第7話 サイレイ家の真実

「夕食にしませんか?」

 リネ隊長が、誘いに来ました。


 ............三兄妹、仲が良いのは分かるけど............

 折角一杯部屋があるのに、一部屋に団子生活しなくても良いと思う............


 リネ隊長が、ぶつぶつ言ってます。


 隊長も引っ越して来て、この宿舎に住むようです。

 隊員と衣食住を共にする!良い心掛けだ!!!


 どうも、爺気分が抜けず、上から目線は良くないな!!


 食堂では、メニューから、何を注文しても良いシステムになっていて、贅を凝らした内容です!


 スープ1品を取っても、透明に澄んだコンソメ系から、濃厚なポタージュ系まで何種類もある!

 サラダ系もメニューでは何が何やら判断不能な物がどっさり載って居ます。

 流石に、刺身生物では無いが、カルパッチョっぽい物までありました!!


 メイン料理は、魚介類メインから、肉メインまで数十種類も載って居ます。

 料理人3人体制は伊達じゃない!!

 3人も何で居るんだよーー!!!


 飲み物も、若年層のため、酒類こそ充実して居ませんが、数限りない種類が提供されます。


 デザートも、果物系からケーキ類まで多数提供されます。


 ............これって......無料だよね!お金、取られないよね............




 わしは、赤いトマトスープっぽい物、ポテトサラダっぽい物、メインは鶏南蛮っぽい物、デザートはババロア風、飲み物は緑茶っぽい物にしました。


 ヒミコは、人の物が旨そうに見えるのか、

「ライ兄!それ一口ちょうだい!、あっジン兄その煮物一口!お願い!」

 ってにぎやかです。


 ジンは黙々と、食べ物を口に入れて居ます。

 ちらっと見ると、涙?

 ............泣くほど旨いか?


 飽食の日本出身、食には無頓着だったわしだが、辺境のサイレイ家って............

 結構、貧しい食生活だったんだな............


 それとも、コウセイ家が異常なのか............

 旨い物が食える!それで良いか、気にしない!!


 わし達の食べる迫力に、少し引きぎみのリネ隊長が

「夕食後、お爺様から皆に話があるそう」

「会議室に1900集合!」

(19時と言うと、まだ1時間以上あるな!)

 食べるのに、一生懸命のジンとヒミコの代わりに返答!


「了解しました!1900会議室に集合します!」

「ライ君は、流石長男ね!でも、生活の場だから「わかった」で良いよ!」


「わかった」

「リネ隊長、質問良いですか?」

「それも、生活の場だからリネで良いよ」

「はい、リネさん」「で?質問は?」


「リネさんは、いつ中級指揮官になられたのですか?」

「うふっ!ライ君って本当に6才なの?私の年が気になるのね!」

「いえ......そう言う意味では............」

「10才で資格を取り、昇格出来ずに3年、今13才よ」

「うふっ驚いた?私は取り立てて異能って無いから、上級になれないの!」


「異能は無いけど、感は鋭いのよ!本質を見極める感は持ってる!

 その感が、頻りに訴えるの!」

「ライ君と、ヒミコちゃんは、6才や4才じゃ無いって!!」

「..................」

「ライ君の無双な剣術も、ヒミコちゃんの無茶苦茶な念動も、6年や4年で身に付く物じゃ無い!!!」

「ジン君が、年相応の天才だよね!」


「いつか、私を信用できたら、話してね!」

「............はい............」

(はいは、不味かったかな?6才や4才じゃ無いって、認めた事になる!)

(ヒミコは猫又年令➕すると24才......わしは、95才➕と101才になる!!説明なんて出来んよ!!!)




 会議室では、既にコウセイ家当主が待って居ました。


「全員、起立してくれるか」

「サイレイ-シンとサイレイ-ベスの冥福を祈って......黙祷!!」


 両親の事は気になっていたが、生活基盤が整うまで、考えないようにしていた............

 突然の事に、たった6年とは言え、大切に育ててくれた父母!!

 色々な事が............思い出が............

 涙が止まらなくなりおった!!!




「直れ!着席!」


「ライ!!10才になれば、父親のシンから、話して貰えたはずじゃが、

 亡くなりおった!!」

「代わりに話せるのは、私だけになってしまった..................」

「サイレイ家の皆に、これから重要な話をする!!しばらく黙って聞いて欲しい!!!」



 昔、私には兄が居た!

 名を、コウセイ-シュロと言った。

 兄は武芸が苦手で、異能も持っておらんかった。


 何故か、そんな兄の回りには、無双な豪傑ばかりが、集まって居った!

 そんな兄を、私は今でも、伝説の豪傑を束ねる英雄だったと思っておる!!


 じゃが、私達の父はそう思わなかったようじゃ。

 取り柄の無いかに見える兄を、父は辺境の地に追いやり、コウセイを名乗る事も、禁止しおった!!


 兄は、無双の豪傑達と共に、新家を立ち上げた。

 新家の名は、サイレイ家!!!

 サイレイ-シュロとは、

 ライ!お前のひい祖父さんで、私の兄だ!!!

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