたヒックは、怒りもせずにこう言った。


「それが読めるんだな?」

(読める?馬鹿にしてんのかしら。

 私は特に文字の教育を受けた記憶はないけど、物心ついた時には文字が読めたわ。

 本来そうゆうモノだと思っていたけど村のみんなは、びっくりしてたわね。それ以来、本はだいたい読めるのよ…まぁ。ちょっと変よね?)

(でも気にしないわ。こんな表紙が黒塗りの難しそうな分厚い本だって、読める文字で書いているんですもの。私に読めないワケがない。いえ、文字が読める人ならみんな読めるわ)


 ロッシーはヒックへ見せつける様にわざと本を高々と手に持ち、お店で料理を運ぶ係りのお姉さんを呼び止め声をかけた。


「ちょっとお姉さん!この本のココ!読んでみてくださらない?」


「(げ、さっきから暴れてる変な客に呼び止められた…)あ、はぁ、、、え、えーとぉ~、、、ほ、、、本?なんですかコレ?文字、、、何も書いてないですけど?表紙も、中身も真っ白…」


(忙しいのに呼び止めてごめんなさい。お姉さん。でも、そんなあしらい方しなくてもよくない?少しでいいの。1行でも読んでくれたら、すぐに仕事に戻ってくれていいのよぉ?)


「ほら、ココからココまで読んでみて!時の~って所から」


 お姉さんは本と、ロッシーの顔を交互に見る。

「あの、、、ホントに真っ白い紙にしか見えなくて、、、すいません!(な、なんなの…怖っ…)」

 というと仕事に戻ってしまった。


 ヒックの方を見ると、とてつもなくニヤけた顔でロッシーの方を見ている。ほれ、見たことか。と言いたげだ。


「え?なに?どーゆー事なの?」


 ロッシーは少し怖くなりヒックに聞いた。(私まで変人扱いされた気がする)と思いながら。


「そのまんまさ。その本は普通の人間には読めない。読めないどころか文字が書いてある事すら認識出来ない。表紙も本当は黒くない。普通の人には真っ白い、何も書いてない分厚い紙の束だ」

「そ、そんな、、、こんな分厚くて黒い辞書みたいな本が?」


「まだ少し話したかったが、今日はここまでにしよう。その本は分厚いけど出来れば最後まで読んで欲しい。時間もあるのか無いと思う。早い方が助かる」



 そう言うとヒックは、料理の代金を置いて何処かに行ってしまった。

(え…あんなに引き止めといて、自分が帰る時だけ早っ!)


 ロッシーは1人、村の自宅へ帰り本を開いた。

 本を読むのは慣れているロッシーだが、それでも所々、よく分からない箇所がいくつかあった。でもそれは読み飛ばし、少し時間がかかったけれど一応、全部読み終えた。


 よく分からないけれど時空竜騎というものの事や、魔術と言われるロッシーたちの世界にはない、不思議な物の事が説明と著者の解説付きで、色々と書かれている。


 異世界の話を綴った本だと思い、分からない所は深く追求せず、難しく考えずに読み終えた。


 ロッシーは本を読むと、その内容は頭に残りやすい体質らしく、これだけの量の本を読んでいるけど。大体の内容は覚えている。 でもこの黒い本の内容は覚えているような、覚えていない様な。難しい。現実とかけ離れすぎていているし、物語とは違うので、なかなか頭に残らない。

 特に魔術関連に関しては、知らない情報が多過ぎて文字をただ読んでいる。という感覚にしかならなかった。


 けれど何故かロッシーは、1つの魔術を本に書いてある通り試す事にした。


【髪の毛を1本抜いて空中へ放り投げ、床に落ちる前に精神統一をして空間をイメージし、目を開く】


 著者メモには 『飲み込まれ無いように注意』 と書かれている。

 たったそれだけの事しか本には書かれていない。

 ロッシーは同じ事をして、そっと目を開けた。

 タイミング良く、ランプの火が消えたのか真っ暗である。

 いや、真っ暗過ぎる。何も見えない。

 自分の手すら見えない。


(目を開けていないの?私?)


 ロッシーがそう思うほどに暗い。だんだんと恐怖が脳へと入って行く。


「え、ど、どうしよう...」


 ロッシーは自分の存在すらも無くなりそうな気持ちになり、手や足を動かし存在を証明するモノを探す。

 特に何かに当たることも無く、身体もフワフワと何だか心もとない。


(ベッドの上に居たはずなのに。どうしよう…何よ、これ…ずっとこのままだったらどうしよう…)


 恐怖が脳に焦りを与える。

 心臓の鼓動が小刻みになって行く。

 汗が首を伝う感覚が、本当に汗なのか疑わしくなる。

 恐怖が、ロッシーを叫ばせた。


「やめてっ!!!」


 目を強く瞑り無意識にそう強く叫文章ロッシー。

 目を開いた時、部屋は元の部屋へと戻る。

 そしてそばに置いてあった黒い本は、少し黒い霧のような物に包まれていたが、ソレを本はすぐに吸収し何事も無かったかのようになった。

 ロッシーは膝を抱えて、独りで少し振るえていた。だけれど、何故か凄く疲れてしまい。


(明日、ヒックを、、、とっちめて、、、や、、、る…)

 そう思いながらロッシーは気を失う様、眠りについた。



《そこは薄暗い部屋。机と僅かな明かり。

 空間は宇宙のようなキラキラとした星の輝き。

 それ以外は、何も無い不思議な空間だ。

 そこに1人、机に向かい何かを書いている者がいる》

 ローブを纏い、フードを被り、男か女かも分からない。

 こちらを向かずに1人、何かを語り出す。


「私は色々本を読んだ。そして本が好きだ。

 今までと、これからで、本をどれくらい読んだか、読むと言うと、本の為に不老不死を手に入れたくらいだ。それで分かるかな?

 だが、まだまだ世の中には本が溢れている。そして本はまた生まれ、この連鎖は死ぬまで続くやもしれん。

 死なないんだけど。

 そして、これは私が本に飽きるまで続くだろう」


「だが私は本に飽きない。どの本も書いたその人物の、性格や人生が読み取れるからだ」


「本には読みにくいものもある。

 ストーリーがつまらない。

 書き方がなっていない。

 生理的に受け付けない。などなど。

 だが私はそれに屈しない。

 挑むのだ。。。すると、どうだろう?

 新しい世界が広がり、また本を読みたくなるではないか。

 無限に続く、この紙と文字だけの世界。

 その中には無限がある」


「そして今、私は感動と興奮を覚えている。

 本を読んだからでは無い。

 それは何故か?」


「それは今こうして自ら筆を取り!自ら文を書き!私が本を作ろうとしているからである!!何故、今までそうしなかったのか?このような事が起きようとは、、、まさか夢にも思わなかった。この手で無限を作る。それは神にも等しい作業だ、きっと誰かの救いになると信じてる。いや1人はこれで救われるのだ」


「しかし、これはヤツとの約束なのじゃ。そして、この私が書いた本をヤツに届けたいのじゃ。

 誰も信じないだろう。ファンタジーで空想の世界の出来事なのだから…」


「おっと、長話しが過ぎた。私も執筆に戻るとしよう。私の本を読んでみてはくれないだろうか?少し長いが…まぁ、自分のペースで読むと良い。頼んだぞ」


「そして、まずは最初の1ページを…もし、気に入って…最後まで読めたら…また、そ、その、、、か、感想を、聞かせるんじゃ、ぞ」


「わ、分かったら、は、早く読まぬか!!まったく!」


 そう言うとフードの人物は机の方を向いてしまった。その時、振り返る時にフードの首元の隙間から、ペンダントが少し見えた。その一瞬、少し輝いた気がした。

 そして、その人の、机の上には書きかけの本とは別に、黒く分厚い本が置かれていた。。。

 ロッシーは目を覚ました。


(なんだろ、何か夢を見ていた様な…)


 そして昨夜の事を思い出して身を震わす。ベットから飛び起き、身支度をし、黒い本を持って、ヒックへ抗議する為に街へと駆けた…。


「ねぇ!なんなのよ!この本は!!」


 ロッシーはヒックの顔に、昨日もらった本を押し付けて叫んだ。


「い、いだい、おぢづいでぐで、、、」


 本が顔に押し付けられて上手く喋れないようだ。

 2人は近くの茶屋で、人が少ない裏庭の席で話し合っている。

 近くの湖には水花が浮いており、落ち着いた雰囲気の場所だ。

 客は2人以外には居ない。


「ねぇ、ヒック。あなたは何者なの?私に何をどうしろっていうの?この本は全部読ませてもらったけど、分からない所が多過ぎて、、、でも私、昨日...」


 ロッシーが言う前に、ヒックが口を挟んだ。


「何か試したんだな?」


 ロッシーは狼狽した様子で、持っていたホットティーのカップをティーソーサーへと置いて、真剣な眼差しでヒックを見ている。


「どれを試したんだ?まぁ髪の毛だけで使用出来る簡単な魔術だろう?どうだった?」


 ヒックは立ち上がり、身を乗り出してロッシーに迫る。


「どうっ...て。怖かったわ。」


 ヒックの方は見ないで目だけを横に逸らし、ロッシーは答える。


「ははーん、さては暗黒系の魔術を使ったな?真っ暗闇に1人になって怖かった。って所か」


 身を引いて立ち直したヒックは、ロッシーを見下ろしながら知ってる風に言う。


「人は闇に落ちやすい。暗黒系の魔術は初心者でも効果が出やすいって言ってたぜ」

 図星をつかれたロッシーは、驚きと怒りを露にし立ち上がり叫んだ。


「あったりまえでしょ!あんなの怖いに決まってるじゃない!!最初から言っておきなさいよ!この本がなんなのか!!!」

 ヒックは一瞬ニヤッとしたが、真剣な顔をして口を開き、こう言った。


「それは魔道時空竜騎の書。魔術や時空を操る事と、竜騎の操作、魂の関係などが書かれた書物だそうだ。そしてそれを書いたのはアンタだ。ロッシー」


 ヒックはドヤ顔でロッシーを指さしている。


「は?」

 ロッシーは目を点にして、口をあんぐり開けて、心が無の状態でヒックを見ていたが、すぐにヒックへ言葉を浴びせた。


「え?何言ってるの?マジで言ってるの?私はこんな本書いた覚えなんてないわ。もちろん読むのも初めてよ。嘘つかないで、そんな事言われても私は、、、」


 その時だった。

 目の前に何かキラキラした物が、空から舞い降りて来ている。

 雨?

 雪?


(こんなに晴れ晴れとしてるのに?まさか…)

 そう思いながらロッシーが空を見上げた瞬間。

 大きな爆発音と共に空がヒビ割れ、黒い空間が空に現れる。


 そして、その中より現れたのは、鋼鉄の艶がある巨大な青いドラゴンと

 赤い帽子に赤い服、ミニスカート姿のツインテール美少女だった。


「見つけたわよ!!!ロラン!!!!」

 ドラゴンの頭に仁王立ちしている少女が、ヒックに向かって叫ぶ。名は違うがロランがヒックなのは確かだった。


 訳が分からなさ過ぎて遂に怒りが最大限となったロッシーは、ヒックへと詰め寄り胸ぐらを掴んでヒックの首を揺らしながら問う。


「なんなのよ!あれは!!私、夢を見てるの?!あんたが何かやってんじゃないでしょうね?!もーこれ以上私を巻き込むのはやめて!!ヒックって名前も嘘だったの?!ロランて言ってるわよ?!」


 ヒックは落ち着いた調子で答える。


「あれが時空竜騎で、乗ってるのは魂の片鱗だ…気をつけろ」


 もう何を言ってんのか分かんない。というような表情でロッシーはヒックを無言で見つめている。

 その時、空中に居る少女が叫んだ。


「喰らいなさい!我が、大魔砲!!パトリオットファイヤー!!!」

 少女が持っている大きな筒から、赤い楕円形の発光物体が飛び出し、こちらへ向かって来る。

「ヤバイ!!走れ!!!」


 とヒックが叫ぶと、ロッシーの手を引き湖の方へと駆けた。そして二人が座っていた席に赤い発光物体が着弾すると大きな爆発を生む。


「パトリオットファイヤー!!!」


 また赤い少女は発光物体を射出する。

 ヒックとロッシーは湖の方へと走る。ロッシーは以前、料理屋で聞いたヒックの話を思い出し、そして(まさか…)と思いながらも全力で湖の方へと走る。

 しかし発光物体の速度は早く、追いつかれそうである。ヒックはロッシーへ向かって叫ぶ。


「魔法だ!!防御系の魔法を使え!」


 ロッシーは驚いた顔をしたが、あの恐ろしい体験が逆に確信となり、魔法というものを使う事に抵抗は無くなっていた。

 1度読んだ本の内容を覚え、忘れないロッシーは、昨日読んだ本の内容を思い返し、ヒックが言った言葉の意味と同じ意味の文章を頭の中で検索する。


 そして「あった!」とロッシーは叫び、一致した文章の通りに行動する。


 まずはヒックの髪の毛を数本引きちぎる。ヒックは「痛ってぇ!」と叫ぶ。

 それから湖に浮く水華を見てイメージする。走るのをやめて発光物体の方へと振り返り片手を開き、その中心が発光物体へと重なるよう狙いを定め、、、

 もう片方の手で、ヒックの髪の毛を宙に吹き飛ばし叫んだ!


「我がナイトは、花の盾を持ち攻撃を絶断する!!」


 すると空中に、開花した巨大な光の花が現れ、そこへ発光物体が突っ込んで来る。

 巨大な光の花は発光物体を花びらで包み込み、蕾となって消えて行く。その次の瞬間、巨大な爆発音と共に、眩い閃光が辺りを包む。

 眩しくて目を開けていられない。が、恐る恐る目を開くと

 何事も無かったかのように、静かになって居た。


「っ?!これは...」


 赤い服の少女が驚いた顔でロッシーを見ている。

 ロッシーは自分がした事に驚いて、両手を見たりヒックの方を見たりして、慌ただしくしている。

 そんなロッシーの手を引っ張り「逃げるぞ!」と言うと、ヒックは湖の横の森の中へと急いだ。


「ちょっと待ちなさぁぁぁぁいっ!!」


 と赤い少女は叫ぶと、空中のドラゴンから飛び降りて来た。

 それをロッシーは横目に見たが、ヒックの後を追って森へと走る。

 走っている途中でロッシーの小指に、ヒックが小指を引っ掛けて来た。


(こ、こんな時になんなのよ!?)

 とロッシーが思っていたらヒックが

「リンクするぞ!」

 と逃げるのと、この状況に対応するので精いっぱいなロッシー言う。


(この状況でまた訳の分からない事言ってこないでよ!)と困惑して黙っているロッシーに、続けて「本にあったろ!!」とヒックは叫ぶ。

 そう言われて、ロッシーはまた頭の中で検索を始める。そしてすぐ、一致するものがあり。


「あっ!」


 とロッシーが言うと、ヒックがタイミングを合わせる。


「行くぞ!」

「うん!」


 2人は走りながら、お互いに手を伸ばし小指と小指を近づける。

 そして互いの小指と小指を絡ませて、それに力を込めて同時に叫ぶ。


「ユニリンク!!!」


 と。


 すると2人は細かな綺羅綺羅とした、白い光と黒い雷光を全身から放ち、スクリュー回転しながら宙へと浮かび上がる。

 2人は小指を離す。そしてヒックの身体は白く輝き、その光は巨大な人型となる。


 その中心から光が消えて行くと、中からは巨大な白い騎士のような物が現れた。

 ロッシーは黒い雷光に全身が包まれ、その中で黒い帽子に黒い服、そしてミニスカート姿へと…

 


 変身をした。

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