部屋

梅練り

がらん

穴の開いた壁と血の付いたベッド

ヤニの臭いと芳香剤の匂い

すっかり麻痺した鼻を刺激する部屋。

僕の部屋。

何も面白い物は無く、シーツに包まって朝を待つ

部屋。

ベランダを喫煙所として使っている

部屋。

開いた缶酎ハイとシケモクの山。

眠りにつくその瞬間以外の大抵の時間をその喫煙所で過ごす。

煙草を吸っていれば

酒を飲んでいれば

僕じゃない誰かになれる

そんな気がして。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

部屋 梅練り @umeneri_gohan

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る