第4話 友だちって何だろう?
結局のところ、天野の家では、宿題をして、ほとんど話もしなかった。言ってよかったのか、よく分からない。とりあえず、連絡先は交換した。明日はどうなるんだろう。
次の日。
「よぉ、ウタイ~!おっはよ~!」
なぜかやけにハイテンションな怜が、僕の席に走ってきた。これは今気づいたことだけど僕は、怜の4つ隣の席だった。当然、走るような距離ではない。こっちが恥ずかしい。。。
周囲の目がこちらに集まる。それを気にしないのが、怜なのだ。
「ウタイ、今日なんだけど、ウタイん家行ってもいい?」
え?ウチ?
「僕はいいけど、ウチに来てもすることないよ?」
「いい、いい、とりあえず行くから~!」
思わずため息。なぜか体力を消耗する。だけど、こんな風に話しかけられるのは初めてで、少し楽しい。
「なぁウタ、お前天野と友達だったんだな。」
気づくと石崎がいた。
「友だちに見えた?」
「違うのか?」
僕は、友達の定義が分かっていない。中二病?そうかもしれない。でも、本当に友だちがいなかった僕には。。。
「そうかもしれないね。」
絞りだした答えは、とても曖昧なものになってしまった。
「そうか、良かったな。」
石崎はそうつぶやくと、キラキラした集団に戻っていった。
『良かったな』石崎はそう言った――――。
本当に良かったのだろうか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます