第3話 サイレイ家滅亡

 地球での実力を、そのまま持って転生しただけでも、天下統一は夢じゃないそうで。

 お詫びの異能までしっかり、授かっているはず!

 女神様達、負い目があるので、じいちゃんの言いたい放題で、希望は全て受け入れられたはずよ!


 じいちゃん!本当に覚えて無いの?


 神が大勢集まって、ガヤガヤ話してた............

 その間ヒミコと、ずっと遊んでただろ?

 その後記憶が無い!


 そうなんだ............


 今のじいちゃんは、天下無双で感応系と念動系の、異能まであるはず、女神様がじいちゃんの言いなりに設定してた............。



「何か変な事不思議に思った事無かった?」


「............そう言われて見ると............オッパイを飲んでる時に限り、母さんや廻りの人達がガヤガヤ騒いでた!」


「それって、感応テレパシーだったんじゃ無い?」

「んーーー?」

「その他には?」

「............無いと思う............そう言えば、何時もは転ぶ所、風でメイドのスカートがめくれ、その............中がまる見えの時、何かが押し戻してくれて転ばなかった......」


「はーーっ............わかった」

「何か、わかった?」

「うーーん、ライ兄が知ったら、ガッカリする事!」


 何か凄く気になる言い方だが、それ以上ヒミコは口をつむぎ、教えようとはしません。

 因に妹の名前は、サイレイ-ヒミコ............何か細工してない?



 5才になりました。

 誕生祝に剣が贈られ、その場で父と軽く試合をする事になりました。


 木剣で、父から手ほどきを受けていましたが、今まで本気は出していません。


 父は世界共通資格、コウセイ家主催の審査で、中級参謀を授かっているそうです。

 僅か26才の年齢では、あり得ない位の実力です。


 大陸最大最強のコウセイ家、例え初級個兵でも、審査に通る事は名誉な事で、価値のある資格です。


 話が進みませんが、資格について、資格には初級、中級、上級と各3段階があり、下から個兵、騎士、指揮官、参謀、将となります。


 中級参謀は相当な上位資格です。

 しかも、上級指揮官からは、何か異能を持って居ないと資格が与えられないそうで、父は念動使いです。




 父と、わしは、真剣で相対します。

 互いに礼をして、抜刀し「いざ‼」の掛け声で試合を始めます。


 父は軽く打ち込んで来ます。

 わしは、生前剣術は鍛え抜いており、余裕です。


 刷り上げ、切り落とし、抜き程度で父をあしらいます。

 父の顔がマジになって来てる!

 父は念動を使い、剣圧を上げ叩き付けて来ました。


 わしは、するり受け流し、父の首に寸止めで、剣先を突き付けます。

「参った!」たまらず父が叫びました。


 剣技を教えるつもりが、完敗した父は誕生会が終るまで、落ち込んでいました。

 母はライちゃん凄い!と大はしゃぎでした。


 木剣の時もライは、かなりやると思っていたが。

 まさか、私よりも強かったとは............。

 父はぶつぶつ独り言を言いながら、ズドンと落ち込んでいました。





 順調と思われた転生生活は、ある日突然終局を迎えました。

 6才になり、コウセイ家の主催審査の最中の事です。


 審査自体は、6才で受ける事の出来る、最上位上級個兵に楽々受かりました。

 赤星3個の襟章を授かり、当然の結果とは言え、嬉しさが込み上げて来ます。

 6才から、審査が受けられるとは言え、試し、審査の雰囲気を確認するだけで、合格するのは、6才児には無理とされて居るそうです。


 そんな所に、家臣のジンに守られた、ヒミコが急を告げに駆けつけて来ました。


「ライ兄!!サイレイ家が滅んだ!!!」

「何ぃ!!!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る