第4話 準備



逃げるのか、約束を破って。だんまりか。なんだ、結局のところお前だって無機質じゃねぇか。そっち側だ、うさんくさい色の中で溺れて溶けちまう、哀れなモノだ。一度でも神様と信じた自分が恥ずかしいね、しかも

 「ウソ」


 「ウソ」



 「ウソ」



 「ウソ」

 「ウソ」

 「見えてる。ウソ」


 「だから、固い、暗い、弱い」



感じないはずなのに。汗が、息遣いが、ここで生きてる感覚が。

――見られている。こころが、震える。かすかに、こわい。と、揺れる。


な、なにが嘘だってんだ、ほんとうのことを確かに話したぞ……偽りなんてないはずだ、

どうしたって不満で、そのうえ納得しないなんてそんなの……そんなの


 「ほんとうは気づいてるのに?」

 「だってわかってるのに?」

 「死んでるって知ってるのに?」


…………‼


 手のひらに汗が滲む、感じがある、なにも見えてはいない。でも、

向こうから

裸の中を360度なめまわすように、そう遠くはなくて。シニガミが、、、


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