白夜ノ断罪者
「宙音ちゃん!」
「
「かしこまりました、御館様、あ、あと申し上げにくいことがあるのですか」
「どうした? こいつらの面倒を見るのが嫌とかか……?」
「ち、違います! あ、あのですね……お腹がですね……」
「空いたということか……」天音が恥ずかしそうにコクリと頷いた。
「そ、そうか、あの時、結構食べてたと思ったけど、時間経ってるしな、どうしようか……ミレアの護衛は、
「大丈夫でーす! まっかせといてください、水音ちゃんと赤狐ちゃんもいるから飽きないしダイジョブ、宙音ダイジョブ」
「
「あ、ありがとうございます!
「わたしもお腹空いてたんだよねえー、色々食べそこなちゃってさあ、ご主人に止められてえー」
「人間は食うなよ、しかしなんか一気に
「おっけぇーい、いえぇーい、ふぅー」宙音と赤狐がわかってるんだかどうだかわからない感じでベッドで弾んでいる。水音は、黙って正座で座っているが、二人が
「もういいや……行ってくる」
「いってらっしゃいませ、御館様」という天音の言葉を背中に受け、千景はゴルビスの屋敷に向かった。
ゴルビスの屋敷は、
「主様、お待ちしておりました、意外に早かったですね」
「すぐに来たからな、丁度赤狐も行違うことなく合流できたよ」
「そうですか、赤狐は、ちょっとアホなところがありますけど、馬鹿じゃないので言ったことはわかりますよ」
「俺はそこまでは言ってないよ、白狐、で、この二人か」
「ええそうです、回復の術も使って延命してますので、お話しも出来ますよ、主様」そうかと返事をしながら千景は近づく。回復の術を使っているとはいえ、徐々に体力が奪われる砂の棺は、体に
「お前たちは、ビマと同じエンデラの暗殺者の『
「そ、そうだ」
「そうか……何をしにここへ来た?」
「ゴルビスはああなったが、一芝居うってるかもしれないということも考えられるのでその確認だ」
「残りのメンバーは、エルタを殺しに?」
「ち、違う、一つはっきりさせておくが、エンデラ国王も言うなれば、ゴルビスの被害者だ、我が国が不死族の侵攻を食い止めるために必要な、
「そうか、そういうことか……不死族とか言ったな、今日式典には顔を見せてはいなかったよなそいつらは、お前たち姿は見たが」
「そ、そうだ、あいつらは魔族だ、こんなところに来るわけがないだろ、来るとしたら侵略のためだ、そんなことも知らないのか、この国の暗殺者は」
「主様にそのような口を聞いたのなら、死んでもいいということですね」
「待て
「どうせ俺達はもう、国に戻ったとしても、あいつらに殺される、魔晶石の光が
「それは今から持って行っても、間に合わないのか?」
「かなりの量を必要とするからな、両手で抱えて持っていくというものでもないし、
「そうか……話からすると、もうお前達はアヴァルシスやエルタと争う意思はないんだな?」
「ああ、というか、争うもなにも、俺達には、そこのメイド服の女を倒すのは無理だ、なんなんだ……魔族とも人間とも違うなにか……」白狐が無言の笑みで答える。
「白狐、
「かしこまりました、主様」白狐が砂の棺に触れると
「エルタには、すぐにエンデラに魔晶石を輸出するように手配して貰う、とりあえずはそれでいいか? そうエンデラの国王にも伝えてくれ」
「ああわかった、あ、ありがとう……後は時間との勝負だ……」
「残りのメンバーも残らず連れて帰ってくれよ」
「わ、わかった……」大分息が荒い、もう一人の男もぐったりしている。
「白狐、手錠も外してやれ、あと回復術も」
「かしこまりました、主様」
二人の男は体が
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