第25話 リハツ屯田部隊

 隊員は90名残って居ました。

 謎の一撃で、10名程亡くなったようです。


 ボゲノ将軍の近くに居たのは、取り入って貰おうとしていた、鼻持ちならん、おべっか野郎ばかりで、ボゲノ将軍と共に逝ったのなら、本望でしょう......んな訳無いか!!


 俺に取っては邪魔者、良い厄介払いでした。

 残りの部隊員は元百姓ばかりで、俺と同じ立場の者ばかりです。


 俺達は拘束もされず、会議室から大食堂に移動しました。

 隊員達には、食事に酒が振る舞われて居ます。

 久しぶりの酒、皆旨そうに呑んでる!俺も飲みてぇ!!

(怖い位の厚待遇だな)


 俺は、国王が待つ、上級士官室に通されました。

 室には、国王に乗って居た、恐ろしい一撃をボゲノ将軍に放った女性と戦闘メイド達、(クマを殺したメイドも居る!)森土人達に有尾土人達、ハーピー達も居ます。

(混沌とした構成員?サイレイ航空隊員と紹介された............皆空を飛ぶのか?)


 目の前に出された食べ物、酒も、見た事のない物でした。

「食べながら聞いて下さい」国王様が、言います。

(本当に食べながらで良いのかよ?)


「............旨い!!!」

(芋?の甘味とトマトの旨味とピリ辛、チーズのこくと塩味が、上手く絡まって極上の旨さに成ってる!!)

「でしょう!!」

 これは、前の戦いの捕虜、元ブレイ兵達が屯田部隊として、頑張った成果です!!

 今のリハツさんと、同じような立場の人でした。


 今はゼフィル市の市長になった、ゼフィル部隊長、隊員達が、広大な荒れ地を開拓して、カラム芋を栽培!更にピリ辛トマトの栽培!酪農も成功させ、乳製品の生産も出来るようになりました。


 ゼフィル市で、生産出来た物だけで作った料理!!

 カラム芋の細切りを炒め、ピリ辛トマトソースを掛けて、小間切りチーズをたっぷり乗せて焼き上げた「カラム芋のチーズ焼き」です。


 ▽▽▽▽▽

{ライの3分クッキング}

 市販のポテトフライをフライパンに並べ

 ケチャップを振り掛け

 トッピングチーズを乗せて2分程焼くと

「カラム芋のチーズ焼き」出来ます!

 飲み物はビールでも良いですが、芋焼酎が、「カラム酒」に近いです。

 △△△△△


 ゼフィル市の、特産名物料理になって居ます。

 その酒も、カラム芋から造った「カラム酒」です。

 ほんのり甘く旨い酒でしょ!



「リハツさん!貴方も屯田部隊、指揮して見ませんか?」


 開発場所は、サイレイ本国の南一帯、可能ならば、サイレイの森も開拓して欲しい!


 ドワーフ工兵隊が、兵舎や施設は建設済みです。

 明日からでも、開拓始められる様に、用意出来て居ます。


(なるほど、直感が閃いたのは、これか!!

 農家出身の俺が、特技を生かして伸し上がる!!数少ない好条件のチャンス!!!)


「是非やらせて下さい!!ご期待にきっと御応えします!!!」

「部隊員も全て農家出身の者です!彼らなら、きっと役に立ちます!!」

「見てて下さい、すぐにリハツ市にして見せます!!!」

 思わず、叫んで居ました。

 一寸嫌らしくアピールし過ぎたかな?

 積極的な態度は、好感を持たれるはず!!

(国王様もにこやかな笑顔!上手くアピール出来た!!)



 その後、資格審査を受けました。

 格技場に通され、隊員が良い所無く倒されました。

(国王様つえぇー!!無駄の無い動き巧みな剣技!!心して対戦しねぇと、勝てそうにねぇぞ!!!)

 それでも、初級個兵が授けられ、数人中級個兵が授けられて居ました。


 最後に俺の番です。

 俺の剣技は我流です、入隊の時少し指導を受けましたが、その後自分で鍛えた技です。

 基本も何も出来ていない俺の剣技は、意外と善戦しました。

 感の鋭い俺は、何度もライ国王様の、鋭い攻撃から逃れました。

 最後は、善戦虚しく、剣を弾き飛ばされ、喉元に剣を突き付けられて「参った!!」


(もう一寸良い闘いが出来ると、自信が有ったのに、情けない!!)


 思ってもいなかった事ですが、ライ国王様からお誉めの言葉を頂きました。

「わしの攻撃を、これ程の時間避けて、数回わしに攻撃が入りかけた!!!」

「この国に、リハツに勝てる者は、少ないで有ろう!!」


「リハツ兵長には、上級指揮官を授ける!!」

「えっ?............つ、慎んでお受けします!!!」

(えーと、兵長は上級騎士だろ?その上は初級指揮官、少尉で中級が中尉、大尉かよ!上級指揮官!!!)

(良いのか?上級指揮官!!!俺は、捕虜だよ?)


「ライ国王様、隊員共々、宜しくお願いします!!!」



 2日後快晴、90名の部隊員を引き連れ、リハツ部隊長は、意気揚々と開拓地に向け、出発しました。




「ライ様どうされました?」

「メイか、あのリハツ、屯田部隊長にして置くのは惜しい人材だ!」

「案内した時も、感じの良い人に思えました」

「メイの好みは、あんな感じの男?」

「えっ?私は......ライ様以外の男は............リハツさんも良いかも............」

(メイに、春が来たかな?............家族が人質って言ってたな、嫁さん居ないと良いが)(あのリハツ間違いなく、リネ姉さんと同じ、直感異能を持ってる!)

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