第27話 K

アリエがびくっとして飛びのいた。


「…K…なんであんたがこんなところに…」


Kと呼ばれた男は、薄笑いを浮かべている。その男は、高身長でくせっけと見分けのつかないパーマがかった髪型で、黒のスーツを着ていて、腰には狭幅の黒いキーボードがぶら下げてあった。


「ずいぶんな言いようじゃないか。つれないなぁ」


アリエはKをひどくにらみつけるような、しかし恐れるような。

そんな風に見えた。


「この前のアラートがあっただろう?警戒してたのさ。常にね。

そしたら風の噂で聞いたんだよ。君が登録者を囲っているってね。


僕が警護になったのも登録者の安全を思っての意向さ。君だってどれくらい登録者がいまの状況で独りでいることが危険かってくらいはわかるだろう?」


登録者?登録者とはなんだろうか。


「それはわかってるわよ。あんたがいなくても十分私で事足りるんだから、変に近づかないで。まじで」


おーこわいこわい、そんな表情とリアクションをKは取った。


「まぁ、僕は常に少し後ろくらいから警護させてもらうから今日はよろしくね。

猿渡メザス君。


君のTHE ENDのパワー、是非見せてもらいたいけど、この大会じゃ無理かな」


Kは怪しい笑みを浮かべた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る