第26話 僕らの -その2

「おい、なんだあのキーボード・・・」


「・・・あからさまにオーバースペックだろ」


なんだか後ろのほうから色々とざわめきが聞こえてくる気がする。


お姉さんも少し表情がこわばっている。


「これは・・・


すみません。このキーボードはちょっと登録できないんです。

と・・・いいますのも」


それを遮るようにアリエが首をにゅっと僕らの間に挟んできた。


「あー!ごめんごめん。このキーボードはね・・・」


そう言って、お姉さんとゴニョゴニョ話している。


「・・・はぁ、・・・あぁなるほど・・・それでしたらには大丈夫ですね。

ですが、様々な状況を考慮して、当協会から護衛の方を数名つけてさせていただきます。」


ハァ、めんどくさ。


そんな顔しているアリアはヤレヤレと手を振っている。


「登録は、


猿渡メザス様 THE END

赤司空様 CRIMSON

桑田三重様 SHOOTING STAR


の三台で確かに完了いたしました。


皆さまが良き鍵道を歩まれることをお祈りしております。


それではもうすぐ護衛の者が参りますのでこの付近でもう少々お待ちください。」


僕らは近くの席に荷物を置いて、改めてキーボードのチェックなどを行うことにした。

空はいつも以上にお喋りな感じで浮き足立っているのか緊張しているのか(まぁおそらく両方だろう)


「周り見てたけど、ほんっと色んなキーボード持ってる人いてすごいよね。遠くの方の受付には、ものすっごく大きいキーボード?みたいなのを持ち込んでる人がいてすごいざわついてた!」


ミエは、興奮が止まらない!といった感じだ。いつの間にかキーボードオタクみたいになってしまっているような気がするけど大丈夫か…?


「まぁ、この大会に出場する人たちはみんなあるものに引き寄せられてるようなもんだからね〜。キワモノを持ち込む人も多いのよ。使いこなせないと意味ないけど。


ミエちゃんが見たのは多分…」



と言いかけたとき、後ろから声がした。


「おい、アリエ。久しぶりだな」

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