夏の大会を目前に足をねんざしてしまった大槻七海。一週間ほど練習ができなくなった彼女は友人が教えてくれた動画をきっかけにバーチャルユーチューバーの動画を見るように。そして彼女はアバターは猫耳白衣の女子高生、声は一般男性なVtuber『よつばちゃん』の配信を発見する。
最初は「女子高生のアバターに保健室のセットで喋る動画を配信する男性って、ちょっと狂気だ」というドストレートな感想を漏らしたり、よつばちゃんに「癒やされる~」というコメントを送る視聴者に「社会人ちょっと疲れ過ぎでは?」と率直すぎる意見を思ってしまう七海。けど気が付けば、たどたどしいけど一生懸命に視聴者からのメッセージに応えるよつばちゃんの姿に癒されるようになってしまう。
うんうん、わかるよ、その気持ち。
そして可愛いものが好きだけど自分には似合わないという七海の悩みに対して、よつばちゃんの出す答えが非常に印象的だ。
その答えは「Vtuberという存在がなぜここまで人気が出たのか?」という理由にもつながってくる。
短編ながらもVtuberというジャンルの魅力がぎっしり詰まった一作だ。
(インターネット越しな恋愛4選/文=柿崎 憲)