立花風香は理想の恋がしたい
内藤ゲオルグ
第1話
恋。
それは楽しいこと。嬉しいこと。幸せなこと。
でも時に辛いこと。苦しいこと。悲しいこと。
様々に感情を掻き立てる魔法のような気持ち。
自分でも思い通りにならない制御できないあふれる気持ち。
きっと人それぞれ違うと思う。
共感できるようで、できないような。
色とりどりの恋心は、それでもきっと、みんな王子様との運命の出会いを待ち焦がれている。
恋。恋心。
私、立花風香にとって、全ては伝聞。もしくは物語の中のお話。
素敵な物語のような恋に憧れてから十余年。
私は未だ、理想の恋に出会えない。
-*-*-*-*-*-*-
「ねぇ、風香。週末の合コンきてよ。一人都合つかなくなっちゃってさ」
友達の超アクティブ娘、梨絵が化粧を直しながら、ざっくばらんに私を誘う。
「嫌だよ。どうせ相手はお金持ちの中年おじさんでしょ?」
「何が悪いってのよ。やっぱり男は金よ?」
身も蓋もない。いくらなんでもそれだけってことはないでしょうに。
冗談とも言い切れない口調に、一瞬の間が空いてしまう。
「……私はそんな風に割り切れないの!」
「もう、そんな事ばっかり言ってると、いつか本当に行き遅れるからね」
ずいぶんな言い方だけど、彼女なりに私を心配してくれているのは分かっている。
だけど、なんていうか、ね?
もうちょっと、こう、ロマンスってものを期待したいじゃない。
若さが武器になるうちに、財力だけはあるおじさんを捕まえて専業主婦に収まる。
それはそれでいいと思う。
かしこい選択なのかもしれないし、幸せであるのなら誰にも文句は付けられない。
だけど、私は夢に見ている。
私自身が恋焦がれる、運命の相手との出会いを。
バカにされたって、行き遅れたって、この想いは変えられない。
私のこの主義に対して、合コンはまったく相容れない。
梨絵が誘ってくるような相手の年齢層が高い合コンは、年収や社会的な地位を誇示する男性と、若さと美貌を誇示する女性のせめぎ合い。
私の理想からは遠く、即物的に過ぎる。
同年代だけ集まる若い年齢層の合コンだって、別の意味で即物的に過ぎて私には受け入れがたい。
そこに運命の相手がいるとは到底思えない。
「とにかく、今回はお願い。私を助けると思ってさ。相手方の幹事と日程とか人数調整とかで苦労して、やっと実現したんだから! 風香は愛想よくしててくれればそれでいいからさ」
拝み倒してくる梨絵の困った顔にはちょっと弱い。
強引なくせに憎めないというか、何とかしてあげたくなるというか、これも一種のカリスマなのかもしれない。
「うーん、じゃあラデュレのフランボワーズケーキで手を打とう」
「えー、ラデュレはちょっと高い」
「ダメ。それは譲れない一線だよ」
「こんな条件の良い合コンなんて、なかなかないんだからね。まったくもう、分かったよ」
どう条件がいいのか説明してもらっていないから分からないよ。
まぁ大人しく座っているだけで噂のケーキが食べられるなら、少しくらい我慢しよう。
「風香、今日はどこか寄ってく?」
「やめとく。荷物が届くはずだから、今日は帰るね」
「また通販? しょうもないものばっかり買うのは悪い癖だぞ」
しょうもないとはなんだ、しょうもないとは。
今度のフライパンは凄いんだから。届いたら自慢してあげよう。
待ち合わせの時間と場所はあとで送ってもらうことにして、今日はこれにて解散。
合コンに行かなければならないことを思うと少しだけ憂鬱になるけど、約束は約束。ケーキに免じて我慢しよう。
家に帰って少しすると、チャイムの鳴る音が。
頼んでおいた通販が届いたみたい。さっそく目玉焼き作ってみよう!
「は~い」
「すいませーん。引越し業者の者ですが、運び入れいいですか?」
「え、引越し? うちじゃないと思いますけど……」
「あ、ごめんなさい、お隣でした。失礼しましたー」
びっくりした。間違いか。
でも、お隣引っ越してくるんだ。いい人だといいな。
あ、またチャイム。インターフォンにモニターが付いていないのが、少し不便。
今度こそ通販かな。
合コンの約束当日、夕暮れの繁華街。
梨絵好みのおしゃれなレストランは、流行のシュラスコが楽しめるお店らしい。
串に刺さったお肉をナイフで切り分けてくれるスタイルが豪快で、見ているだけでお腹が鳴ってしまいそう。
合コンは憂鬱だけど、その料理は楽しみ。
ちょっと早めに着いた私はお店の近くで梨絵の到着を待つ。
いつものように行き交う人をなんとなく眺めて、運命をビビッて感じる瞬間でも来ないかな、なんて妄想にふける。
しばらくして待ち合わせ時間ギリギリになった頃、待ち人が到着した。いつもこんな感じだけど、遅刻だけはしないのが梨絵らしい。
「風香、お待たせ」
キメキメに決めた梨絵が引き連れるのは、思わず気後れしそうになるような美女二人。
「あなたが風香さんか。梨絵から聞いてるよ。今日はよろしく」
「ふふふ、今日は楽しみましょうね」
美女二人は愛想まで良くて、初対面の私に笑顔で気さくに挨拶をしてくれる。
「はい、こちらこそ今日はよろしくお願いします」
「女同士の挨拶はそこまでにして。さぁ、出陣よ」
何を言っているのか、まるで戦場にでも行くかのような梨絵に導かれて、私たちはお店に入った。
店員さんに案内されたのは個室。
窓のない空間は少しだけ圧迫感がある。
いつから待っていたのか、相手側の男性陣はすでに勢揃いしているみたい。
うーん、やっぱり年齢層が高い。私たちよりも、ひと回りは年上かな。もしかしたら、もっとかも。
パリッとした服装に余裕のある態度は、いかにも大人の男って感じがする。
だけど、この人たちを見ても運命を感じない。
いつもこんなことを考えてしまう私は、きっと物凄く失礼な女なのかもしれない。
私はいつだって理想を追い求めているからね。
劇的にロマンチックな出会いから恋に落ちて、困難を乗り越えて結ばれる。
簡単に言えばこんな感じだけど、出会い方こそが私にとっては重要なのだ。全ての始まりなんだからね。こんな風に何も感じない出会い方では、心が動かない。
「ちょっと風香。笑顔だけはサービスしてよ」
こっそりと囁く梨絵の声で我に返る。
私はともかく、ほかのみんなは楽しみしているはずなのだ。せめて迷惑を掛けないようにしないと。
「三上さん、みなさんも、遅れてすみません」
「いいよいいよ、梨絵さん。それよりも席に着いて乾杯しよう。今日はちょっといいワインを出してもらったから。ほら、みんなも座って座って」
時間ぴったりのはずだけど、梨絵はお待たせしてしまった挨拶から入る。
なんだろう、初対面だからかな。初めて男性に会ったときに感じる空気がやっぱり苦手。
お話は程ほどに、料理に集中しよう。
お酒好きが多いのか、梨絵も含めて女の子たちはハイペースでグラスを空けてしまう。
男性陣が次々と注ぐし、飲みやすくて美味しいお酒にみんなも上機嫌。私は意外に思われるけど、どれだけ飲んでもお酒にはあまり酔わない。
私以外の女の子もお酒に強いのか、酷く酔った風には見えない。むしろ、男性陣の方が呂律は怪しいし、なんだか態度も変わってきた。
途中で席の移動があって、男女が隣り合うようにして座っていたけど、微妙に距離が近づいて来ている。
意識して離れるようにしているのに、気づいているのかいないのか、すこーしずつ、にじり寄られるのが嫌。
甘んじてセクハラを受ける気はないよ、私は。
まだ一次会の終了までは時間もあるし、ちょっと時間を潰してこよう。そうしよう。
「あ、ちょっとお化粧直してきまーす」
迫ってこられるプレッシャーを華麗にかわして席を立つ。
大企業に勤めているらしい、おじさんの不満そうな顔は見なかったことにした。
退避したお手洗いは、最近のおしゃれな店にしては珍しい男女共同の個室。
パウダールームなんて気の利いたところは存在しなかった。
「うーん、ちょっと残念」
これじゃあ長居もできないけど、洗面台で一応の軽いお化粧直しをしていると、然程の時間も経たずにノックをされてしまった。
中から返事をするのも恥ずかしいし、早く片付けて出ないと。
ドンドン!
ノックの音が大きくなった。
急いでいるのだろうけど、焦らされると余計に時間が掛かってしまう。
ドンドンドンドン!
「お、おい、便所早くしてくれ! 頼む、緊急事態なんだ!」
「あ、す、すみません、すぐに出ますからっ」
焦って落としてしまったハンカチも拾って、なるべく急いで外に出た。
「すまん、どいてくれ!」
私を押し退けて個室に入る男の子は、多分だけど私と同じくらいの年。
脂汗をかいた険しい表情は、なんだか少し怖かった。
すぐに立ち去ろうとしたけど、残念なことに生理現象の豪快な音が聞こえてしまって赤面する。
聞くつもりじゃなかったのに!
あの人に悪気はないはずだし、別に悪いことでもないはずなのだけど、女の子にはもう少しだけ気を使って欲しい。
「……もう忘れよう、うん」
だって、多分もう、二度と会わないだろうし。気にしてもしょうがない。
少しだけショックなことがあって、元々酔ってはいなかったけど頭も冷えた。
なんかもう帰りたい。
でも、戻らないわけにもいかない。
酔っ払ったおじさんたちとの会話を楽しむ気力はなかったけど、一次会の終わりまでは頑張ろう。
「あ、風香、戻ってきた。あれ、なにかあった?」
「え、ううん。特にないよ」
「そう? ちょっと早いけど、料理も出尽くしたし二次会に行こうかと思って。風香は帰るでしょ?」
「うん、ごめんね。みなさんは楽しんできてくださいね」
合コンに巻き込むのは止めて欲しいけど、気を使ってくれる梨絵はやっぱりいい子だと思う。
「え~、風香ちゃん帰っちゃうの~?」
酔っ払った人は苦手。しつこく絡んできそうなおじさんを無視して帰り支度を整えた。
外に出てから梨絵たちを見送った後、一人で駅に向かう。
すると、何歩も歩かないうちに背後から呼ぶ声。
「風香ちゃ~ん、待ってよ~っ」
振り返ってみると、私にセクハラしようとしていたおじさんだった。
なんの用だろう。もう、あんまり関わりたくないのに。
「うへへ、忘れ物したって言って戻ってきたんだ~。送ってくよ」
「え、いえ、いいです。駅も近いし、電車で帰るだけなので」
わざわざ嘘までついて戻ってくる意味が分からない。
「俺、車だからさ~。いいから乗っていきなよ。ほら、おいで」
そんな赤ら顔をしておいて、一体なにを言っているのだろう。飲酒運転の車に乗るなんて絶対にない。
いくら私でも、少し怒る。
「結構です。一人で帰れますので」
「いやいや、遠慮しないで。俺の車、すぐそこだからさ~」
優しい言葉とは裏腹に、無理やり肩に腕を回される。
強い力と酷い臭い。すごく嫌だけど押し戻せない。
このままじゃ、車に乗せられてしまう。ピンチだというのに、息が詰まって声が出せない。
――助けて!
「あれ、どうした。こんなところで何やってんだ?」
天の助け!?
でも、どこかで聞いたような声。
「……あー、すまんすまん。腹の調子が悪くてな、待たせちまった。もしかして、もう帰ろうとしてたか?」
さっきお手洗いで会った人!?
なにを言っているのか分からないけど、助け舟を出してくれているってことだよね?
「おっさん、その子のこと放してやってくれ。俺が先約だからさ」
「……ひっく、なんだガキ。俺はこの子とずっと一緒に飲んでたんだ。関係ねぇ奴はすっこんでろ!」
怖い。低い声と乱暴な言葉遣いに、情けないけど萎縮してしまう。
「それがそうでもないんだな。さっき便所で知り合って仲良くなったんだよ。な?」
全然仲良くなった覚えはないけど、ここは便乗させてもらおう。
「そ、そう、です。す、少しだけ、お話をしようって」
「そういうことだ。引っ込むのはそっちの方だぜ?」
「あぁ~? デタラメ言いやがって。この子は俺と一緒に行くって言ってんだ。いいから邪魔すんじゃねぇ!」
人のことを力づくで連れ去ろうとしている酔っ払いが、なにを言っても説得力がないよ。
それでも、迫力のある怒鳴り声はかなり怖い。
「危ないおっさんだな……」
助けてくれようとしているのは、すごくありがたい。
だけど、こう言ってはなんだけど、男の子はあんまり強そうじゃないし、どうしたらいいのだろう。
「あ、痛い。痛い痛い痛いっ、ちょ、ちょっと待っててくれ。腹が痛い。また便所行って来るから、ちょっとだけ待ってろよ!」
あれ……。
男の子はお腹を押さえながら、一目散にお店の中に戻っていってしまった。
残される私とおじさん。
これって、もしかして。逃げた?
た、助けてくれるんじゃなかったのかよ~!
「……じゃあ、風香ちゃん。そろそろ行こう」
「い、嫌です。放してください! それに飲酒運転」
「大丈夫だよ、これくらい。もう子供じゃないんだから、今日くらいいいだろ? 面倒臭ぇな」
本性を現したおじさんは、もう取り繕わなくなって無理やりに私を車まで連れて行こうとする。
力じゃ全く敵わないし、時折見掛ける人も見て見ぬ振りで誰も助けてくれない。
懸命に抗うけど、どうにもできそうにない。
それでも諦められるはずがない。こんなのは絶対に嫌だ。
「おいこら、いい加減にしろ!」
私の抵抗に苛立ったおじさんが拳を振り上げるのを見て、頭が真っ白になる。
怖くて悲しくて情けなくて涙が出てくる。
その時。
「いい加減にすんのは、お前だ! この馬鹿オヤジ!」
「へぎゃっ」
言葉と共に何かがおじさんの頭に叩きつけられた。
おじさんが頭を押さえるために私を放して、やっと自由になれた。
よく見れば、さっきまたお手洗いに行ったはずの男の子が、モップを振り下ろした姿勢で、私に下手なウィンクを送ってきた。
「こ、このガキ、ぐっ、ぐああああああっ、や、止めっ、あぎゃあああ」
男の子はさらなる追撃で、なんとトイレ用洗剤をおじさんの顔を目掛けて噴射。
すごく痛そうに転げまわっている。
あの洗剤はかなり危険なはずで、皮膚や目に付いてしまったら早く水で洗い流さないといけないものだったと思う。全く同情できないけど。
「ほら、ボーっとすんなっ、行くぞ!」
モップと洗剤を放り出した男の子は、私の手を掴んで走り出す。
その時の私の意識を占めたのは、力強くても優しく握ってくる男の子の手の熱さだけだった。
駅の近くまで来ると、男の子は私の手を放してくれた。
名残惜しく感じてしまうのは、きっと気のせい。
「ここまで来れば大丈夫だろ? それとも、家まで送っていくか?」
冗談めかした言い方だけど、気遣ってくれているのは分かる。
多分、送っていって欲しいと言えば、本当に送ってくれるのだろう。それも余計なことをせず、最大限に私を気遣って。
「ううん、そこまでは大丈夫です。その、ありが」
「気にすんな。あ~、俺も電車なんだが、ちょっとまた便所に行きたくてな。そんじゃあな!」
ちゃんとお礼を言う間もなく、男の子は慌しく走っていってしまった。
せっかくいい人なのに、最初から最後まで便所便所って、そればっかり。変な人。
自分の部屋に帰り着いても、まだ治まらない。
あとで梨絵には報告しておかないといけないけど、嫌なおじさんのことなんて、もうどうでもいい。
治まらないのは胸の高鳴り。
この胸の高鳴りは、ときめきとは絶対に違う。違うったら違う。
怖い思いをしたから、きっとそのせい。
あの手の熱さも、まだ残っている気がするけど、それも気のせいに違いない。
第一、名前も連絡先だって知らない。きっともう会うことはない。
だから、あれはノーカン。
この胸の高鳴りが、特別な気持ちだったとしても、運命の出会いなんかじゃなかったってこと。
それに私の理想は、すごくロマンチックな出会い方が大事なんだからね。
初対面がお手洗いだし、あんな風に便所便所っなんて言っている男の子は圏外のはず。
いくらなんでも、あの出会い方はないよ。私はもっとロマンチックな出会いに憧れているのだから。
色々と考えてしまって、なんだかよく眠れなかった翌朝。
せっかくの休日なのにいつも以上に早く目が覚めてしまって、凝ったパンケーキなんて作ってみた。
焦げ付かないフライパンはやっぱり凄い。写真を撮って自慢しよう。
「今日はどうしようかな。あとで梨絵には昨日の報告をしておかないと。まだ寝てるかな」
あ、チャイムの音。今日は通販が届く予定はないはずだけど。
「は~い」
「あー、隣に越して来た者です。挨拶に来ました」
男の子の声。そう言えば、昨日は引越し屋さんが間違えて来てたっけ。
「あ、すぐに出ますね」
今時、ちゃんと挨拶に来てくれる人だから、きっといい人に違いない。
隣人が男の子は初めてだけど、上手くやっていけるといいな。
「や、おはようございます。って、あれ?」
「え?」
嘘。昨日の今日で見間違えることは、さすがにない。
私を助けてくれた、名前も知らない男の子。
急にドキドキしてきた。胸が痛いほど。
顔が熱くなって、嬉しいような恥ずかしいような、不思議な気持ちで満たされる。
……もうダメだ。これはもう、誤魔化しようがない。
「嘘だろ、昨日の子? こんな偶然ってあるか? でもちょうどいいや。まだ水道が来てなくてさ、良かったら便所貸してくれ」
性懲りもなく、また便所って!
「……返して」
「は? なんだって?」
恋。
私の理想とは全然違う出会いから始まった恋。
認めよう。
私は、どうしようもないほどに、恋をしてしまっている。
だけど、一言だけ文句を言いたい。
「私の理想の恋を返してー!」
了
立花風香は理想の恋がしたい 内藤ゲオルグ @georg_naitoh
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