第7話

「ギャアッ!!」

「…っつ!!」


剣の上を滑らせるようにして一撃をうけとめる。

力を受け流したはずなのに、それでも半端じゃない衝撃が剣を伝って腕に届く。

服も顔も、何度も転がって回避したため砂まみれ。

それでも私は何とか持ちこたえていた。


「ふんっ!」

「ギャアアッ!」


踏み潰さんとする一撃を回避。

そのまま鱗の隙間を狙って突き刺した私の一撃に、土竜が絶叫。


ー体が、勝手に動く…!


気のせいだろうか、アインの指示する声が聞こえてくる気さえする。


上、受け流して、横!下がって、出る!


ーよし、いい感じだ!


転がって、ここーー


切りつけようとした瞬間ー

油断した。

全身に衝撃。


ー…尻尾!?


気づくのと、地面に体が打ち付けられるのが同時だった。

そのまま、地面を転がる。


ー立ち上がらないと…


そう思うのに体がいうことを聞かない。

全身がひどく痛む。


「まず…」


ぼやける視界の中で土竜が覗き込んでー


「!?」


急に体が軽くなった。


ーあ、もうすぐ死ぬから感覚が鋭くなって…じゃなくてっ!!これは…レベルアップした時の回復!?


一気に鮮明になった、土竜の顔(アンタ、ぼやけて見た方がイケメンだよ?)が迫ってきてー


「〜〜!!」


すんでのところで回避。

そのまま大きく後ろに跳躍、距離をとった私はライセンスカードを取り出す。


「ステータスに大きな変化はなくて…」


ライセンスカードを裏返した私は、


「…なるほどね…」


にやりと笑うと、


「これなら、勝てそうじゃない?」



無限に続くかと思われるような砂漠の中を一人の少年が急いでいた。


ーあいつ、大丈夫か?


確かに最近成長はしているが…相手が相手だ。


ー早く助けに行かないと…!


と、目前に現れたのは、大小二つの影。


ー良かった。まだ生きてる…みたい…だ…


その姿が大きくなってくるに連れて-


「おいおい…」


にやりと笑うと、


「これなら勝てそうじゃねぇか」






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