第2話 日常

現在 AM:7:00


手元のフライパンを中身を焦がさないように振るいながら時計を見る

(そろそろかな...)

フライパン中身を皿に移し、ダイニングのテーブルに置く。

そのままダイニングを挟んだ向かい。彼女の寝室へ踏み入れ、息を吸い叫んだ。

「ミエルーーー!!朝だぞーーー!!」

ドターンっと、大きな音を立て、少女はベッドから落っこちた。

いつも想うが、痛くないのかね

そんなことを思ってる間に、少女は問いかける、目の間に時計があるのに...

「道(どう)君!!今何時!?」

「七時ピッタリだな、偉いぞー、やればできるじゃないか」

「えへへー///これも道君のおかげです///」

正直ずるい、こんな表情...

「ほら、飯ができてるぞ、今日はベーコンエッグだ」

「やたー」


良かった...この表情を、真っ赤に染まった顔を見られなくて...


いや...


こんな事、思っちゃだめだよな...


「どうしたの?道君?」

「何でもない、ほら腕に掴まれ」

「?....うん」

ギュッ


だって、だってミエル(こいつ)は

見たくなくて、見れないわけじゃない。

生まれた時からずっと見えないんだ。


「「いただきます!!」」


そんな二人の声が部屋にこだまする。

この部屋は狭くない、むしろ一人暮らしには広いぐらいだろうか。


最新式のダイニングキッチン、十畳を軽く超えるリビング

日常の中でも彼女の役職(ポスト)の重さを思い知らされる。


決戦兵器バリアフリー、そのパイロットの中でも二番手、三番手

俗にいうエースポジションに所属する天才少女

「無明の美少女明光 ミエル」だからこそ許された待遇


そんな人々のヒーローであるミエルも俺には

「道くーん、次はベーコンが食べたーい」

「はいはい、ちょっと待ってな」

こんなありさまである


「うみゃーい!!」モフモフ

「口にケチャップついてるぞ」

フキフキ

「えへへー///」

この笑顔に、毎朝癒される俺はどれだけ幸せ者だろうか、救われているだろうか。

少なからず俺は彼女がいなければエースパイロットのエンジニアというポジションから逃げ出していただろう。

それだけ、俺は彼女に救われてきたんだ


ナデナデ


「え!?なに///どうしてなでるの?」

「なんとなく...嫌か?」

「全然!!嫌じゃないよ!!むしろ...大好き!!///」


天使かよ

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