第22話 ハーピー航空隊

 ライがサイレイ国を建国して、6年が過ぎました。


 農業、酪農、畜産業、武器防具、金属製品産業、水産業、造船所、木材林業!!

 全て、順調に業績を伸ばして居ます。


 広大な荒れ地だった所は、屯田部隊の頑張りで、中央部に都市が出来ました!!

 第一部隊長の偉業を称え、彼の名前をつけ、ゼフィル市と命名!!

 そのまま、ゼフィル部隊長に市長になって貰いました。


 他の屯田部隊も、凄い頑張りを見せ、今ではサイレイ産のカラム芋は、近隣国各地で高値の取り引きが、されるようになりました。

 芋単体だけでなく、カラム芋焼酎「カラム酒」や、医療用アルコールも生産し、大儲け状態です。


 定期的に視察に行きますが、6才当時のわしに、軽く倒されて戦士魂に火が着いたようで、指導を願われ相手をする度に、メキメキ上達していました。

 殆ど期待して居なかった、彼らの頑張り!!

 報いないと!!!


 成果を出した、全部隊長を中級騎士に昇進、全隊員は最低でも中級個兵に昇進しています。



 更に、階級審査もサイレイ国で審査官が、初級個兵から上級指揮官までの、審査を出来るようになりました。


 ただ、コウセイの審査に比べ、サイレイは厳しく合格しにくい!!

 との噂が流れ、受験を敬遠する人が増えたようです。

 審査基準は、全く同じなんですが............。


 逆に実力に自信のある、受験者が増え、サイレイでの合格者は本物で、価値が有ると言われるようにもなりました。




 ▽▽▽▽▽▽▽▽▽


 サイレイ国軍の、兵士は全て土人だ!!!

 サイレイ国に行く事が出来れば、土人でも、豊かな暮らしが出来る!!

 噂は、遥か遠くの、聞いた事も無い地域まで、流れて行ったようです。


 噂を半信半疑ながらも、微かな希望に賭けて、サイレイ国に逃げ込んで来る、獣人、エルフ、ドワーフ達が後を断ちません!!


 今現在も増え続けて居ます。


 狼剣士隊、狼闘士隊は、400名を越えました。

 エルフ弓兵隊、エルフ精霊隊は、300名を越えました。

 ドワーフ工兵隊は、150名を越えました。


 新兵は、鬼中級騎士(軍曹)達が、徹底的に鍛え上げ、即戦力に成長して行きます!

 今の国力で、5000の兵士を所持出来ます!!

 もっともっと、頼って来て欲しい!!




 サイレイ航空部隊も、順調です。

 初期隊員15人は、攻撃要員と共に飛び立ち、自由に空を飛び回って居ます。

 新隊員21人も初期隊員並みに自由に空を飛び回る事が出来て居ます。


 ただ悩みは、飛行、空を飛ぶと言う事は、難易度が高いようで、隊員がどんどん入隊してくるって事が無いことです。

 6年かけて、36人ですから..................。



 セイラさんを、航空隊に引き抜いた穴埋め!

 第四中隊長にシュラ上級騎士が就任

 第五中隊長にセル上級騎士を就任させました。


 ガリガリに痩せて、衰弱死寸前だった、セルちゃんが、中隊長!!


 中隊長就任の時、セルちゃん感激で、わしに抱き付き泣きじゃくって居ました。

「おめでとうセル!頑張ったね!!!精霊弓兵の第一人者で、考案者のセル!!!」

「うっ、うえ~ん、ひっく、ライ様ぁ!!!」

 まだ13歳のセル声をかけると、余計に泣き出し、収支がつかなくなりました。





 富国強兵を文字通り突き進む、サイレイ国に異形の集団がやって来ました。

 35人の、ボロボロマントにフードで、身体を隠した集団です。


「門番さん、サイレイ国では、土人を兵士として、取り立てて下さると聞いて、やって来ました」


 今日の門番は、気の良い狼剣士隊員のルデフ中級個兵でした。


「サイレイ国に良く来たね!」

「実は私も、噂を聞いて半年前に流れ着いた者!!」

「ライ国王様が、気軽に入隊を許して下さって、見て!!中級個兵を授かった!!」


「良かった!!噂は本当でした、苦労して、遥々訪れた甲斐が有りました!!!」

「国軍入隊希望なんですが............私達のような、ひ弱な者でも大丈夫でしょうか?」


「皆さん、何土人なんですか?種族は?マント取って姿を見せて!」


 オズオズ姿を現した者達を見て、ルデフは息を呑みました!!

「ハーピー!!!」

「よく、生き残って居たもんだ!!隠れ住むにしても、苦労したでしょう!!!」

「さっ!通って!通って!ライ様に話が通るようにします」

「しばらく、待合室で休んで居て!!」


 門番交替要員を引っ張って来て、ルデフは走り出して居ました。


 ルデフの、報告を受けた事務官は、迅速適格に指示行動を取ります!!

 ライが望む、迅速な対応です。



 結果、ハーピー達が、サイレイ国の門を潜ってから、5分待っただけで、一人の少年と話して居ます。


 この少年が、国王と知り、言葉を無くすハーピー達でした。


「非力でも、空を飛べるのは素晴らしい!!」

「ただ、飛ぶだけで、重い物持って翔べないですよ............」


「わしは、皆さんのような、人達を待って居った!!」

「皆さんは、全員サイレイ航空部隊に入隊して下さい!!!」


「えーと、直ぐ飛べますか?」

「はい、長距離で無ければ、直ぐ飛べます」


「じゃ、わしの後を着いて来て」

 と、言うなり、ライ国王は空に向け飛び立ちました。


「えっ?えっーーーーーーーーー!!」「............飛んだ!!」


 まさ人間が、自分達のように、飛行するとは..................。

 驚きに数拍遅れ、順にハーピー達が飛び立ちます。


 飛行能力の見せ所と、懸命に後を追いますが、国王との距離は開いて行きます?

 全力出しても............追い付けない?


 遥か先に有る、綺麗な白い建物のある、広場に国王が降りて行くのが見えました。

 ハーピー達は残念ながら、かなり遅れて降りて来ました。


 大きな翼がある為、隊の制服は着れません。

 工兵隊のエプロン型のオーバーオールを着た35人のハーピー達が整列しています。

 男女の区別が、わしにはつかん、皆華奢で美しい!!!

 男か女か分からんが、皆似合ってる!!これがハーピー航空隊の制服で良いか!!



 美しい天使のような、ハーピー達、10人程のハーピーに身体の欠損部位が!!

 入隊を、拒否されると思ったのか、欠損部位を隠そうと、もじもじしてます。


 この10人は医療室に移動して!!

 戦闘メイドのレイとセツが、案内して行きます。


「これから、失った部位の再生を始めます」

「再生ですか?」


 何を言い出す、この少年は!!

 と言った顔を、ハーピー達はしてます。


「信じられないでしょうが、戦闘メイドのレイとセツも、欠損部位を再生してます」

「ただ、良い意味で副作用が出ます、簡単に言うと、超人になります」

「今より、ずっと強い身体になります」


「質問です、皆さん女性ですか?」

(男の裸見ても、その気に成らんから............)

「はい............女............全員女です............」


「レイ、セツ、準備して脚の損傷の人から」


「全員服を脱いで、全裸になって、脚のない人からベッドに寝て!」


 目を閉じて思い描きます。

 少し迷います、骨格は............人だから、鳥のようにスカスカの骨じゃ無いでしょう?

 えいっ迷わず、女性の骨格!翼の骨格は軽くて丈夫に......付け根の骨格腕とは別に!!神経系統翼にも、静脈動脈毛細血管翼にも!効率の良い強靭な心臓に呼吸器系!!

 筋肉はしなやかで強靭!!表皮は白く透けるよう!!爪は桜貝のように、翼は白鳥の翼............

 えいっ!迷うな!天使で良い!!!


「ライ様正面6人です!」


 ユックリ目を開く!複雑に描いた天使を忘れないように............


(わっ!わっ!キ、レ、イ!!)

「うぅぅーーーーーーぶっわっーーーーーーーーーーーー」

「脚!!再生!!完全体になれ!!!!!!」

 ハーピー6人を白い光が包みます!!

 優しい光です....................................

 ........................長い!!!!

 光が消えません!!

 6人の脚は再生されて居ます。

 ..................控えて居た4人の腕が再生されて行きます!!

 4人も光が包みます。


 長い!!!再生されて居るから、失敗じゃ無いでしょう?

 光は更に膨らみ、レイとセツまで包みます。


 ..................止めた方が良いかな?........................


 混乱の内に、気付くと光は消えて居ました。


 10人の完全無欠ハイパーハーピーが誕生!!!

 リン、ミンを上回る、超人メイドにレイとセツが、変身して居ました。


 この無茶苦茶な結果の、原因は..................

 この世の者と思えない、美天使達の全裸に、とんでもない劣情が湧き出た為でした。

 12才にして、益々立つ!!!

(;´д`)トホホです..................

 その夜良い夢見て飛び起きて、こっそりパンツ洗いましたとも!!!!!


 ハーピー航空隊が、愛でたく誕生しました!!!

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