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 とにかく、酔っ払ってしまった方が良いらしいと、さなぎは聞いたのだ。

 ビールどころか、お酒なんて、料理に使われる位の物しか体に入れた事の無いさなぎは、ネットで調べた情報を信じて、激しく痛む頭を片手で押さえ、二本目のビールに口をつけようとした、と、その時、「あのっ、こんばんは」

 声がして、さなぎは下を見た。

 地上で、さなぎを、眼鏡をかけた男が見上げていた。

 さなぎは、慌てた。

(こんなタイミングで、声を掛けられるなんて、どうしよう! 夜に、こんな場所に人が来るなんて!)

「良かったら、一度、下りて来ませんか?」

 慌てるさなぎに、男は落ち着いた様子で声を掛ける。

 男の言う通りに、さなぎはそろりと木から下りる。

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