第3話

教室を出て俺たちは、立ち入り禁止になっている階段を登り屋上に続く扉の前にたどり着いた。




今日入学式のはずなのに、なんでこんな場所知ってるんだよ…


「今日の朝誰よりも早く学校に着いてさ、探検してたら見つけた。秘密の話をするのにはちょうどいい場所だろ?」



俺の思考を読んだかのように、すぐ返事が返ってきた。



2人して扉の前に座る。直後、口火を切ったように里谷が尋ねてくる。



「あの子なんなんだよ!」



やっぱり、あんな態度取られたら普通怒るよな…

彼女の幼なじみとして、桜の代わりに謝ろう。



「本当にごめ「めっちゃ可愛いじゃん!榊、お前なんで知り合いなんだよ!?ずりぃ!」…は?」


謝罪を遮り、かけられたのは「ずるい」という言葉。



「…桜のこと、怒ってないのか?」


「別に怒ってない、ていうか最初に読書を邪魔したのは俺だから、悪いのは俺だろ。」




…いいやつだ。俺ならキレる。



「それよりなんで榊は呼び捨てOKなんだよ?」



「桜とは幼なじみなんだ。」



腕時計を確認する。教室の黒板に書かれていた集合時間までならまだ少し時間がある。



俺は彼女との記憶を思い出し始めた。



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