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空を見上げたまま、独り言の様に、ひろしはそう言う。
「どういう意味ですか?」
さなぎは顔をしかめた。
理由があるから、さなぎは死のうとしている。
理由は、さなぎが死ぬには、必要なものだ。
理由が無いなら、死ぬことなんて考えないと、さなぎは思う。
生きるにも、死ぬにも、理由は必要だと、さなぎは思う。
「僕には、死ぬ事に特別な理由なんて無いんだよ。僕が何かをするのに、理由なんか無いんだ。死ぬ事を考えたのも、そんな気になったからで、特別な事なんて、何もないんだよ」
「そんな……」
「良くさ、言うだろ? 生きるのに理由なんていらないってね。僕も、そう思うよ。だから……」
「だから、死ぬにも理由は要らないって言うんですか?」
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