第5話

錆びれたシャッター街をケラケラ笑いながら歩いたこと

ネオンが煌めく飲み屋街でキャッチのお兄さんと冗談交わしたこと

真っ暗な中レインボータワーの麓で肌寒い風に吹かれながらタバコをふかしたこと

その隣で煙に巻かれながら

彼を撮っていたこと






タバコ臭くなって帰ると君が叱ってくれたこと







痛くて血を流して

それでも離れられなくて

動けなかった私に

『だめだよ。』って涙を流してくれた


君がいたから私は神様を失ったあとも

死なずに済んだんだよ


泣けなくて

怒れなくて

バカみたいに笑って

つらくても

苦しくても

外に出せなくて

みんなに笑ってほしい、なんて。


そんな私の代わりに

泣いて、怒ってくれた

そんな私と一緒に笑ってくれた


だいすきだった


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