第5話訓練2

訓練はリアリティを極限まで高めたバーチャル空間で行われ、その光景を軍関係者はモニターを通じ視聴、パイロットの機体選び効果的な動きの確認、最新機や兵器の開発に役だたされる。


特にエースパイロットが出張る実践訓練は多くの人に注目される。


覆い被される期待やプレッシャーはとてつもないが....

「スー....ハー...」

まだ中学生ぐらいの少女は心得ていた。


エースとしての自覚、そして立場の重さを


狭い操縦室の中が白い光で満たされ、徐々に光は落ち着きを取り戻し、人にとって最適な明るさに留まった。


それは開戦の合図、国を問わず、機体を問わず行う所作。

この数秒間の間に覚悟を決めるのだ


殺す覚悟と死ぬ覚悟を


三方向の画面に映し出される外の景色、端に小さく仲間の顔を前に少女は青年の知らぬ声を挙げた。


「このフィールドは荒野ですが高低差が激しく、岩や穴などの多さから相手は奇襲を多く使用しながら高台をとりその高低差を利用して、射撃戦に持ち込むと思われます」

「一定以上の距離開けずに動きながら今から支持するベストな位置につけてください...」

「私が上を取れればそれだけで勝ちです、気張っていきましょう」




バリアフリーの基本的な装備は機体と同じ大きさまで伸びるビームサーベル

そしてマシンガンのみである。

盾はその大きさや敵の攻撃を受ける事から厚くする為に取り回しが悪く、基本装備に入れることは無かった、一小隊に数体それ用の機体を混ぜることでその場によって使い分けることになる。


つまり、攻撃一辺倒になりがちなのだ。それが意味すること、上の考えは、生き残ることをよりも多くの敵を倒し、死ぬことを基本的に視野に入れているということだ。


それを変えたかった。だから彼女は訴え続ける。この訓練を通し、一つでも多くの小隊がシールドを持つように、命を大切にするように。


そんな彼女の今回の小隊のシールドの数、四

隊長を除く四機体にシールドを持たせるという守り寄りの装備である。

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