第38話 兔人族撲滅作戦2

 雲一つ無い、晴天のまばゆい青空です。

 行く手真北に、氷ノ山連峰がくっきりとのぞめます。


 超人部隊2000とは言え、広大な樹海を全て取り囲む事が出来る程の人数では有りません。

 囲いきれない、東には戦闘メイド隊45名が陣取り、西側には狼超人隊40名がガルダ隊長と陣取って居ます。

 超威力を誇る人員の為、西と東の木材は、建材を諦め燃料用粉砕物になります。

 悪意を探る異能隊が、満遍なく配置して居て、悪意を探ってくれて居ます。


 作戦配置が完了しました。

「作戦開始!!!」

 一斉に樹海の大木が、伐採される爆発音が響き渡りました。

 超人達の含み彈は、一吹きで確実に巨木を倒して居ます。

 樹海が、見る間に消えて行きました。


 早速中央部から、煙が立ち上りました。

 航空隊が集中爆撃を行い、「敵意が消えた」と念話が飛び交います。

 全てが順調に遂行しているようです。


 伐採だけでは、樹海が荒れただけのように見えますが、後方から工兵隊員が集まり、伐採された樹木の枝を払い、纏めて積み上げて行きます。

 払った枝も薪用に回収、纏められて山になります。

 手早い回収で、見る間に樹海が整地されました。


「小休止!!!」

 わしの号令を、異能者が伝えて行き、殆ど一斉に伐採が止まりました。

「異能者と航空隊はご苦労だが、警戒しながら交代で休んでくれ」

 了解の念が届きます。


 休憩中、西から煙が上ります。

 警戒中のハイパー小隊が、集中爆撃を行い沈静化しました。

 結構なハイペース、この調子で行くと、3日程で樹海が無くなるでしょう。



 予想通り3日で樹海が消滅しました。

 単発的に倒した、兔人族数人以外逃げ出した痕跡も無く、何処かに隠れた兔人族3000は居ると予想されます。

 広い樹海跡地を隈無く捜し、やっとそれらしい洞窟を発見しました。

「降伏すれば、女子供の命は助ける!!!」

 毒矢が飛んで来ました。

 ヒミコが、反転させ射者を殺します。

 相変わらず会話しようとしません。

「矢の攻撃が返答か?では、皆殺しを始める!!!」


 爆裂玉を1個投げ入れます。

 洞窟内を爆発音が響きました。


 母さんとヒミコを連れて、洞窟内に入りました。

 ヒミコが、爆煙を押し込み進んで行きます。

 洞窟内は急に広くなり、高さも3メートル位あります。

 たち塞がる兔人族は、兔とは思えない2メートルを越える筋肉達磨きんにくだるまでした。

「グフッ、ばか共め!!たった3人で·····」

 寝言の途中で母さんが、強烈含み玉を発射、兔人達の血煙りと爆風ごと、ヒミコが奥に押し返しました。

「初めて見たけど、兔人って可愛く無いね」

「思ってた兔と大違いね!!」

 母さんとヒミコが、のんびり話して居ました。


 更に奥に進むと、無数の矢が飛んで来ます。

 ヒミコが、全て反転、射者に全て突き刺さりました。

 先程と今回で1000程倒したはずです。


「降伏する!何か望を言え!!」

 重低音の声がしました。

 わしは、飛び上がり、声の主の首を切り落としました。


「何度も恩情は掛けた!今更降伏は認めん!!!女子供以外は全員死んでもらう!!!」

 一瞬緊張が走りました。

「と、言いたいが、わしは殺人鬼では無い、全員命は助けてやるが、重犯罪者として、永久奴隷にする」

「わ、分かった」「分かりましただ!!!言葉に気をつけろ!!!」

「わ!!分かりました」

「これから全員外に出て貰う、その後この洞窟は爆破して消滅させる、隠れて残る者は、確実に死ぬ!!!」

 奥から20人程兔人達が出て来ました。


「·····外に出ろ!!!」

 油断せず先を進む、案の定後ろから数人襲い掛かって来ます。

 3人切り殺しました。

(こりゃ溜まらんぞ!!皆殺しにしたくなった)

「処刑されたい者は遠慮要らん、かかって来い!!!」

 100人程が襲い掛かって来ました。


 ヒミコが、2~300人纏めて範囲圧縮、バキッボキッと異音をたてながら高圧縮の為、湯気を立てる赤黒い塊に成っています。


 恐れを成したようで、流石に抵抗は無くなり、素直かどうかは解りませんが、無言で全員外に出て来ました。

(疲れた!!マジに絶滅させたい!!!)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る