第3話日常2

俺の作った料理を平らげた後は二人でお決まりの言葉を発する。

「「ごちそうさまでした!!」」

こうして二人の朝は始まるのだ。


皿を洗い終わり、リビングに戻ってくると、ミエルは甘える声で話しかけてくる。

「ねえ、道くん、今日ね?行きたいお店があるの...」

可愛い、気を緩めたらOKを出しそうなので我慢我慢

「...今日は訓練の予定だろ?」

「でも...」

ずるいずるいずるい

「大丈夫、また今度絶対行こう!!」

「絶対?」

「ああ!!絶対に」

そういうと俺はミエルの小指俺の小指を重ねる。

「明後日はお互いに休みの日、存分に遊ぶぞー」

「おおー!!」

なぜ俺のパートナーはこんなにも可愛いのだろうか


人は日常を通し、ミエルが俺に甘えているように見えるだろう。

実はそれは全くの逆で、俺がミエルの優しさ、大人さに救われているのが現状だ。

想えば、いつもミエルには我慢させてきた。


最初の方は親に、家族に会いたいって

それからしばらくして、今度は訓練が辛いって

そして、最近までずっと...俺の顔が見たいって...


そのたびに俺ははぐらかしてきた。


おそらく、これからも、なぜなら...



俺は最愛の彼女にこんな顔を見せたくない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る