第43話 砦を解放

「と、言う訳で、心置き無く砦もシンラ王国も滅ぼす事に決定しました」

「ま、待って下さい!オーキョウ神様の使徒様」

「偉そうな、小僧です」

「!!·····国の為なら、スドブの首でお許し下さい」

「セ、セルフ!!貴様ぁ俺は王子だぞ!!!」

「無能な我儘プゥは、こう言う時の為、皆が我慢して仕えて居たのです」


「わしが腹を立てたのは、わしを崇めるダルフ達を、虫けら同然とほざく、シンラ王国にである」

「セルフの事は虫けらと認識して居る」

「!!·····」


「優しいわしは、護衛の兵も連れて来てやった、樹海を無事脱出出来たなら、お前達の命は助けてやろう、奴隷としてな」


「ヒミコ砦に転移!!」「はい、ライ兄」


 砦に転移すると、ゴブリンの死骸に兵達が群がっていました。

 わしに気付いた兵士が、

「スドブ将軍とセルフ様は何処に居る!!!」

「お前達の言う、ダークエルフの壊滅した村に居るぞ!」

「その場所に、儂達を案内せよ!!」

 抜刀一閃、首が転がりました。

「わっ!!貴様何をする!!!」

「無礼討ちにしましたが?」

「ぶ、無礼は貴様だ!!!」

「全員で掛かれ!!殺せ!!!」


 突然虚空から、いかずちが兵士達に落ち、ぶすぶす煙を上げて居ます。

「ここの兵達も酷いが、じいちゃん、わざと仕向けて無い?」

「お京さんの神罰だったか!!討伐するのに心が傷まんようには操作してます」


 突然降臨した、オーキョウ神の神圧に、平伏す砦の兵達です。

「恐れを知らぬ、お前達!!我使徒ライに対する所業、心して神罰を受けよ!!!」

 辺りを、光が通り過ぎます、一瞬後砦は無人になりました。

「··········」

「じいちゃん、心配しなくても、奴隷にされてた、ダルフとハーピーは消して居ないよ!」

「えっハーピーも居たの?」

「結構な人数、樹海に隠れ住んで居るわよ」

「情報有り難う!!お京さん」

「天下統一、もうすぐね」


 お京さんが消えた後、ヒミコと砦の探索をしました。

「この砦は、サイレイ航空隊の前線基地にする」

「うん、良いと思うよ」

「結構探したが、ダルフもハーピーも居ないね」

「異変に警戒して隠れて居るのかも、ダルフの村に転移して、皆を連れて来よう」

「そうだね、ダルフも連れて来た方が、説明が楽よ」


 村に転移して、事情を話ました。


 村長は、安全になった砦への移住に乗り気なようです。

「説得ですか?それならば、アズモと若い集を連れて行きなされ」


「クルベはこの村の護衛に残れ!セイラさんは女神様だから、飛行で樹海に隠れ住む、ダルフとハーピーに呼び掛けこの村に集めてくれ!!」

「「ライ様、了解!!」」


 母さん達と、アズモ達を砦に転移させました。

 アズモ達とフィンが呼び掛けると、あれ程探して見附られなかったダルフ達が、何処に隠れて居たのかと思う程の、大人数が現れました。

 ダルフが50人程、ハーピーが7人です。


 移住準備に、慌ただしいダルフの村、セイラさんの呼び掛けに応じて、隠れ住んで居たダルフとハーピーが、続々とやって来ました。

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