第16話 母さんが生きてた!

 いたぶられて居た女性2人は、全裸でどちらも右手親指以外指を切断されて居ました。

「あの変態野郎!キスを拒んだと言っては指を切断!乳房を握り潰し痛がったと言っては指を切断!指が無くなったら、手首を切断!

 ふざけた事に、傷を治す簡単な治癒異能を持っていて、切断しては傷口を治癒を繰り返し、心が死んで言う通りに動く、人形になるまで切断を続けやがる..................」


 メイが、吐き捨てるように、説明してくれました。


 死んだように空ろな目をした、女性2人を、メイド達がソファーに寝かせます。


 わしは、目をつぶり正常な指を思い描きます。


「メイ!わしを二人の所に連れて行ってくれ!寸前まで、目を開く訳に行かんので!!」

 メイに手を引かれ進みます。

「正面に二人が居ます」

「有り難う、後ろに居て!」


 指のイメージが消えないよう、ユックリ目を開きます。

 二人のオッパイが目に飛び込んで来ます!

「ブーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!」

「指よ!再生!!完全体になれ!!!!!」

 二人の女性は光に包まれます。


 光が消えた時、二人の指は再生され、穏やかな顔をして眠って居ました。


 光に気付いたようで、ジンにヒミコ、小隊長達が駆け上がって来ました。

「ライ様!完全鎮圧完了で有ります!!」

 ヨイル小隊長の報告です。


「ライ兄!母さんの気配がする!!こっち!!!」

「えっ?」

 ヒミコに続いて走ります。

 わしの戦闘メイド3人も走ってついて来ます!


 ここは、母さんの部屋!

 母さんは裸でベッドに寝かされて居ました。

 両腕と右足を無くし..................

「母さん!!!」

「ライ君..................お帰りなさい............」


 こんな状態でも、母さんは正気を保って居ました。

 しかし、美しかった母の黄金の髪は、老婆のように真っ白くなって居て、どんな酷い目にあって居たか、精神的苦痛を味わった事か、想像したくもありません!!


「母さん!直ぐ元通り元気な身体にするから!!!!!」

 動揺しながらも、心を落ち着かせ、欠損が酷いため、理想の骨密度持った、女性の全身骨格を思い出します。

 神経系統、静脈動脈毛細血管、筋肉表皮、落ち着け!爪の状態!!細心の注意で思い描け!!!..................


 目をユックリ開きます。

 母さんのオッパイが見えています!!

「両腕!右足!!再生!!!完全体になれーーーーーーーー!!!!!!!」



 何も起こりません........................

「............ヒミコ!母さんに対し劣情は起きん!!何とかしてくれ!!!!!!!!」


 様子を見て居たメイが、ためらう事無く、メイド服を脱いで行きます!

 真っ赤な顔になりながら。


「ライ兄目を閉じて!!もう一度思い描いて!!母さんの完全体を!!!」



「目をユックリ開いて!!!!!」

 目に飛び込んで来たのは、美しいメイの裸身!!!

「ブーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!」

「母さんの両腕!!右足!!再生!!!!!完全体になれ!!!!!!!!!!!」


 室内を、白い光が押し潰して居ます!!

 物質的圧力すら感じる光が弾け!室内がギシギシ軋みます。

 数秒か数分か、それとも数十分経ったか、時間感覚があやふやになって来て、それでも、まだまだ光が修まりません。


 また、失敗したのか............不安が過ります。

 力を使い過ぎたようです。

 光の中なのに、真っ暗になって、わしは、気を失って居ました。



 気付いた時、わしは母さんに、抱き締められて居ました。

「ライ君!シンの仇を討ってくれたのね!!ありがとう!!!!!」

 話し掛けて来た母さん?元々若かった!18才でわしを産み、今は24才のはず.......

 が、若いどころか、幼い感じ!!


 ..................しまった!!!16才のメイの身体を見て、それから治癒!!!

 母さんを、16才にしてしまったようだ!!!!!!!


 16才の母さん............でも、今のわしは、6才............母さんに抱かれると落ち着く!

 本当は101才だぞ!!身体に心が同調したのか............恥ずかしながら、甘えたい。

 母さん本当に......生きてて良かった!!!


「有り難うライ君!若返りは、全ての女の夢よ!!!!!!!」

「若返って、力が溢れ返ってる!!!」

「これから、バリバリ働くよ!!!今の母さん何でも出来そう!!!!!!!」


 ライやヒミコすら凌駕する、怪物女傑ベスの誕生です。

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