第15話 サイレイ家解放後編

 興奮して眠れんかった、早過ぎるかと思ったが集合場所に行って見ました。

 現在0600


 10人乗りの兵車が3台!!

 側にリネさんと、リネさんの戦闘メイドが2人、待って居てくれました。

「リネさんお早う御座います!」

「ライ君、これ餞別!」

「えっ!貰って良いんですか?」

「こんな物しか用意出来なくてご面、装甲車3台は無理だった!!」


「1日半の行軍覚悟してた、凄く有り難いです!............でも、御者がいない!!」

「ライ君の戦闘メイドに、セレンが教えたわ!上手に操作してたよ!!」


「何から何まで、有り難う御座います!!此なら今日中に制圧解放出来るかも!」

「ライ君の部隊なら、大丈夫と思うけど、無理や無茶な事しないでね!!」

「無事帰って来て!」


 リネさんと話している内に、全隊員が集合していました。

 隊員を前にして。

「コウセイ家当主殿と、リネ上級指揮官殿のご好意で、兵車3台を頂いた!!」

「皆感謝するように!!!」

「「「「「「有り難う御座います!!!」」」」」」


「1号車には、小隊長4人と中隊長2人それにわしが乗る計7名」

「2号車には、第一と第二小隊計7名」

「3号車には、第三と第四小隊計7名」


「兵車で行くと、昼過ぎには到着する!その後様子を見て戦闘になるが、出来れば今日中に制圧解放したい!!」

「各自乗車後、速やかに装備武器の点検し、身体を休めて置くこと!!」


「乗車始め!!2号車3号車は1号車に続け!!!」

「リネさん、行きます!!」「無事帰還して!!!」

 リネさんと、戦闘メイド2人に見送られ、3台の兵車は走り出します!


 軍馬二頭立ての兵車は、スピードこそ装甲車に劣りますが、乗員が疲れないよう工夫された、ゆったりフワフワの座席は、贅を尽くした作りになって居ます。

 移動手段として、最高の物です。


 いくら兄の子孫でも、ここまでの好意は行き過ぎな感じです!!

 コウセイのじいちゃんには、いくら感謝してもしきれません!!!


 ユックリ走って居るように感じてたが、戦闘メイド3人張り切って飛ばしたようで、3時間で到着しました。

 あっという間で、作戦会議も何も有ったもんじゃ無い!

 小隊長達と、雑談してる間に着いちゃった!!

 まだ11時半だよ!!


「総員下車!!」

「これより昼食休憩を取る、1300に戦闘開始出来るように待機!!!」


 元サイレイ家の城壁が、遥か向こうに見えています。

 後方には、豊かな恵みのサイレイの森が............

「あれ?......ガルダさん、森の中からこっちを見てる人が居る!!」

 隣で食事中のガルダ小隊長に、獣人の超視力確認して貰います。

「ん?............あれは!おーい!!クリルゥーーー俺だ!ガルダだ!!」

「クリルにリルルも居る!!おーい!リルルゥーーー」


 ガルダの呼び掛けに、森からボロを纏った男女が出て来ました。

 1、2、3............5人います。

「ガルダの旦那、こりゃ何事だね!」

「クリル!よく無事だったな!!」

「ああ!!何やら物騒な事になっただよ、わしら森に逃げて、やり過ごしていただ!!」


「ライ部隊長殿!こちらはドワーフのクリルとリルル兄妹で、そちらがムラルとミモルの夫婦、その娘は二人の子供でメモル」

「ムラル達!このお方は、われら土人の恩人で、サイレイ-ライ様だ!!」

「サイレイ様、わしら地下土人のドワーフですだ、よろしくお願いしますだ!!」


「ガルダの旦那!すっかり立派になられて!!

 それは!上級個兵の襟章でねえだか!!!」


 ああ!われら有尾土人と森土人の混合部隊!!

 ライ様の独立部隊に、入隊が許され

 しかも私は、小隊長に昇進させて下さった!!


「そうでしただか!!もっと早く、サイレイ様にお会い出来たなら、可哀想な森土人の娘............セルって言ったか、助けてもらえたかも............」


「セル?エルフの女の子なら、助けたよ!」

「何ですとぉ!ワルタに引っ張られて来る途中、

 歩けんようになって捨てられた!セルですぞ!!!」


「間違いない、セルなら助けた!今は第三小隊、精霊隊の隊員になってる、階級は初級個兵!」


「良かっただ!!あの状態では、生きておらんと思ってただ!!」

「サイレイ様、おねげぇだ!わしらも入隊させてもらえねぇだか?」

「ガルダの旦那からも、おねげぇして下せぇ!!!」


「ライ様ムラルとリムルは鍛冶師で、ドワーフは男も女も皆火の精霊使い!!」

「それに力も、男女共に強いです、戦闘も雄々しく戦います!!」

「何よりも、武器防具を造らせ、自前で準備出来るようになります!」


「分かった!!正式入隊は、ワルタ討伐後になるが、仮入隊として、第六小隊ドワーフ工兵隊に入隊を許す!!」

「階級は全員、見習い個兵とする!!ムラルさん仮小隊長を命ずる!!」

「有り難うごぜぇます!!精一杯お仕えしますだ!!!」


「よし!時間だ!!」

 第六小隊ドワーフ工兵隊は、この場で兵車を警備!

「リン!予備の革鎧を、工兵隊に支給してくれ!!」

「武器も使えそうな物を、勝手に使ってくれ!」


 支給が終わり、リンが合流します。

「全隊員!小隊長を前に進め!!」

「ヒミコ中隊長!ワルタ兵は約200、弓兵は30程見える!猫又変化頼むよ!!」

「任せて!ライ兄!!!」


 ワルタ家が、陥落した知らせは、当然届いて居るようで、

 次は、こちらに攻めて来ると、ワルタ軍は、待ち構えて居ます!!


「わしは、サイレイ-ライ!!!騙し討ちの卑怯者ワルタ討伐に来た!!!!!」

「降伏するなら、見逃してやる!!向かって来るなら、覚悟しろ!!!」


「小わっぱが!意気がるな!!そんな少人数で討伐とは、笑わせるな!!!」

「貴様ら!小わっぱ共々、皆殺しにしてやる!!!」

「弓兵、射ち方ーー用意!射て!!!」

 山なりの矢が、のんびり飛んで来ます。


 最前列に、飛び出したヒミコは、すでに猫又変化してます!!

 猫招きのポーズ、腕をクイッ!!!

 ワルタの矢は、くるっとUターン、射ったワルタに向かいます。


 全隊員からどよめきが!!

「ヒミコ様は、獣人だったの??」

「尻尾が二本?凛としたお姿、綺麗!!」

 無骨な、狼の獣人しか見た事のない人達には、ヒミコの猫又の姿は、美しく見えるようです。


「第二小隊エルフ弓兵隊!敵弓兵を狙い!......テェ!!!」

 エルフの矢は一直線に進みます!!2の矢、3の矢、凄い連発!!

 一瞬にして、敵の弓兵は全滅!

 気を利かせたのか、ヨイルは指揮官を射ぬいて居ました。

「射ち方止め!」

 うっかりしてると、エルフ弓兵隊だけで、殲滅させる所だった!

 他の小隊にも、実戦経験積ませないと!


「第一小隊!小隊長の指示で突撃!!」

 ガルダ小隊長が叫びます!「俺に続け!!!」


「各自得意な技で、敵兵を壊滅せよ!!」

「全軍突撃!!!」

 殆ど一瞬で戦いは終わりました。

 我が方被害無し!敵全滅!


「各隊ごとの移動で、町内の敗残兵の殲滅を行え!!」

「敵兵は一人も残らず討ち取れ!!!」


「リン、ミン、メイついて来い!!!」

 わしと戦闘メイド隊は、ワルタのガキ目指し、元サイレイ城に進みます!


 門番を、問答無用とリンとミンが両断し、駆け抜けます。

 更に邪魔する兵、10数人をものともせず、殆ど立ち止まる事無く、わしらは切り捨ててゆきます!!


 階段をかけ上り、城主の部屋に入りました!

「居た!!ワルタのガキだ!!!!!」

 戦闘メイド達がビクッとして、立ち竦みます?

 ワルタのガキは、戦闘中にも拘らず、若い女性をいたぶっている最中でした。


「あれ?誰かと思えば、僕のオモチャ達では無いか!」「「「............」」」

「へーーぇお前達は蜥蜴か?僕が切ってあげた右腕が生えてる!!」

「おもしれぇ!次は脚を........................「フッ!!」「フッ!!」「フッ!!」

 ガキが言い掛けた瞬間、軽快な音が3度重なって聞こえました。


 吹き飛んだワルタのガキは、眉間と心臓と股間を、含み弾で撃ち抜かれ、即死でした。


「済んだ!!!」

 獣人とエルフ隊員達も凄いが、戦闘メイド達は凄まじいな!!





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