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 男の台詞に、さなぎは、頭を左右に激しく振りながら、違います、違いますと繰り返した。

(全く、とんだ邪魔が入ったものだわ)

 さなぎは、忌々しげに、男を睨み付ける。

 さなぎがここにいる理由は、男が指摘する通りのものだった。

 だから、この男はさなぎには邪魔だ。

 さなぎは、一人で静かに死にたいのだ。

 この男の目の前で首を吊ろうものなら、絶対に止められてしまうだろうとさなぎは考えた。

 そうだろう。

 普通は止める。

 止められても、さなぎは止める気なんて全然無いけれど、このままこの男がここにいたのでは、決心して死に向かう気持ちが白けてしまう事はさなぎには明白だった。

「もう、あっちへ行って下さい! 一人にして下さい! 行ってっ!」

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