第21弾 魔物討伐

「ここが探索限界か...」俺達は『ラ=イフ・リング』の探索限界に来ていた。

「ここから先は強力な魔物が出現するとかで探索されてないんだ。どうする? 進む?」答えは決まっている。

「行こう」


探索限界からしばらく進んだ所で、七花とアルイゴが立ち止まった。

「いるね」「いますね」 

目を向けた先では、確かに薄暗い中で何かが動いている。

「小型の魔物だ」「体長は、1メートルくらいですね」お前ら息ピッタリだな。

取り敢えず迷ったら『鑑定』で見てみよう。


名前·洞窟ウサギ 種族·魔物 レート·C 通常種

固有スキル·跳躍


洞窟へ入って最初の魔物だ。Cレートか。ムイルによると、レベル5ぐらいが必要って言ってたな...

「なあ。洞窟ウサギって強いのか?」

「洞窟ウサギ? 初級冒険者のレベル上げに使われる程度さ。でもなぜ今そんな事を?」

「いや、何でもない。魔物って殺さないとダメなのか?」

「魔物の生態系はとても複雑だから、ダンジョンである程度狩られて生態系が成り立つって事もあるんだ。このダンジョンみたいにね」情けは無用ってことか。

『創造』で拳銃を生成。今回は、リボルバーのコルト·パイソンだ。洞窟は何が起こるかわからない。.357マグナム弾が使えるリボルバーが良いと思ったからだ。

頭に狙いをつけて撃鉄を上げる。完全に押し上げたのを確認すると、人差し指で引き金を絞った。

弾丸は衝撃波を伴ってウサギとの距離を一気に詰め、寸分狂わずウサギの額を貫いた。反動で腕が跳ね上がる。

ウサギは鳴き声を上げる暇もなく絶命した。残酷だが、これが魔物との関係だ。

「もしかして、魔物を殺すのは初めてかい?」ムイルが珍しく真面目なトーンで聞いてくる。

「いや。初めてではない、かな...」

「そうかい。それなら余韻に浸るのはもういいかい? 魔物だって人間を殺す。さっきの洞窟ウサギだってそうだ。普通の人なら殺される。それがこの世界のことわりなんだよ」

「そうだな... 先へ進もう」キツイ言い方だが、ムイルの言っている事は正しい。慣れていくしかないのだろう。

俺達は進む。まだまだ先へと。


今度は俺が最初に気付いた。

「何かいるぞ... そこの岩の陰だ」俺達は身構える。ここは探索限界をすでに越えているのだから、何が起きてもおかしくない。

「...やれやれ。見つかってしまいましたか」岩の陰から男が表れた。

「あの角... 魔族の証ですね」アルイゴの言葉に警戒レベルを一段階上げる。

「しかも意志疎通が可能... ということは、Aレート以上...」それなら、『鑑定』で確認しておこう。


名前·アンダーエルフ 種族·魔族 Aレート 通常種

固有魔法·小結界


冷や汗が流れた。今の状況では、こいつに勝てるかわからない...

「見つかってしまったからには仕方がない。全力で行かせてもらいます」

この状況を打開するには...?











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