異世界ノ夜が過ぎゆく
「あの二人から聞いた話を信じるならば、エンデラの手の者が、エルタとミレアに
「そうですね、
「……一つ思ったんだがゴルビスがいなくなったというのなら、この
「言うことを聞かなければ、ゴルビスにそうしたように、操ってしまえばよろしいのでは? 主様なら簡単なことでしょう」
「元の世界に戻る方法もわかってないのに、そんなことしたらエルタの中に居る、ルルカが
「そうですか、まあ私はこうやって
「そ、そうだな……」千景の顔を、
「
「忍者っていうのはそういうもんだろ、しかも俺のせいかそれ、出てきづらい
「私の非を責めるのはいいですが、主様にまで非があると?」
「そういう
「それでどうだった虎徹? 『トライセラトリス』のアジトは
「かんたんでしたよー、建物壊せばよかったんでしょ? そこで無理やり働かされているっぽい女と男と『トライセラトリス』のやつらとを仕分けながら、殴り飛ばすのは、面倒臭かったですがね」
「働いている?」
「アジトっていっても、
「聞いてなかったな」そう言って、千景は白狐の方を見た。
「場所だけ吐いて、
「そ、そうだな、でその残った人達はどうなった?」
「そう、それなんですけどね、なんだか、その騒ぎを聞きつけた、教会の
「そうか……それでよかったよ、任せて正解だ、俺達には現状手を差し伸べることは出来ないからな、聖魂騎士か……強さはどうだった?」
「俺が見た中では結構いかつい感じでしたよ、まっ俺の相手にはなりませんけどねありゃ」
「名前は聞いてないのか?」
「すいやせん、そこまで聞いてませんでした」
「これだから筋肉自慢の無能が、殴るだけしか能がないのですか、主様に迷惑がかかりますよ」
「なんだとお、お前、調子乗ってると……」
「調子乗ってると? なんですか? なんなんですか?」
「い、いやなんでもないです……」
「あんまり虎徹をいじめるな白狐」
「御館、そんな言い方すると俺がもっとみじめになる」
「そうだな……虎徹は一回城に戻ってからここに来たのか?」
「そうですがなにか?」
「城の様子を聞きたかったんだが」
「様子ですかい、ミレア姫囲んで三人が踊ってましたぜ」
「そうか……無事ならそれでいいんだ……俺達も城に戻るか、もうここでやることもないしな」
「そうですなあ、いやあ、あんなんじゃあ殴り足りないっすなあ」
エルタにエンデラへの魔晶石を供給する話を通しておこう、教会の聖魂騎士というのも気になるな、その辺りの探りをいれていくか。
城に着くと、天音の大量の料理が出迎えてくれた。
「お待ちしておりました、御館様」
みんな思い思いに、天音が作った料理を口に運んでいた。千景と虎徹と白狐もその輪の中に加わる。
「エルタ、エンデラのやつが来て、魔晶石の供給を早めてくれって言われたんだが」その言葉を投げかけれたエルタは口に手を当て、必死に噛む速度を上げた。「ごめん、ゆっくり食べていいよ」飲み込んだ後一息つくように飲み物を口に含み「だ、大丈夫です」と言い「ま、魔晶石のことですか」と続けた。
「そうだ、ゴルビスに輸出を止められていたらしく、大分迷惑してるらしい」
「そうですね……でもその輸送ルートは、今反乱を起こしているノーゼス公の領地なんですよ、アルザック男爵次第というところでしょうか、ゴルビスも居なくなった今、ノーゼス公に後押しをする人もいなくなったので、収まるのではないのでしょうか」
「そうか、後鉱山への採掘も再開して貰わないと、と言っていたから、両方に人を
「エンデラは昔から黒い大地から来る、影に生きる者達を、
「どうしましょうと言われても、俺はこの国の内情もエンデラの内情も詳しくは、知らないからないからなんとも言えない」
「そうですね、そこは私が出来うる限りしっかりしないといけませんね、後でノルヴァイン侯爵に話を通してきます。彼なら、うまく貴族たちを
「エンデラへの輸出ルート
「なにか話がややこしいことになっていますね」
「種を
「そ、そうですね……」
「そうだ後『トライセラトリス』のアジトを潰したときに、聖魂騎士というのにあったらしいんだが知っているか?」
「ええ、
「そうか、ありがとう、特に今は問題にならなそうだなそれじゃあ」
「千景様が色々と働いてくれるおかげで助かります、感謝の言葉もありません……これからも私のことを支えて下さい、お願いします」エルタはそう言いながら、
「も、元の世界に戻るまでだからな」
「この際、この世界に留まって、エルタと結婚すればようかろう、わらわは大賛成じゃぞ」
エルタの半身からルルカが出てきて
「だ、だめです、そんなことは、だめですよねえ、御館様?」天音が横からそれを遮った。
「主様は、私の主様ですよ」
「ルルカお前が、変なことを言いだすからこんなことになるんだぞ!」
「
「おい、待て」
異世界の初めての夜は賑やかに、過ぎ去っていった。
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