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またしても二人の声は被る。
ひろしは、少し、笑って、さなぎに、先にどうぞと言う。
さなぎは、気まずそうな顔をしたが、頷いて話しだした。
「あのっ、どうしてですか? あなたは、どうして、そのっ……死のうとしているんですか? そのロープ……」
そこまで言って、さなぎは、言葉を詰まらせる。
そのロープ、首吊り自殺するための物ですよね? と、今更分かり切った事を言おうとしたけれど、さなぎは、それを口にする事はできなかった。
さなぎは、自分自身が、その為にここに居る事を考えたら、なんだか急にそれを口にする事が出来なくなったのだ。
けれど、ひろしには、さなぎが何を言おうとしているのか、十分伝わっていた。
ひろしは静かに「取り敢えず座りませんか?」と言う。
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