あなたの水色
私には似合わない水色がよく似合う。
涼しげな薄い生地のワンピースを選んで、あなたは鏡の前で身体に合わせて見せた。
「どう?」
もう買うことを決めたのか、嬉しそうな顔。
「似合ってる、可愛いよ」
「可愛いよねぇ」
彼女は服のことを言っている。
鏡の中の私と目を合わせて、すっ、と私の方にワンピースをずらした。
「冒険」
「似合わない」
「そうかなぁ」
「そうだよ」
「水色、きらい?」
「嫌いじゃないけど」
水色はあなたに似合うのがいいんだ。
これに決めた、と言ってあなたはこちらを向いて笑った。
今度会うときに着てくれたらな、と私はそっと期待する。
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