第23話 謎の侵略兵団

 35人のハーピー達は、豪華な朝食に目を見開いて、嬉しそうに食べて居ます。

「ねえピロロ、噂以上に良い国ね!」

「ピリル!まさか、これ程気持ち良く受け入れられるって、思っても居なかったわ!!」

 話を聞いていた、他の仲間も

「やっと、安心して住める、安住の地を見付けたね!!!」

「思いきって、危険な旅をして、本当に良かったわ!!!」

「ライ国王様って、変わった人ね!!」

「とっても優しそうな方だけど、空を飛ぶ変な人!!!」

「ウフフッそうね!!」

 子供の頃、両親と一族の人達に護られ、何も知らず呑気に暮らしてた。

 あの頃以来、和やかに、久しぶりに安心して取る食事でした。




 白い翼の美しい容姿のせいで、ハーピー達は見つかると、即狩られていたそうです。

 狩られると、殆どのハーピーは殺されて、剥製にされて、領主館等に飾られるそうです。

 愛玩用に生かされて居ても、剥製の要求が有れば、いつでも殺される、何れにしても、人間に捕まればそれで終わりです。



 ピリルとピロロが代表で話してくれました。

「ライ様、厚かましい、お願いなんですが............」

「翼を失ったり、傷付いて飛ぶ事の出来なくなった、仲間が居るのですが............」

「途中まで、一緒に旅して来ました」



「わしなら、再生して、また飛べるように出来るよ!!」

「回りくどい話で、すみません、お願い出来るなら、22人の仲間が、今はサイレイの森に隠れ住んで居ります」


「良いよ!迎えに行こう!!」

「航空隊の隊員が、増えるのは大歓迎!!」


「............ピロロさん、1つ質問!ハーピーには、男性は居ないんですか?」

「男は居ますよ!隠れて居るのは殆ど男です」

「ハーピーの男は、私達女なんて、比べられ無い位綺麗なんです」

「そうなんですよ、ライ様、男が人間の前に現れるのは危険なんです!!」


 天使より美しいハーピー、其よりもっと男は綺麗とは、どれ程のものか?





 エルフ航空隊25名、ハイパーハーピー航空隊10名、念の為わしは、母さんを背負い、レイとセツがエルフに背負われ同行します。

 先導はピロロがします。


 飛行速度、この6年で、ずいぶん速くなりました。

 時速にして、凡そ150キロ!!

 わしは、風防をイメージして、前方を異能防御して飛んで居ます。

 エルフ達は、前方の風を避けて貰い、飛んで居るそうです。

 ハイパーハーピー達は、もっと速く飛べるようですが、わし達と同じ、ピロロに合わせて飛んで居ます、風は気にも成らないそうで、200キロ越えても呼吸は普通に出来るようです。


 ハーピーピロロは、スピードが其ほど出なくて、時速にして、凡そ50キロ位、その程度なら風は気に成らないか!




 降りた所でピロロが「おーいっ!助けに来たよ!!」

 何処に居たのか、22人の飛べないハーピー達が、姿を現しました。

 流石、永年の隠れ生活は伊達じゃ無い!!悲しい特技になってる!!


 羽ばたく事が出来ないそうですが、女性ハーピーより1.5倍大きくて白く美しい翼、姿は女性より一回り大きく、スラリとしています。

 顔は、完全な女性顔、男なのに見つめられると、ゾクリと来ます!!

 こんな美人なら、下に同じ物付いてても構わん!


 もし、全裸女性の補助無しで、この男性ハーピー再生出来たら............

 通算107年、そちらの経験は無いな............一度試し

 ..................危ない!!!!!うぅわぁ男性ハーピーヤバイよ!!!


 荷造りは簡単に済み、エルフ航空隊に背負われ飛び立ちます。

 わしは、背負いたく無いな!危ない世界に行きそうになる!!!


 辺りを、警戒していたわしは、サイレイの森中央にある、少し開けた場所を、凡そ100人の軍団が、行軍しているのを見つけました。


「レイ、セツ、ここに残って!セイラ中隊長!ハーピー達を航空隊基地に送り、直ちに全隊員フル装備で此処に来て!!」


「「「ライ様了解しました!!」」」


 セイラさん達は、高速で飛んで行きました。


「母さん、レイ、セツ、含み弾装備!」

「不明兵の動向を探る!!」

「セツは、この場で待機、セイラ達の到着を待て!!」


「一緒に行きたいけど、了解しました!!」


 サイレイの森を抜けると、大河が流れ行く手を阻みます。

 侵略兵達は、どうやって河を渡ったか?


「母さんレイ、大河まで一っ飛び、兵達がどうやって渡ったか調に行く!!」

「ベル初級騎士、ご苦労だが、レイを乗せてついて来てくれ!」


「ライ様了解しました!飛行中は、レイ初級指揮官殿の指示に従います!」





 ............なるほど、いつの間にか、橋を架けたか。

「母さん、こりゃ本気で侵略戦争、おっ始める気だね!」

「オロ家ね!!最近ライ君に対抗して、オロ国にしたそうよ」

「オロの更に西がカモ家、オロの北サイレイの西、渓谷と山脈の向こう側にノメ家」


 この3家が最近、国を名乗り、3国同盟を結んだそう。

 オロ単独で、攻め込む力は無いから、この3国が怪しいわね!!


「状況は解った、帰ってセイラさんを待とう」

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